著作権・知財

2009年06月18日

半田正夫先生講演会のおしらせ(09/7/9)

平成21年7月9日に半田正夫先生をお迎えして講演会を開催します。

東京都行政書士会所属の行政書士の有志が集い、より一層の著作権についての理解を深め、また業務研鑽を重ねるべく東京都行政書士会前知財会計部部長 阿部誠先生を座長としてビジネス及び著作権判例に関する研究会「著作権ビジネス研究会」(東京都行政書士会任意団体登録)を2007年9月に立ち上げましたが、現在44名の会員を擁するに至っております。

 これまでの研究会内容(一部)

 【ビジネス研究】
  (1)コンテンツビジネスとLLP設立
  (2)金融商品取引法とコンテンツビジネス
  (3)著作権相談事例とその傾向
  (4)デジタルアーカイブ事業の現状
  (5)公益社団法人改革の現状
 【判例研究】
   著作権判例百選を素材とした判例の事例検討


1年を経てこれを記念するために著作権法の碩学でおいでの半田正夫先生をお迎えしてご講演を賜り、あわせて懇親会を開催いたします。
また、青山学院出身行政書士も青山学院行政書士会として発足してから1年を超えました。今回の開催に当たってこの企画を共催することになりました。

著作権に関心のお持ちのみなさまのご参加をお待ちしております。参加資格に特に制限はございません。詳しくは、以下のアドレスまでお問い合わせいただけたらと思います。

事務局:阿部誠、大塚大、潮博恵、松丘晃
E-mail:houmu@pc.nifty.jp(大塚)

研究会の概要

【主催】
 東京都行政書士会任意団体著作権ビジネス研究会
 青山学院行政書士会

【日時】
 平成21年7月9日(木曜)
 講演会午後6時から7時(受付5時30分より)
 懇親会午後7時から8時45分

【会場】
 会場名 青学会館アイビーホール4階クリノン
 所在地 東京都渋谷区渋谷4丁目4番25号
 電話  03(3409)8181(代表)
 交通便 銀座線・半蔵門線・千代田線下車 表参道駅下車5分

【講演内容】
 半田正夫先生(法学博士 青山学院常務理事 院長代行)
 「『著作権法概説14版』刊行によせて 著作権法の現状と展望」(仮題)

【受講料】
 8000円(任意団体会員・会員外とも)
 *講演会と懇親会の費用を含みます。
 *講演会のみなど一方の参加の場合も、上記受講料となります。
written by ootsukahoumu at 08:06|この記事のURLTrackBack(0)

2009年05月30日

NHK「放送番組に関する番組制作会社との取引基準」策定


NHKとその関連団体が番組制作会社に制作業務を委託する際の統一基準契約書ひな型をNHKが策定、公開しました(2009年5月18日公表)。

日本放送協会「放送番組に関する番組制作会社との取引基準」PDF


下請法や「放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン」(総務省)の趣旨を踏まえ、3種の委託区分について適用される業務委託基本契約書と個別契約書のひな型を用意。
著作権の帰属や業務委託料の30%前払い(外部制作の場合)などが明示されていて、コンテンツ制作会社との取引の公正な慣行の確立の一助となるのではないでしょうか。
なお、プロダクション企画や放送権購入など取引形態がいくつかあるアニメ番組については適用除外となっています。
現在、アニメ番組については基準を策定中のようですが、日本動画協会との詰め、声優さんのギャラの支払いなど検討項目があるようです。


■関連資料

総務省平成21年2月25日リリース「放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン」の策定について

総務省「放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン」PDF

NHK平成16年4月制定平成20年3月一部改正「番組制作の委託取引に関する自主基準」(別紙「アニメ番組に関する契約の考え方」)PDF


written by ootsukahoumu at 08:42|この記事のURLTrackBack(0)

2009年03月16日

中山信弘先生のご講演「著作権法改正の潮流」(CRIC)

著作権法改正についての中山信弘先生のお話を
聴いてきました。会場は満員、さすが中山先生です。

CRIC著作権情報センター
著作権法改正の潮流

先生曰く、

産業革命以来のデジタル情報化社会の到来

こういう社会構造の激変期に著作権法という
ものさしで社会を見ることができること、
歴史に立ち会えることって、とってもシアワセかも
しれません。

著作権法に限らず、知的財産権制度を大きな歴史の
流れのなかで位置づけていくということ。
リスクを取ってでもスピード感をもってネット事業を
展開できるような希望の持てる社会の実現。

改正の行方、目が離せません。


第171回国会における文部科学省提出法律案
著作権法の一部を改正する法律案
written by ootsukahoumu at 19:33|この記事のURLTrackBack(0)

2009年02月27日

ジャスラックと公取委

公正取引委員会がジャスラック(jasrac 日本音楽著作権
協会)に対して排除措置命令を出した件については、
企業法務戦士の雑感さんの記事
[企業法務][知財][独禁]「包括的利用許諾契約」は悪か?
(2009.2.25記事)
が伝えていますが、ジャスラックは2009年2月27日付
プレスリリースで見解を公表しています。

jasracプレスリリース
公正取引委員会に対する審判請求について

公正取引委員会2009年2月27日付排除措置命令
命令書等PDF

独禁法事案でジャスラックに現状の改善を求めることの
当否はともかくとして、現象として見てみると、興味深い
ところです。

NHKと民放キー局の全曲報告の体制は昨年整ったと聞
いていますし(使用楽曲を正確に捕捉できなかったから、
いままでは包括=ブランケット契約だったが、今後はそ
の必要もなくなる)、またそもそもテレビ局との包括契約
での著作権使用料率は低廉であるとも聞いたことが
あります。

