著作権文献

2009年10月31日

新刊案内 島並良、上野達弘、横山久芳「著作権法入門」(有斐閣)

2009年10月30日刊行の本書は、島並良、上野達弘、横山久芳の各先生執筆による著作権法の入門書。 本文全282頁。判例は駒込大観音仏頭部原状回復事件(東京地裁平成21.5.28)まで触れられています。
豊富な判例掲載、コンパクトな厚みでお勧めの一冊です。


著作権法入門
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ちなみに、島並先生は、ツイッターをされておいでです。
http://twitter.com/shimanamiryo

島並先生のブログはこちらです。
六甲山麓日記
著作権法入門

目次有斐閣サイトより

第1章 著作権法への招待
 第1節 はじめに
 第2節 著作権の正当化根拠と特徴
 第3節 全体の見取り図
第2章 著作物
 第1節 著作物性
 第2節 著作物の種類
 第3節 権利の目的とならない著作物
第3章 著作者
 第1節 総論
 第2節 創作者主義の原則
 第3節 創作者主義の修正
第4章 著作者人格権
 第1節 総論
 第2節 著作者人格権
 第3節 みなし著作者人格権侵害
 第4節 著作者が存しなくなった後における人格的利益保護
第5章 著作権
 第1節 著作権の発生と効力
 第2節 法定利用行為
 第3節 権利制限
 第4節 保護期間
第6章 著作隣接権
 第1節 総論
 第2節 実演家の権利
 第3節 レコード製作者の権利
 第4節 放送事業者の権利
 第5節 有線放送事業者の権利
第7章 権利の活用
 第1節 活用の類型
 第2節 権利者が複数人の場合
第8章 権利侵害
 第1節 権利侵害の要件
 第2節 民事救済
 第3節 刑事罰
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2009年10月27日

新刊案内 小野昌延、三山峻司「新・商標法概説」(青林書院)

小野昌延先生の「商標法概説第二版」が1999年12月刊行なので、ほぼ10年での改訂となります(2009年9月11日刊行)。
第二版は有斐閣から出ていましたが、新版となる「新・商標法概説」は青林書院。三山峻司先生との共著となり本文頁数も479頁から554頁へとボリューム感が増しています。

新・商標法概説
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2009年10月24日

新刊案内 吉田大輔「全訂版著作権が明解になる10章」

2009年9月30日刊行の本書は、平易な叙述で分かり易く著作権法を解説するものとして定評がありますが、1999年の初版刊行(3訂版は2005年)からほぼ10年を経て2009年著作権法改正を踏まえた全訂版となります(本文全348頁)。

コンパクトな装丁で、バスや電車のなかでも読みやすい書籍です。

著作権が明解になる10章
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2009年10月22日

新刊案内「小野昌延先生喜寿記念 知的財産法最高裁判例評釈大系2」(意匠法・商標法・不正競争防止法)

小野昌延先生喜寿記念知財最高裁判例評釈3分冊の第2冊目には、意匠法、商標法、不正競争防止法の3法に関する最高裁判例が掲載されています(2009年9月28日刊行 本文全749頁)。

意匠法は13件、商標法は42件、不正競争防止法は28件取り上げられていて、不正競争防止法についてはニューアマモト事件(昭和34.5.20決定)から天理教分教会事件(平成18.1.20判決)までが収録されています。

知的財産法最高裁判例評釈大系 2
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2009年10月15日

新刊案内 草間文彦「実践 ライセンスビジネス・マネジメント-ロイヤルティで稼ぐ仕組みを構築する-」

プロダクトマネージャー、ライセンスマネージャーなどライセンスビジネス30年の経歴をお持ちの草間文彦氏執筆による本書は、日米欧を中心としたライセンスマネジメントの実務を平易に解説するものです(2009年9月15日刊行)。

販売計画や生産管理、証紙管理にまで言及されている点は、類書を見ない本書の特徴ではないでしょうか。
証紙からオーディットへの変化が必要」(189頁参照)という、証紙管理より業務監査・事後監査(ライセンス監査)の重要性を指摘されておいでの点は、強く肯首できるところです。

