5月刊行された書籍で、第二東京弁護士会会員で構成される知的財産権法研究会による講演録集です。

本書の題名のとおりエンターテインメント法務に関わる弁護士が実務に基づいた講演をしており、いずれの内容も興味深いものとなっています。

パブリシティ権、スポーツビジネス、放送、アニメ、映画、音楽・・・
ジャスラック登録の作詞家の倒産事案なども考えさせられるものでした(385頁)。

コンテンツ産業に対しては経済産業省が新産業創造戦略の主要4部門の1つとして重視、今後ともこの分野で大きく資金が動くことが予想されます。
エンタテイメント産業でのコンテンツ保護その他法務の重要性がより一層増すことは想像に難くありません。

経済産業省「新産業創造戦略」PDF


さて、本書の講演にもある下請法の実務ですが、契約書関係について少し触れておきたいと思います。

平成16年4月施行の下請法(下請代金支払遅延等防止法)は文字通り下請事業者を保護する法律ですが、たとえば資本金1000万円規模の事業者は親事業者として本法律適用の余地があります。

・ゲームソフト開発会社がプログラムの一部をプログラマーに外注した
・アニメ製作会社がキャラクターデザインを外部のデザイナーに発注した
 ・・・

このような場合は業務委託にかかわる発注書・注文書を受託者に対して書面をもって交付する義務が委託者にあります(同法第3条)。
この交付義務に違反した場合、親事業者は50万円以下の罰金(刑事罰)に処せられる可能性がありますから注意が必要です(同法第10条)。

また、「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準(平成15年12月全部改正)」によりますと、第3条書面に記載する「下請事業者の給付の内容」としては、

主に,情報成果物作成委託に係る作成過程を通じて,情報成果物に関し,下請事業者の知的財産権が発生する場合において,親事業者は,情報成果物を提供させるとともに,作成の目的たる使用の範囲を超えて知的財産権を自らに譲渡・許諾させることを「下請事業者の給付の内容」とすることがある。この場合は,親事業者は,3条書面に記載する「下請事業者の給付の内容」の一部として,下請事業者が作成した情報成果物に係る知的財産権の譲渡・許諾の範囲を明確に記載する必要がある。

とされています。

つまり、著作権など知的財産権が受託者に発生するような場合は、その取扱いに関して契約書でなくても良いのですが発注書などの書面に明記する必要があるわけです。

公正取引委員会 下請法サイト




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