この使用料の低廉の経緯は、プラーゲ旋風(戦前、欧米
音楽著作権管理団体の代理人としてプラーゲ博士が日本
で過酷な徴収業務を行った事件。この事件をきっかけに
日本でも音楽管理団体を作って参入障壁を作った。)に
までさかのぼることができるかもしれませんが、ジャスラック
としては、公取委の判断をテコにして、テレビ局との全曲
報告での使用料徴収を早急に具体化していけばよく(プラ
ーゲ旋風以来の放送局との関係でのゆがみを是正できる)、
今回のことで

メリットを受けるひと
・ジャスラック(手数料が増える)
・音楽著作権者(分配が増える)
・ジャスラック以外の管理団体(イーライセンスなど)
         (新規参入による収益増大)

デメリットを受けるひと
・テレビ局、ラジオ局(制作費上昇)

という図式で見ていくことはできないでしょうか。

総務省とテレビ局などがまとめた自主ルール「放送コンテ
ンツの製作取引適正化に関するガイドライン(指針)
」が
公表されましたし

テレビ界、下請けいじめ是正へ 番組買いたたき禁止など
(asahi.com(朝日新聞社2月22日付記事))

総務省プレスリリース(2009.2.25)

放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドラインPDF(別紙1)

テレビ局のあり方や現状に対するいっそうの見直し、改善
が求められている流れでのひとつの現れではないかと感じ
た次第です。

   --------------------

■追記(09.04.07)

論文案内 大家重夫「公取委のJASRACへの排除命令は妥当か」(マーチャンダイジングライツレポート2009年4月号)

   --------------------

■追記09.4.28

ジャスラックプレスリリース(2009.4.28)
公正取引委員会に対する審判請求の申立について

   --------------------

■追記09.7.24

津田大介(2009年7月23日 時評コラム nikkei BPnet 〈日経BPネット〉)
公取委排除措置命令で、JASRACは「変わる」か〜第一回審判は7月27日予定

   --------------------

■追記09.7.27

2009年7月27日、公正取引委員会で第1回審判が開始(09/7/27記事)
JASRAC排除措置命令、公正取引委員会で審判手続きがスタート -INTERNET Watch

   --------------------

■追記09.8.06

ニュース - CNET Japan
JASRAC、1億円の供託で公取委の排除措置命令を免除
永井美智子(編集部)2009/08/06 16:12
JASRAC、1億円の供託で公取委の排除措置命令を免除

   ------------------

■追記09.9.14

09.9.14第2回審理
The Casuarina Tree (2009/09/14記事)
JASRAC独禁法違反事件審判・#2

   ------------------

■追記09.10.29

09.10.28第3回審理
「公取委の事実認定は誤り」--JASRAC、独禁法違反を否定する証拠を提出ニュース - CNET Japan(2009/10/28 22:26)

次回の審判の予定は12月9日。

   ------------------

■追記09.12.10

第4回審理について
The Casuarina Tree(2009/12/10記事)
JASRAC独禁法違反事件審判#4
written by ootsukahoumu at 21:22|この記事のURLTrackBack(0)

2009年01月28日

ロクラク事件の判例が公表されました

ロクラク事件の控訴審の判断が公表されました。

知財高裁平成21.1.27判決 著作権侵害差止等請求控訴事件PDF

かつて,デジタル技術は今日のように発達しておらず,インターネットが普及していない環境下においては,テレビ放送をビデオ等の媒体に録画した後,これを海外にいる利用者が入手して初めて我が国で放送されたテレビ番組の視聴が可能になったものであるが,当然のことながら上記方法に由来する時間的遅延や媒体の授受に伴う相当額の経済的出費が避けられないものであった。

しかしながら,我が国と海外との交流が飛躍的に拡大し,国内で放送されたテレビ番組の視聴に対する需要が急増する中,デジタル技術の飛躍的進展とインターネット環境の急速な整備により従来技術の上記のような制約を克服して,海外にいながら我が国で放送されるテレビ番組の視聴が時間的にも経済的にも著しく容易になったものである。

そして,技術の飛躍的進展に伴い,新たな商品開発やサービスが創生され,より利便性の高い製品が需用者の間に普及し,家電製品としての地位を確立していく過程を辿ることは技術革新の歴史を振り返れば明らかなところである。

本件サービスにおいても,利用者における適法な私的利用のための環境条件等の提供を図るものであるから,かかるサービスを利用する者が増大・累積したからといって本来適法な行為が違法に転化する余地はなく,もとよりこれにより被控訴人らの正当な利益が侵害されるものでもない。
(32頁 *区切りを入れています)


知財高裁の政策的価値判断がよくわかる部分です。
著作権が技術革新とその利益の享受を阻害してはならないという、
強い意思表示を感じます。

written by ootsukahoumu at 19:08|この記事のURLTrackBack(0)

2009年01月07日

槇原敬之VS松本零士事件判決文が公表されました

229頁もあるから、重い・・・

判決PDF

年が明けて
アダルトロールプレイングゲーム著作権事件もアップされたし、
四国八十八ヶ所霊場写真不正競争防止法事件の控訴審もアップされたし、
サントリー黒ウーロン茶不正競争防止法事件もアップされたし、

これから北朝鮮映画著作権事件もアップされるだろうし、

年末の判決は、年末にアップしてくださいー 最高裁事務局(泣)
written by ootsukahoumu at 13:50|この記事のURLTrackBack(0)

2009年01月06日

横山大観作品著作権切れに

2009年1月1日を迎えて横山大観の作品が著作権切れ
となったことを末広さんのブログで知りました。

2009-01-04記事
Copy & Copyright Diary 横山大観がパブリックドメインに。

大観没後50年となるわけです。
作品にネットで身近に接することができるようになって
実際に作品を観に美術館へ足を運ぶようになるといい
ですね。

横山大観記念館

最近、大観を観たのは、たしか箱根の成川美術館で
でした。

大観の作品のなかでは、東京国立近代美術館収蔵の
「生々流転」(1923)が好きです。 
右から左へと、いつ観てもドラマチックな展開にわくわく
します。

知人のTVディレクターに横山大観著作権保護期間満了の
話をすると、

「大観柄のスカートが欲しい!」
「横山大観夜桜ベッドカバー!」


あれこれ思いを巡らしているようでした(笑)