実践 ライセンスビジネス・マネジメント
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2009年10月09日

新刊案内「知的財産法政策学研究」24号(2009)

北海道大学グローバルCOEプログラム「多元分散型統御を目指す新世代法政策学」事務局、北海道大学情報法政策学研究センター編「知的財産法政策学研究」の24号が刊行されました(2009年9月)。

多元分散型統御を目指す新世代法政策学知的財産法政策学研究

著作権に関わる論文としては、

Branislav HAZUCHA、田村善之・丹澤一成訳「他人の著作権侵害を助ける技術に対する規律のあり方-デュアル・ユース技術の規制における社会規範の役割-」25頁以下

津幡 笑「絵画的な表現の著作物の保護範囲-博士イラスト事件-」97頁以下

宮澤信二郎「情報財の価格差別と著作権保護」229頁以下

平澤卓人「分割してインターネット配信する著作物に対する法的保護-日めくりカレンダー事件-」259頁以下

田村善之「書評 中山信弘『著作権法』」341頁以下

が掲載されています。

田村先生の書評は、よくある書評の域を超えたもので、田村先生の御著書「著作権法概説」と中山先生の御著書の比較の視点から現行著作権法の構造論としてインセンティブ論と自然権論に言及するもので一読をお勧めしたいところです。


なお、不正競争防止法関連としては、以下の論文が掲載されています。

洪 振豪「知的財産権の侵害警告と「正当な権利行使」(2・完)-アクティブマトリクス型表示装置事件-」291頁以下
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2009年10月01日

新刊案内 小室哲哉「罪と音楽」(幻冬舎)



罪と音楽
罪と音楽
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小室哲哉さん書き下ろし(原稿枚数291枚/400字詰)の本書は、詐欺事件の顛末と音楽制作に関わる事柄に触れるものです(2009年9月15日刊行)。

そもそも僕は、「音楽著作権印税」の解釈すら、間違えていた。
僕は権利そのものを自分が持っていると思っていた。だから、自分の意思で右から左へ動かせると信じてしまっていたのだ。
(123頁)

小室さんのような作家さんでも権利関係については無頓着というのがびっくりするところです。

5億円詐欺被告事件も「悪質」というより、「無知」故の、というところでしょうか。
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2009年09月24日

新刊案内 田路至弘「法務担当者のためのもう一度学ぶ民法(契約編)」(商事法務)


弁護士田路至弘(とうじよしひろ)先生執筆による本書は、企業取引における契約で注意しなければならない民法の基本を平易に解説するものです(2009年9月10日刊行 本文全227頁)。

委任と請負、請負と売買、請負と雇用など、典型契約によって危険負担や瑕疵担保責任がどう違ってくるのか分かり易く図示されていますし、契約書の自動更新条項についての高裁判例(184頁以下)や継続的契約の解消の問題(186頁以下)など、民法と契約の関わりについて参考になります。

債権と物権、企業の内と外というように、できるだけ民法を体系的に解説している点、また図表の多用といった点で法学部以外の他学部出身の方にもお勧めできる1冊です。
法務担当者のためのもう一度学ぶ民法(契約編)
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2009年09月20日

新刊案内「小野昌延先生喜寿記念 知的財産法最高裁判例評釈大系3著作権法」(小野昌延先生喜寿記念刊行事務局編)

2009年9月28日刊行の本書(第3巻)は、小野昌延先生喜寿記念として知的財産法(産業財産権法と不正競争防止法、著作権法)に関わる最高裁判例を取扱った全三巻の評釈集のうち、著作権法の40件と三巻分の総合判例検索を掲載しています(青林書院刊行 第3巻本文全405頁)。

著作権法に関する最高裁判例として取り上げられているのは、古いものは昭和38.12.25ミュージックサプライ事件、新しいものは平成15.4.11RGBアドベンチャー事件となっています。

