昨日は知財研修で朝から夕方までカンヅメ。お尻が痛くなりました・・・とほほ。

ところで、面白かったのは知財仲介業務に長けた講師の方の「ロイヤリティ監査」についてのお話。
ロイヤリティ監査というのは、ライセンス契約が締結された後、ライセンスの実施として製品が製造・販売されて、その実績に基づいてロイヤリティ(使用料)が計算されるわけですが、この計算が正確・適正に行われているかを公認会計士が第三者的な立場から監査するというものです。
ロイヤリティ監査については、ライセンシー(ライセンスの利用者)側の会社に乗り込んで帳簿をひっくり返して調べるわけですから当然ライセンス契約書に一項目として明記されている必要があります。


で、印象的だったのがライセンシーがロイヤリティ支払額をごまかすということ。
ライセンス契約が締結された後のライセンス使用料の支払いがライセンサー(利用を許諾する側)にとって契約締結以上に重要な事柄となります。ところがロイヤリティの計算などは原則として自己申告なわけで、製品個数などをごまかすことが特に東南アジアの法人がライセンシーの場合よくある。
ごまかすといった故意の場合のほかにも、法務部門と製造部門の連絡調整上の不備やサンプル品製作分をカウントするか、リベート分などを計算するかなど、細部の取り決めに関して契約書上の不備に起因する場合もあるそうです。

講師の方の話では「日本法人ではまずごまかすということはない」というお話でしたが、ここで先日このブログでも取り上げた海洋堂フィギア著作権侵害事件控訴審判決を思い出しました。


H17. 7.28 大阪高裁 平成16(ネ)3893 著作権 民事訴訟事件


著作権使用許諾契約に基づくロイヤリティ支払いについて、ライセンシー側のお菓子製造会社が製造個数を過少申告していたという事案です。
日本の法人でもやっぱりごまかすんですね。


講師の方の「今後益々ロイヤリティ監査は重要になる」とのお話はこうした判決もあって得心のいくものでした。