一応、著作権法60条のような規定もあることも話題と
しながら。。

(著作者が存しなくなつた後における人格的利益の保護)
第六十条  著作物を公衆に提供し、又は提示する者は、
その著作物の著作者が存しなくなつた後においても、著
作者が存しているとしたならばその著作者人格権の侵害
となるべき行為をしてはならない。
ただし、その行為の性質及び程度、社会的事情の変動そ
の他によりその行為が当該著作者の意を害しないと認め
られる場合は、この限りでない。


written by ootsukahoumu at 04:46|この記事のURLTrackBack(0)

2008年12月31日

来年もよろしくお願い申し上げます。

年末、大阪へ行ったついでに奈良を散策しました。

鹿島神宮から神様を乗せて奈良の地へとやってきた
(という話の)シカがたくさん。人に慣れてます。

24










31





梅田の古書店梁山泊では、著作権の古本を購入することが
できて収穫でした。

みなさま、どうぞ来年もよろしくお願い申し上げます。

行政書士 大塚大
written by ootsukahoumu at 16:53|この記事のURLTrackBack(0)

2008年12月12日

Jacobsen v. Katzer事件(オープンソースソフトウェアライセンス違反事件)

昨日ソフトウェア情報センター(SOFTIC)主催の判例勉強会に参加して
きました。 発表のご担当は、小野寺良文先生(森・濱田松本法律事務所)、
ご指導は大谷和子、小川憲久、奥邨弘司の各先生。

オープンソースソフトウェア(OSS)のライセンスに関する米国著作権判例
(Jacobsen v. Katzer事件 連邦巡回控訴審2008.8.13判決)検討でしたが、
OSSのライセンス(アーティスティックライセンス)に違反して、改変部分を
明示しなかったり、著作権表示や著作者の氏名を表示しなかったことが
単なる契約違反なのか、著作権侵害となるのかといった点が争点となった
事案でした。

地裁と控訴審で判断が分かれましたが、OSSをどう保護していくかという
政策的な価値判断が根底にあるようです。
どのような違反行為にどのような制裁(損害賠償や差止)を認めるのか 。
今後の議論の展開を見守りたいと思います。

   ----------------------------------------

■判決文

cafc.u.s.courtPDF

■参考サイト

【コラム】シリコンバレー101 (283) オープンソースにおける著作権ライセンス - 米控訴裁が支持 ネット マイコミジャーナル
2008/08/19記事(Yoichi Yamashita)

オープンソースに著作権の保護−ビジネスでの確立に“諸刃の剣”との指摘も
2008/08/25記事(岡田陽子、Infostand)

重大ニュース:フリーライセンスが法的に認められる - CNET Japan
2008/08/18記事( Lessig Blog (JP))

Javaアプリケーション(鉄道模型制御アプリ)
Java Model Railroad Interface(JMRI)

   ----------------------------------------

■参考文献


オープンソースの概説書として、秋本芳伸、岡田泰子「オープンソースを理解する」(2004)、
アーティスティックライセンスの位置づけについて、可知豊「ソフトウェアライセンスの基礎知識」(2008)71頁以下、
暫定差止について、マーシャル・A・リーファー著、牧野和夫監訳「アメリカ著作権法」(2008)619頁以下、山本隆司「アメリカ著作権法の基礎知識」(2004)217頁以下参照。

GPLの法的有効性について、ソフトウェア情報センター「オープンソフトウェアの法的諸問題に関する調査」報告書(2003)参照。
独立行政法人情報処理推進機構 2003年度(平成15年度)成果報告集の調査>オープンソフト フォルダ内に報告書PDFがあります。

 ----------------------------------------

■追記08.12.14

問題のアプリのライセンスが、現在ではGPLに変更
されています。アーティスティックライセンスからGPLへの変更
の経緯については、途中にアプリ新バージョン発表
などがあったようです。

written by ootsukahoumu at 11:45|この記事のURLTrackBack(1)

2008年11月27日

講演会 大竹優子「最近の著作権裁判例について」(CRIC)

27日に開催された著作権情報センター主催月例著作権研究会講演
会は、東京地裁民事40部大竹優子判事による「最近の著作権裁判例
について」でした。

この時期のこの講演は、一年(平成19年11月から20年10月)の著作
権判例を振り返ることになって、毎回とてもたのしみにしている講演会
です。

大竹判事は、2時間という枠の中で、裁判所サイトに公表された40件
のなかの10件の判例について取り上げて事案の概要や争点を分かり
易く解説されておいででした。

■映画関係
 「シェーン映画事件上告審」
 「黒澤映画事件控訴審」
 「チャップリン映画事件控訴審」
 「北朝鮮映画事件」
■ネット関係
 「まねきTV事件」
 「ロクラクII事件」
■翻案権関係
 「パズル事件」
 「祇園祭写真集事件」
■その他
 「土地宝典事件」
 「社保庁・LAN事件」


   ----------------------------------------

地裁と知財高裁で争点での判断が分かれたものとしては、「土地宝典
事件」がありました。
事案処理として侵害主体性の判断まで検討するかどうか(民法719条
2項の幇助で済むなら間接侵害論は検討不要)印象に残った事案でし
たが、それよりもむしろ、不当利得の成否に関する争点が重要との大
竹判事の指摘には考えさせられました。

規範的に侵害主体性が判断される場合の不当利得の「利益」の捉え
方について、民法理論まで遡って整合性を検討する必要がある点は、
今後議論が重ねられそうです。

なお、この点については、大竹判事も紹介されていた本山雅弘先生の
「地図の著作物性と規範的な侵害主体による不当利得の成否ー土地
宝典事件」『L&T』41号(2008)の115頁以下で検討が加えられてい
ます。









written by ootsukahoumu at 23:47|この記事のURLTrackBack(0)