著作権判例百選の第1版、2版、3版に掲載されていた最高裁判例が20件ですので、倍の掲載数。そうしたものとの変遷の比較をしてみるのも面白いです。

小野昌延先生の米寿記念刊行を愉しみにさせて頂きつつ、いつまでも小野先生がお元気でおいでであることを願って止まないところです。

知的財産法最高裁判例評釈大系 3
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2009年09月10日

新刊案内 山口毅「急増する個人請負の労働問題」(労働調査会)

弁護士山口毅先生執筆による2009年7月25日刊行の本書は、システムエンジニアや芸能関係者などの契約関係で業務委託契約が請負契約の性質なのか雇用契約なのか、その契約者の労働者性を豊富な裁判事例を挙げて検討されている書籍です(本文171頁)。

実際、タレントさんの事務所との専属契約が雇用契約なのか請負/準委任契約なのかは制約の仕方や育成費の高低などケースバイケースなのですが、請負/準委任契約の形式でまとめた契約書を作成・合意したとしても、労働者性を肯定された場合の効果(労働基準法や労働契約法、社会保険関係などの法令の適用がある。 本書15頁以下参照)については、事務所側にも十分認識してもらう必要があります。

関連ブログ記事:企業法務マンサバイバル(2009年08月27日記事)
【本】急増する個人請負の労働問題―告示37号は「労働者性判断基準」ではありません

急増する個人請負の労働問題―システムエンジニア等は労働者か?
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2009年08月24日

新刊案内 辻本一義監修、辻本希世士著「「商品のモノマネ」のルール 特許・知的財産制度を知って商売繁盛!」(PHPビジネス新書)


弁理士辻本一義先生監修、弁護士・弁理士辻本希世士先生著「「商品のモノマネ」のルール 特許・知的財産制度を知って商売繁盛!」(PHPビジネス新書)は2009年6月1日刊行、ルールを知ってどんどんモノマネしましょう、というコンセプトで書かれた知財解説書です(新書版 本文218頁)。

モノマネなくして商売繁盛はなし」は、弁理士さんのサポートを含め知財の正確な理解を踏まえれば、全くそのとうりと感じるところです。

具体的な裁判事例を挙げたうえで、「話の要点」「権利の内容」「判決の考え」「この話から学ぶべきこと」などがコンパクトに示されていてとても読み易い内容となっており、モノマネする際の産業財産権での要点、キモを押さえることができます。

どちらかというと、類書では「類似品制作には気をつけましょう」というトーンになってしまうなかで、こうした切り口、タイトル付けはとても新鮮でした。
「商品のモノマネ」のルール (PHPビジネス新書)
「商品のモノマネ」のルール (PHPビジネス新書)
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2009年08月09日

文献案内 大家重夫「著作権法のあらましと最近の著作権紛争」(マーチャンダイジングライツレポート2009.8 586号)



大家重夫先生のご論考「著作権法のあらましと最近の著作権紛争」が「マーチャンダイジングライツレポート」586号(44巻8号)75頁以下に掲載されています。
東南アジアの法律家向けのご講演の草稿に加筆を加えたもので、日本の著作権法の歴史から最近の著作権判例まで概観された内容となっています。

マーチャンダイジングライツレポート 2009-08 - 商品化権資料センター (Merchandising Rights Report (MD) - JLIC)

*ミンキーモモが30周年を迎えるということで、かわいらしい本紙表紙デザインが印象的です。

なお、大家先生の近時の判例評釈としては、ピンク・レディ事件があります(東京地裁平成20.7.4平成19(ワ)20986損害賠償請求事件)。

 「芸能人の歌唱時の振付けを利用したダイエット記事において、記事中に当該芸能人が写っている写真を使用したことが、当該芸能人のパブリシティ権を侵害する不法行為には当たらないとされた事例-「ピンク・レディ」パブリシティ権侵害事件」『判例時報』2042号137頁以下参照