2008年11月04日

ジャスラック信託楽曲の著作権譲渡(小室哲哉さん詐欺容疑事件)

ジャスラックに信託した楽曲の著作権の譲渡について、
簡単にメモしておきたいと思います。

   ----------------------------------------

1.ジャスラックとの信託契約

自分が作詞、作曲した楽曲については、音楽出版社に楽曲
の著作権を譲渡した上で音楽出版社がジャスラックに信託
します(著作者がジャスラック信託者である場合もあります)。

ジャスラックとの信託契約というのは、ジャスラックに楽曲
の著作権の移転をしたうえで利用の許諾その他の管理をジャ
スラックに行わせることを目的とする管理委託契約で、著作
権を処分することは除かれます(信託法2条1項、著作権等管理
事業法2条、著作権信託契約約款3条1項)。

この信託契約では、ジャスラックが著作権者になって、ジャ
スラックが権利者として楽曲の利用の許諾、徴収、分配の業
務を行い、場合によっては訴訟も行います。

ジャスラック信託楽曲を、ですから楽曲の著作者といえども
著作権者ではないので、売買して実際に(物権的に)他人に
権利を移転させることはできません(できますが、ジャスラッ
クに分配を保留されたり許諾停止、信託除外されかねません。
著作権信託契約約款20条 また、二重譲渡の場合の解除に
ついて同23条2項1号)。

   ----------------------------------------

2.ジャスラック信託楽曲を譲渡できる場合

ジャスラックに信託されるべき楽曲の著作権を譲渡(一部または全部)
できる場合は以下の4つの場面に限られていて、

あらかじめジャスラックの承諾を得た上で

1.社歌、校歌など特別な依頼によって作成された楽曲を
  その会社や学校に譲渡する場合
2.音楽出版社(ジャスラック信託社)への譲渡の場合
3.CM用に依頼されて作成された楽曲の放送権(公衆送信権
  のうち放送に係る権利)をクライアントに譲渡する場合
4.TV番組や映画のBGM用に依頼されて作成された楽曲の放送権
  や上映権を番組制作者や映画製作者に譲渡する場合


となっています(著作権信託契約約款10条、経過措置1)。

ですので、「社長さん、あなたのために楽曲を作りました。
この楽曲の著作権をプレゼント(譲渡)します!!
」と、
仮に言ったとしても、ジャスラックとの関係では、この楽曲
の著作権もジャスラックに信託されるので(作品届けを出さ
なければわからないですが)社長さんの自由にはなりません。

小室哲哉さんが、どのような契約を出資者と締結したうえで、
仮契約金5億円を受領したのか正確なところはわかりませんが、
出資者がジャスラックと信託契約をしている音楽出版社であって、
なおかつ現在の楽曲を管理している音楽出版社が譲渡を承諾
しない限り、小室さんが譲渡契約を出資者と締結しても履行が
困難な(投資の実を上げられない=ジャスラックから分配を受け
られない)ことになります。

今回、出資者のために譲渡先の受皿となる音楽出版社は作って
いたと想像できますが、小室楽曲を管理している既存の音楽出版社
(バーニング、エイベックス、ソニー・ミュージックパブリッシング、フジパシ
フィック、日本テレビ音楽など)が、そろって、「うん」と言うとも
思われないわけで。。。

ただ、詐欺容疑ということですが、出資者である投資家も事前準備として
ジャスラックとの信託契約など、楽曲の著作権の権利関係については、
容易に把握できたでしょうから、どの部分で騙されたといえるのか。
どのようなビジネススキームを小室さんは投資家に提示して受皿(ビーグル)
を用意したのか、興味深いところです(*1)。

(*1)音楽著作権をファイナンス取引の対象として考える場合の
  諸問題について、
  寺本振透「知的財産権信託の解法」(2007)92頁以下の
   「第2章 音楽に関する著作権の取扱いと信託の意味」参照。

   ----------------------------------------

3.二重譲渡問題について

なお、二重譲渡(*2)されたうえで文化庁へ著作権登録もしていた楽曲
もあったとの報道もありましたので、ジャスラックも他人事とはならなく
なります。
100万曲以上(*3)の内外楽曲を管理するジャスラックにすべての信託楽
曲について対抗要件具備のための文化庁登録を要求するのは非現実的
です。
事務処理の手間はもちろん、文化庁の譲渡登録申請料は1件18000円
ですから(信託の登録は3000円)、利用者、権利者にコストが跳ね返り
ます。
ジャスラックのJ-WID(作品データベース検索サービス)が音楽著作権取引
では公示的機能を担っているとも言えるので、投資家や一般人にとっても
よりわかりやすい表示への改善取り組みはジャスラックとしても必要かも
しれません。

(*2)小室さん→音楽事務所→フジパシフィックなど音楽出版社→ジャスラック
  小室さん→小室さんの関係する会社  という二つの譲渡の流れ

 *文化庁の著作権登録状況検索で著作者「小室哲哉」を
  調べてみると、11月4日現在、52件の登録がされています。

  文化庁著作権登録状況検索


小室さんが、投資家を騙す目的で文化庁の登録制度を利用したとすれば
それこそ「制度の悪用」ですが、著作権登録制度の不備の問題とは場面
が違います。

   ----------------------------------------

4.まとめ

小室さんがインディーでジャスラックなどとのつきあいがない作家さん
だったら、たんなる二重譲渡の問題(著作権法77条)として、優劣をつ
ければいい話となります。

こと音楽著作権の利用開発については、ジャスラックやイーライセンス
など著作権管理団体の組織力を使わなければ大きなお金を得ることは
できません。

ジャスラックなどとの信託関係と整合性を保った著作権売買でなければ
徴収・分配を受けられず、著作権の価値が減じてしまってなんの意味も
ありません。

今回の事件の投資家さんも、事件や民事紛争化すると楽曲にダーティな
イメージが生じてしまい、CMや放送、カラオケなどで利用されることがな
くなり、ジャスラックからの分配が減ってしまう(自ら投資価値を減じてし
まう)という危惧が多分にあったことでしょう。
地検特捜部への告訴もよほどの判断だったと思います。


なお、著作権の二重譲渡にかかわる最近の事案としては、ケネスハワード
(ヴォンダッチ)の「フライング アイボール」イラストロゴ著作物事件が
あります。

知財高裁平成20.3.27平成19(ネ)10095著作権譲渡登録抹消請求控訴事件
ヴォンダッチ二重譲渡事件(控訴審)

   ----------------------------------------

■追記(08/11/4/13:20)

関連ブログ

benli(弁護士小倉秀夫先生)
小室哲哉さん逮捕との報道にあたって

   ----------

■08/11/5 11:00一部加筆修正
■08/11/6 08:00一部加筆修正

   ----------

■追記08/11/6 11:30

(*3)
ジャスラック保有作品資料数(ジャスラックサイトより)

国内作品・外国作品 合わせて約735万件
(そのうち利用実績のある作品を作品検索サービス「J-WID」へ登録し公開)
※「J-WID」への登録作品数
国内作品:約107万作品
外国作品:約135万作品(2008年4月)

   ----------------------------------------

■追記08/11/7 7:00

企業法務戦士の雑感(2008-11-06記事)
■[企業法務][知財]思わぬ副産物

なお、報道では、二重譲渡された約300曲のうち、文化庁に著作権登録
されている34曲について、すでに昨年末からジャスラックが分配を保留
しているとのことです(2008年11月06日 読売新聞 ヨミウリオンライン)。

   ----------------------------------------

■追記08/11/11

信託財産について、登録制度がある場合は、それが対抗要件となります
(信託法14条)。信託の登録申請は、当該信託に係る著作権の移転の登録
の際に同時に申請することになりますが(著作権法施行令35条)、
ジャスラック著作権信託約款14条3項で登録が省略可能となっています。

   ----------------------------------------

■追記08/11/28

おまえにハートブレイク☆オーバードライブ(2008-11-27)
TKプロデュースとは何だったのか?

   ----------------------------------------

■追記09/2/10

関連ブログ記事
2009.2.10記事

   ----------------------------------------

■追記09/4/30

09年4月23日論告求刑公判。大阪地裁(杉田宗久裁判長)
検察は懲役5年求刑。判決は5月11日

   ----------------------------------------

■追記09/5/11

大阪地裁は2009年5月11日、懲役3年・執行猶予5年の判断(求刑・懲役5年)。

   --------------------

■追記09/6/16

2009年6月16日記事
小室哲哉音楽著作権詐欺被告事件

written by ootsukahoumu at 07:26|この記事のURLTrackBack(0)

2008年11月03日

ひらがな文字の盗用

いやはや、いろいろ面白い出来事があるものです。

『いいとも!』書道家・森大衛が武田双雲をブログで添削指導!?
『いいとも!』書道家・森大衛が武田双雲をブログで添削指導! 日刊サイゾー

森大衛ブログ(2008年10月26日記事)
書道家 森大衛の“書道神経を磨け” 子供たちの書き初めに向けて『る』

テレビ東京 おはスタ:かっこいいっ書(武田双雲)
おはスタ:かっこいいっ書

(左:武田さんの添削 右:森さんのブログ)
武田森








武田森







文字フォントや書体自体には、著作権が認められないのが
原則なので(「書」作品には認められることがありますし、
装飾文字やカリグラフィーなどは最近でも争点になって
います)、今回の武田さんの「ひらがな」文字にも著作権は
ないから、だれでも自由に、どんな使い方をして使っても
いいわけですが、書家としての森さんの姿勢が道義的にどうかは、
別問題です。


添削すべきは現在の自分であって、他人の書いたもの
ではないことに気付いていない


とは、今回の事柄について文化の日のコーヒーブレイクの際に
話題にしたときの知人のクリエイター(森さんと同世代)の感想で、
全く同感でした。

   ----------------------------------------

■追記08/11/3 16:53

森さんから今回の件について、コメントがブログに記載されて
います。

問題の本質がわかっておいででないようです。

出所不明の画像を添削する、そしてそれをブログにアップする
その姿勢に書家として問題があると気がつかないのでしょうか。

書道家 森大衛の“書道神経を磨け”2008年11月3日(月)記事
「あ」「い」「お」「ひ」「る」


written by ootsukahoumu at 10:38|この記事のURLTrackBack(0)

2008年10月12日

読売旅行が写真無断使用(著作権侵害刑事事件)

読売新聞東京本社の子会社にあたる読売旅行が新聞折込
チラシやパンフに他社の写真を無断で使用。

レンタルポジ業者アイフォトスは8000点以上の写真の無断
使用を理由に警視庁に告訴状を提出していましたが、
10月11日、読売旅行社の調査委員会は事実関係を認め謝罪
する声明を公表しています。

asahi.com(朝日新聞社):写真の無断掲載、読売旅行「全社で実施」 調査報告発表(2008年10月11日12時24分)

読売旅行が写真を無断使用(社会) ― スポニチ Sponichi Annex ニュース
(2008年10月11日17:40)

アイフォトス社は、先のJTB東海著作権侵害刑事事件(2006/12/13)
の被害者でもありました(*)。

(*)JTB東海が写真家小沢誠さん(フォトエージェンシー
(株)アイ・フォトス)と使用許諾契約を更新しないで
パンフに風景写真を無断で使用し続けた事件(旅行パン
フレット写真流用事件)で2006年12月13日、強制捜査を
受けた事件