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2009年07月22日

新刊案内 半田正夫「著作権の窓から」(法学書院)

半田正夫先生(青山学院院長代行・常務理事)が新刊本を法学書院から上梓されました(2009年7月25日刊行)。

「弁理士受験新報」に連載された原稿(44回)にほかの原稿も加えた47編からなるエッセイ集となります。

目次を拝見すると、著作権の歴史に関わる「プラーゲ旋風」「桃中軒雲右衛門事件の効果」や最近話題となった著作権トピックスである槇原VS松本事件の「短いコトバの著作物性」や「森進一「おふくろさん」改作事件」、「小室哲哉と著作権の二重譲渡」、さらに半田先生のご研究に関係する「著作権とわたし」など著作権に纏わる興味深い内容となっています。

先日、東京都行政書士会著作権ビジネス研究会が半田先生をお招きして講演会を開催した際にも、半田先生はウルマーの著作との出会いに言及されておいででしたが(本書「著作権とわたし(一)」169頁以下参照)、その後の研究の方向性をも決定付ける書籍との偶然の出会いというのは、もしかしたら真摯に学究に取り組まれておいででいたからこそ自ら引き込んだ「必然」だったのかもしれません。

著作権の窓から
著作権の窓から
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2009年06月17日

新刊案内 辻幸恵ほか「キャラクター総論-文化・商業・知財-」

辻幸恵、梅村修、水野浩児著「キャラクター総論-文化・商業・知財-」は2009年5月6日刊行(本文全299頁)。

キャラクター原論からマーケティング、アンケート調査、また184頁以下ではキャラクターと法律に関して考察がされていて、むろん著作権についての言及もあります。

第2章「ペコちゃん」の世論形成〜企業キャラクターはリスク・ヘッジとして機能しうるか〜(61頁以下)では、不二家「期限切れ原材料使用事件」(2007年)を研究素材として、企業の不祥事の際のキャラクターのヘッジ機能の有無が検討されていて興味深い論考です。

本書の特徴は、キャラクターの原理論とあわせてキャラクタービジネス(商品化権)やファイナンス(一般論)にまで目配りがされているところです。
その点で「総論」の名にふさわしい内容、副題の「文化・商業・知財」はぴったりかもしれません。

キャラクター総論―文化・商業・知財
キャラクター総論―文化・商業・知財
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2009年06月07日

論文案内 大家重夫「私的録画補償金制度-フランスから日本の漫画家へ2,880万円」(マーチャンダイジングライツレポート584号)

2009年6月刊行のマーチャンダイジングライツレポート44巻6号(通巻584号)54頁以下に大家重夫先生の御論文「私的録画補償金制度-フランスから日本の漫画家へ2,880万円」が掲載されています。

私的録画補償金制度に基づいてフランスから日本の漫画家さん達(手塚治虫、宮崎駿、谷口ジロー、大友克洋など)に220,000ユーロ(邦貨にして約2,880万円)が送金されたそうです。

外国美術作品のカタログを見るとよく(c)表示されているフランスの著作権管理団体(ADAGP)から日本の窓口となる有限責任中間法人美術著作権協会 (SPDA)へ送金されていて、手塚治虫や鳥山明などトップ12名の漫画家さん達には、特に3倍額の率での支払算定となっているとのこと。

大家先生は、漫画家さん達のより良い創作環境整備のためにも海外販路拡大を念頭に漫画家の著作権管理団体の創設や追及権制度(自己の作品の転売利益への配分請求権制度)の導入をご提言されておいでです。

現状では、欧米市場での漫画やアニメの使われ方と中国・韓国をはじめとするアジア地域、ロシア・中東地域など地域によって事情が異なるので漫画家さんも海外での展開については個別対応になるかと思いますが、大家先生がご指摘のジャスラック(日本音楽著作権協会)のような著作権管理団体が漫画家さんについても創設されれば、こうした管理団体の利用も検討していくことになるかと思います。