APA著作権レポートPDF(社団法人 日本広告写真家協会)
「特集1:JTB、著作権法違反の疑いで家宅捜索」1頁以下参照

   ----------------------------------------

■追記08/10/17

ANNニュース(10/17)によると、警視庁は告訴状を受理、立件に向けて
捜査か?と報道しています。

10/17 12:00現在、読売旅行社のサイトに、コメントは掲載されていません。
読売旅行

   ----------------------------------------

■追記08/11/26

NHKの報道によると、11月26日に警視庁が読売旅行に
強制捜査を行ったとのことです。


   ------------------

■追記09/12/16

時事ドットコム(2009/12/16-11:24)記事:
読売旅行社長ら書類送検=チラシに写真無断掲載−著作権法違反容疑・警視庁

「大手旅行会社「読売旅行」(東京都中央区)が著作権者に無断で観光地の写真をチラシなどに掲載した事件で、警視庁生活経済課は16日、著作権法違反容疑で、社長ら5人と同社を書類送検した。」

written by ootsukahoumu at 10:03|この記事のURLTrackBack(0)

2008年09月22日

企業法務戦士の雑感さんの連載記事


企業法務戦士の雑感さんが技術評論社のウエブサイトに連載記事を
掲載していることがわかりました!

08/09/21記事
■[企業法務][知財]ささやかな宣伝と言い訳。

連載:ネットだから気をつけたい! 著作権の基礎知識|gihyo.jp … 技術評論社

3ヶ月も過ぎてからの告知だなんて、奥ゆかしい(笑)

いつ、アカデミズムのほうへ転向されるか興味津々なのですが、
それはともかくとして、連載を楽しみにしたいと思います。
written by ootsukahoumu at 08:18|この記事のURLTrackBack(0)

2008年09月19日

漫画「イキガミ」・小説「生活維持省」類否問題

間瀬元朗さんの漫画「イキガミ」(ヤングサンデー連載漫画、単行本)が
星新一さんの短編小説「生活維持省」に類似するとして故星新一さんの
次女のかたが小学館に抗議をしています。

2008.09.18(星マリナ)
星新一公式サイト-漫画「イキガミ」について-

2008.09.18(小学館)
星マリナさんの『イキガミ』に対するお尋ねについて


関連記事
マンガ「イキガミ」は盗作? 星新一の娘が筒井康隆に悩みを告白。 Narinari.com
(Narinari.com編集部 2008/09/12 23:55)

『イキガミ』と『生活維持省』について
(漫棚通信ブログ版 2008.9.14)


裁判沙汰、泥仕合に発展せずに終わったこと、こういう揉め事もある
という歴史的事実が残された、という意味では、対応した小学館編集
部もご苦労があったとは思いますが、意義ある出来事だったと思います。


ともあれ、アイデアは保護されない、という一言に尽きるところです。

   ----------------------------------------

■追記08/09/22

参考記事
ネットだから気をつけたい! 著作権の基礎知識:技術評論社
第4回 盗作しても著作権侵害にはならない?−「アイデア」と「表現」の分かれ目


   ----------------------------------------

■追記08/10/17

人気ミステリ作家が徹底検証!『イキガミ』盗作騒動の罪 日刊サイゾー
(橋富政彦/「サイゾー」11月号)
written by ootsukahoumu at 09:33|この記事のURLTrackBack(0)

2008年09月18日

NHKを写真無断使用の著作権法違反容疑で書類送検

写真家縄田頼信さん撮影の風力発電用風車の写真2枚を無許諾複製、
改変してNHKが放送(2008年4月2日)、ネット配信などしたとして
9月17日、NHK報道局(東京)などに所属のニュース放送責任者、編集
担当者、カメラマンら計7人と、法人としてのNHKが著作権法違反
容疑で札幌地検に書類送検されたとのこと。


事件の概要については、写真家縄田頼信さんのサイト参照。

NHK風車写真著作権侵害違反事件ニュース(宝泉堂・縄田頼信写真家事務所)


最近では、2006年12月13日、JTB東海が写真家小沢誠さん(フォトエー
ジェンシー(株)アイ・フォトス)と使用許諾契約を更新しないでパンフに
風景写真を無断で使用し続けた事件(「旅行パンフレット写真流用事件」)
が著作権法違反容疑で強制捜査を受ける刑事事件となりましたが、メディア
に対する捜査については、十分な慎重さが求められる点(今回は強制捜査
は行われていない模様)、また著作権法違反の場合の刑事事件として立件
する場合の謙抑性、民事事件と比較した場合の違法性の高さをあわせ考え
ると、今回の事件ではよほどNHKが事実関係をつっぱねたのか、どうかとい
うところです。

*写真関連の著作権事案についてはこちらで
 ざっくりまとめています。

 写真の著作権

   ----------------------------------------

■追記08/10/12

毎日新聞(毎日jp 10月11日 11:31)記事によると、読売新聞東京
本社の子会社にあたる読売旅行社が新聞折込チラシやパンフレット
に旅行雑誌や他社のパンフレットから転用などの形で写真を無断使
用。今年6月に都内の写真貸出会社から抗議を受けていたようです。

社内調査の結果、「無断使用は、関東や関西の販売推進部や、ほぼ
すべての営業所など全社的に行われていた」と結論付けられています。

なお、広島ホームテレビ(社会ニュース10/11 17:38)記事によると
レンタルポジ業者はアイフォトスで、「読売旅行のチラシやホーム
ページで8000点以上の写真が無断使用された」として、警視庁に告
訴状を提出していたとのこと。

   ------------------

■追記09.3.1

2009年2月9日付で東京地検が嫌疑不十分で不起訴処分。
北海道警が捜査、札幌地検から撮影場所が東京だったことから
東京地検が担当。
(時事通信2009/02/26-19:15ネット記事)

written by ootsukahoumu at 07:30|この記事のURLTrackBack(0)

2008年08月23日

福井健策「著作権と著作権契約」東京都行政書士会研修会

東京都行政書士会知財会計部主催の研修会が22日に
開催されました。参加者は150名あまり。

弁護士・ニューヨーク州弁護士の福井健策先生を講師に迎え
著作権業務をビジネスにするために!著作権と著作権契約
の題目で3時間ほど行われました。

著作権の基礎的なところから、契約書作成業務(福井先生の契約書感)
まで、福井先生の軽妙な語り口もあって、参加者の感想を聞くと
だれもが楽しかった、この業務に興味が持てたと語っていました。

出版契約に言及された部分でも、わたし自身ちょうどいま、
特定作家さんのためのひな型を作り込んでいる最中で、福井
先生のお話がよく伝わってきました。

とにかく、著作権は面白い、著作権が好きだという、福井先生の
お人柄が伝わる、とてもいい研修会でした。


著作権とは何か―文化と創造のゆくえ (集英社新書)

written by ootsukahoumu at 09:11|この記事のURLTrackBack(0)

2008年06月07日

雷句誠 漫画「金色のガッシュ!!」カラー原稿紛失事件

漫画家 雷句誠さんが、小学館を相手取って330万円の損害賠償
請求訴訟を東京地裁に6月6日提訴しました。

 ---------------------

雷句誠の今日このごろ。2008/06/06 20:40
(株)小学館を提訴。

代理人小野智彦弁護士のブログ
ガッシュ作者、小学館を提訴!...June 06, 2008

 ----------------------

カラー原稿ということもあって、漫画家さん側は美術的価値を
訴求していくようです。経済的価値という意味ではまったく
そのとうりだと思います。

ところで、出版社と作家さんとのもめごとでいちばん考えない
といけないのは、担当編集者さんとの関係なのかもしれません。

編集者さんには、
こちらが育てた」とか「二人三脚でやってきた
という自負があることでしょう。

とはいえ、原稿の紛失はあってはならないことで、元原稿は
もっと大切に扱われなければならないという機運は、流出事件
さくら出版事件村上春樹生原稿事件など)を契機に認識さ
れるようにはなっているとは思うのですが、なかなか・・・

原稿の取り扱いの歴史についてはたけくまさんのブログを
ご覧ください。

たけくまメモ
コレクター考(7)冥府魔道の収集術(一)
コレクター考(8)冥府魔道の収集術(二)

 -----------------------

事案は違いますが、漫画原稿の係わる過去の裁判例として
出版社が漫画書籍の原稿を漫画家に返却しなかったことに
ついて、出版社の漫画家に対する不法行為責任が認められ
た事案があります。

漫画原稿返却拒否事件
東京地裁平成10.10.22平成10年(ワ)2837著作物引渡等請求事件

日本ユニ著作権センター/判例全文・1998-10-22

 -----------------------

■追記08/06/07

・「最上の命医」作画担当 橋口たかしさんのブログ(2008-06-07)
橋口たかし 緊急 臨時ブログ

・「最後通牒・半分版」(2003年10月14日火曜日)記事
「最後通牒」雑記ログ 2003年10月

過去には、「ハイスクール!奇面組」の作者新沢基栄さんが
紛失原稿をめぐって編集者を相手に提訴した事件があったよ
うです。


■追記08/06/09

・漫画家新條まゆさんのブログ(2008年06月08日記事)
まゆたんブログ 思うこと。

・たけくまさんのブログ(2008年6月9日(月)記事)
マンガ界崩壊を止めるためには(1)

・雷句誠が小学館を提訴 まとめサイト(2008-06-09(Mon))
雷句誠の小学館提訴に対する各所の反応まとめ

■追記08/06/13

たけくまメモ
マンガ界崩壊を止めるためには(2)

大手出版社の編集者がすでにいわゆる正社員ではなくて
業務委託社員だったりするわけで、漫画家さんに劣らず
編集者さんの地位も不安定だったりします。

アーティストさんたちがネットで自分を表現(営業)
できる現在、たとえば音楽アーティストさんたちの動き
と能力のある漫画家さんの動きは見ていると同じで、
能力があるアーティストさんはプロデューサー(編集者)
を必要とせずにひとりで(レコード会社や出版社をもの
ともしない)やっていこうとしています。

もちろん、こうしたプロデューサーの存在は普遍で
無くならないし、二人三脚で創作するアーティストさんも
いるでしょうし、ひとりでやっていくアーティストさんも
いる。
アーティストさんはいろんな形態で好きなように表現
していく。

結局、大きく変わらないと行けないのは、「雑誌→単行本」
ざっくり収益ビジネスモデルの出版社やレコード会社、
仲介業者(流通)。

出版社やレコード会社は作家さんの作品のデジタル(二次利用)
をおさえようと躍起になっていますがそれで済む問題ではないはずで、
自らの存在意義(流通以上の)があらためて問われています。

   --------------------

■追記08/06/16

たけくまメモ(2008年6月14日(土))
マンガ界崩壊を止めるためには(3)

漫画家さんの契約協議については、まさしくわたしも
携わらせていただいているところです。
弁護士までは必要とされない段階では、行政書士は敷居
が低くて漫画家さんにも使ってもらい易いのかもしれません。


   --------------------

■追記08/6/20

「金色のガッシュ!!」の作者である漫画家、雷句誠さんにいろいろとインタビューしてきました - GIGAZINE(2008年06月20日 09時00分00秒)


   --------------------

■追記08/6/22

たけくまメモ
マンガ界崩壊を止めるためには(4)

   --------------------

■追記08/6/24

たけくまメモ
マンガ界崩壊を止めるためには(5)

   --------------------

■追記08/6/25

たけくまメモ
マンガ界崩壊を止めるためには(6)

   --------------------

■追記08/6/27

たけくまメモ
マンガ界崩壊を止めるには(補足)

   --------------------

■追記08/6/28

*漫画家と原作者との間の紛争

産経新聞6月28日朝刊東京版15版31頁より
人気漫画「軍鶏」謎の休載舞台裏 漫画家vs原作者 泥仕合

漫画家たなか亜希夫さんと原作者橋本以蔵さんとの間でたなかさんが
作品「軍鶏」の著作権の確認と損害賠償1億5千万円を求め、東京地裁
に提訴、6月27日に第一回口頭弁論が開かれたそうです。