まずは前提として、国内での出版窓口や二次利用(電子化など)の権利がどうなっているのかを整理したうえで、誰が漫画家さんの窓口になるのか(出版社か漫画家さん自身か、場合によっては編プロ)を契約関係上確定する必要があるところです。

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2009年05月31日

新刊案内 作田知樹「クリエイターのためのアートマネジメント-常識と法律-」

芸術支援活動を展開されている作田知樹さんの「クリエイターのためのアートマネジメント-常識と法律-」(八坂書房)が2009年5月25日に刊行されました(本文全232頁)。

作田さんはNPO「Arts and Law」代表としてクリエイターが創作活動やビジネスで直面する法的な問題について長らく相談対応されてきました。

Arts and Law--legal and management specialist for the arts in Japan

そうした活動を踏まえてクリエイターが関わる契約や著作権の問題について本書では平易に解説が加えられています。

作田さん自身、行政書士登録もされておいでですが、行政書士は契約書作成業務をはじめ入管業務なども業務として幅広く取扱う業種で、最近では外国人アーティスト招聘なども含めアーティストの契約マネジメント業務への参入の萌芽も見えるところです。

本書の取扱い分野は視覚芸術分野やメディアアートが主となっているので、音楽については別途配慮が必要ですが、Q&A形式の事例紹介や契約書の簡単なひな型も掲載されていてイメージがしやすく、アートマネジメントの入門書として気軽に手に取れる1冊ではないでしょうか。

なお、アートマネジメントの概説書としては、林容子「進化するアートマネージメント」(2004初版 2008第5刷 レイライン)、伊東裕夫ほか「新訂 アーツ・マネジメント概論」(2004 水曜社)、表現活動と著作権法などの法律との関わりについては、最近新版としてあらたに刊行されたばかりの志田陽子先生「新版 表現活動と法」(2009 武蔵野美術大学出版局)などがあります。


クリエイターのためのアートマネジメント―常識と法律
クリエイターのためのアートマネジメント―常識と法律
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2009年04月30日

新刊案内 日本不動産鑑定協会編著「知的財産権の適正評価システム」

(社)日本不動産鑑定協会 調査研究委員会鑑定評価理論研究会編著「知的財産権の適正評価システム-基本的考え方から実例分析まで-」は、2008年10月10日刊行(全207ページ 住宅新報社刊)。本書は総論、各論、実例分析で構成されています。

知財評価の手法などについては、監査法人のほか、弁理士会も研究を行っていますが、不動産鑑定協会も早くからこの分野の研究に着手していたことは知っていました。

その研究成果の一端が本書によって公表されることになりますが、著作権価値評価の現状を伝える文献としてたいへん参考になります。

行政書士会も日本不動産鑑定協会ともっと連携を強めて欲しいものです。

知的財産権の適正評価システム―基本的考え方から実例分析まで
知的財産権の適正評価システム―基本的考え方から実例分析まで
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2009年04月21日

新刊案内 松村信夫、三山峻司「著作権法要説 ― 実務と理論」(世界思想社)

著作権法の概説書(大学、法科大学院教育向け)となる松村信夫、三山峻司両先生執筆による2009年4月26日刊行の本書(世界思想社)は、本文389ページ、ロクラク2事件控訴審(知財高裁平成21.1.27判決)までカバーされています。
本書の特色としては、二色刷を採用、条文と判例の部分が青色となっていて条文などの一覧性に優れている点が挙げられます。
なお、巻末には、33件の事案にかかわる図版や写真が掲載されています。

世界思想社|著作権法要説 ― 実務と理論

著作権法要説―実務と理論―amazon

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2009年04月20日

新刊案内 林紘一郎、名和小太郎「引用する極意 引用される極意」(勁草書房)

学術論文のなかで「引用すること」の意味を問いかける本書(2009年4月15日刊行)は、林紘一郎先生と名和小太郎先生が章ごとに分担された共著本です(本文208ページ)。

本文の他に、付録2として読書案内が掲載されていたりして(たとえば、ウンベルト・エーコ「論文作法-調査・研究・執筆の技術と手順」など)、全体としてとても興味深い、かつ読んでいて楽しい内容となっています。

引用はハウツーであると同時に,人間性が現れる」(本書15頁以下)

とは、まったくそのとおりで、どんなに学会で嫌みな先生の論文であっても、自分の論文に必要不可欠なら無視はできません。
無視して書いている論文をみれば、研究のレベルよりむしろ、そのひとの人間性(度量の狭さ)がみんなにわかってしまいます(笑)

引用の形式的な方法論は、著作権法や判例のありかた以前に指導教授の論文や著書の校正を任されていくつかやっていけば、指導教授のお作法として自ずと身につくかと思いますが、実質的なところ(検索の質や引用の適合性など)は、それこそ論文のコアな部分にかかわるので、いつまでも課題の残るところです。

引用する極意引用される極意
引用する極意引用される極意

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2009年04月07日

論文案内 大家重夫「公取委のJASRACへの排除命令は妥当か」(マーチャンダイジングライツレポート2009年4月号)

大家重夫先生(久留米大学法学部 特任教授)の御論文「公取委のJASRACへの排除命令は妥当か」が『マーチャンダイジングライツレポート』582号52頁以下(2009.4 商品化資料センター刊行)に掲載されています。

項目だけ抜き出させていただくと、

1.公正取引委員会の排除命令
2.「社団法人日本音楽著作権協会に対する排除措置命令について-平成21年2月27日-公正取引委員会」
3.公取委の問題か
4.公取委の問題であるとした場合
5.JASRACと放送事業者間の包括利用契約-その経緯
6.むすび


という構成内容をとられており、大家先生は、結論としてはジャスラックには独禁法違反はない、というご見解に立たれておいでです(56頁)。

ところで、以前ブログに「ジャスラックと公取委」というメモ(2009年02月27日)を書いた際、音楽著作権の放送使用料が廉価であることに触れましたが、音楽出版社協会(MPA)のセミナーなどに出席したときは、そうした話を聞く機会もありました。
ただ、手持ちの文献(日本音楽著作権協会編著「日本音楽著作権史 上・下」(1990)など)を紐解いてみても、そのあたりがいまひとつはっきりしないところでした。

大家先生の御論文57頁注8にジャスラック小林亞星評議員と加戸守行理事長(当時)のやりとりに言及されている文献(JASRAC NOW487号)の掲載があり、1998年当時でも「(受信料収入、放送収入に対する料率(0.5%)について)少なくとも3倍、標準的には5、6倍を目指すべき」との放送使用料率に関する議論があったようです。
(なお、平成21年2月現在、使用料規程では包括的利用許諾契約の使用料率は、放送事業収入の1.5%となっています。)

また、大家先生の御論文「プラーゲ旋風−1930年代、日本の著作権事情」『知的財産法研究』138号13頁以下(2008 萼工業所有権研究所出版部刊行)では、プラーゲ旋風対策の後遺症として、戦後も放送局の音楽著作権使用料が低く抑えられてしまった経緯とともに、この後遺症から早く脱却すべきとの見解を大家先生は述べておいでです(26頁参照 大家先生は、平成18年度ジャスラックの使用料徴収額1110億円、放送使用料255億円を踏まえ、放送は全体の半分の500億でもおかしくはない、とされておいでです)。

今回、大家先生のこれらの御論文に接し、ジャスラックの今後の在りようを考えるうえで大変参考になりました。

(以上、御論文を大家先生より拝受いたしました。重ねて御礼申し上げます。)

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■追記09.4.12

プラーゲ旋風にかかわる大家先生の御著書として、「改訂版 ニッポン著作権物語-プラーゲ博士の摘発録-」(1999)がありますが、放送使用料に触れた部分として、195頁以下参照。

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■追記09.4.28

ジャスラックプレスリリース(2009.4.28)
公正取引委員会に対する審判請求の申立について
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