   --------------------

■追記08/7/15

真偽は不明。サンデー宛FAXが真正ならどうしてこれが
流出したのか。
作家さんの苦しみ、痛みが伝わる。

>gooブログ「雷句氏は天才だ!」(2008.7.14)現在アクセス不可

   --------------------

■追記08/08/01

第1回口頭弁論(7月28日11時30分 東京地裁522号法廷)の
様子について、

日刊サイゾー(橋本玉泉)
『金色のガッシュ!!』原稿紛失訴訟は小学館が非を認め和解に

次回弁論期日は、9月22日13時30分東京地裁606号法廷。

   ----------------------------------------

■追記08/09/20

雷句さんのブログより。和解案の協議となりそうです。

東京地方裁判所 民事第7部
日時・場所 2008年09月22日 午後1時10分
東京地方裁判所正門玄関2番交付所
事件名 損害賠償 平成20年(ワ)第15321号

雷句誠の今日このごろ。
9月22日月曜日の裁判情報。(2008/09/19 21:55)

   ----------------------------------------

■追記09/4/29

雷句誠の今日このごろ。2008/11/11記事

和解成立。そして・・・

和解条項案
 1 被告は、原告に対し、原告所有の漫画原稿を紛失したことにつき、謝罪する。
 2 被告は、原告に対し、本件和解金として金255万円の支払義務あることを認める。
 3 被告は、原告に対し、前項の金員を平成20年12月15日限り、原告代理人「◯◯◯◯◯」名義の三井住友銀行◯◯支店普通預金口座(口座番号◯◯◯◯◯◯)に振り込む方法により支払う。
 4 原告は、その余の請求を放棄する。
 5 原告及び被告は、原告と被告との間には、本件に関し、本件和解条項に定めるほかに何らの債権債務がないことを相互に確認する。
 6 訴訟費用は、各自の負担とする。 
以  上


written by ootsukahoumu at 09:30|この記事のURLTrackBack(0)

2008年05月25日

映画「Shall we ダンス?」振り付け事件

映画「Shall we ダンス?」の振り付けを担当した舞踏家わたり
としおさんが、角川映画を被告として損害賠償請求訴訟を東京
地裁に提訴したそうです。

産経Web 「シャル・ウィ・ダンス」のダンスは誰のもの? 振り付けの著作権めぐり提訴(2008.5.24 23:24)
(産経新聞2008年5月25日東京15版29頁)


テレビ放送、DVDなどの二次利用をめぐっての争いで、二次使
用料5300万円をわたりとしおさんは請求していますが、20日の
第一回口頭弁論では、角川映画側はわたりとしおさんの著作権
者性から争っているそうです。

わたりとしおさんの振り付けに創作性(*)があって、わたりさんが
著作者、著作権者となるのか、かりに著作権者だとしてもすで
に受け取ったダンス指導料150万円のなかに、二次利用料につ
いてもざっくり含まれていたとして、「黙示の合意」などがあ
ったと認められるのかどうか。

裁判の行方を注目したいと思います。

(*)著作権法第10条1項3号「舞踏又は無言劇の著作物」
    「能楽、バレエ等の振り付けがこれに該当するが、
     社交ダンスのステップ、などの振り付けはこれに
     あたらないこと。」
     (著作権法令研究会編「著作権関係法令実務提要1」265頁)


なお、振り付けの創作性にかかわる過去の判例としては、
以下のようなものがあります。

(1)バレエ作品振付け著作権事件
(ベジャール事件/アダージェット事件)
 東京地裁平成10.11.20平成8(ワ)19539損害賠償等請求事件

田村善之「上演権侵害の主体――バレエ作品振付け著作権
事件」『著作権判例百選3』130頁以下参照

(2)日本舞踊家元事件
 福岡高裁平成14.12.26平成11(ネ)358著作権確認等請求控訴事件
 福岡地裁小倉支部平成11.3.23平成7(ワ)240、1126

知的所有権問題研究会編「最新著作権関係判例と実務」(2007)
533頁以下[團潤子]参照


■追記(08.5.26)

下記の論文では、著作権法第10条1項3号の立法趣旨や
舞踏のアイデアと創作性、「パ」(バレエのステップ)の
著作物性について述べられています。

藤本寧「「舞踊の著作物」の立法経緯とバレエの創作性について 」
    『大学院研究年報 法学研究科篇2005』(中央大学 2006.2)
     35号337頁以下
written by ootsukahoumu at 09:07|この記事のURLTrackBack(0)

2008年04月11日

学問をするということ−中山先生のすごさ

企業法務戦士の雑感さんの記事で東大を退官された
中山先生のお話が掲載されています。

企業法務戦士の雑感(2008.4.10記事)
■[企業法務][知財]師の志を継ぐものは誰か?

中山信弘先生のご業績はいまさらで言わずもがな
ですが、後進に与えた影響というのはきわめて大
きいものではないでしょうか。

2月29日のデジタルコンテンツ協会のセミナー
著作権リフォーム―コンテンツの創造・保護
・活用の好循環の実現に向けて―
」に参加し
た際、退官を控えた中山先生が思いがけず登壇さ
れて、著作権法の現状についてフランクに語って
いただいたのを聴くことができました。
先生のお人柄によって、どれだけほかの研究者が
著作権法のリフォームについて発言しやすくなる
ことか。

ところで、小倉先生ご案内の知的財産権研究会関
連記事からも中山先生が関わられた研究会の活動
が20年を経ていて、幹事のかたがたのご苦労はも
ちろんですがその学究の歴史の厚みを感じます。

BENLI(2008.4.4記事)
知的財産権研究会100回記念シンポジウム



written by ootsukahoumu at 07:59|この記事のURLTrackBack(0)