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2019年07月22日

アニソンP2P無断送信事件−著作権 発信者情報開示請求事件判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

アニソンP2P無断送信事件

東京地裁令和1.6.20平成31(ワ)2629発信者情報開示請求事件PDF

東京地方裁判所民事第47部
裁判長裁判官 田中孝一
裁判官    横山真通
裁判官    奥 俊彦

*裁判所サイト公表 2019.7.17
*キーワード:レコード製作者、P2P、発信者情報開示

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■事案

P2P型ファイル交換共有ソフトShareを利用してアニメソングを送信した者の発信者情報開示を求めた事案

原告:レコード会社ら
被告:プロバイダ事業者

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■結論

請求認容

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■争点

条文 著作権法96条の2、プロバイダ責任制限法4条

1 本件各レコードの送信可能化権を侵害されたことが明らかであるか
2 発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるか

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■事案の概要

『本件は,レコード製作会社である原告らが,自らの製作に係るレコードについて送信可能化権を有するところ,氏名不詳者において,当該レコードに収録された楽曲を無断で複製してコンピュータ内の記録媒体に記録・蔵置し,インターネット接続プロバイダ事業を行っている被告の提供するインターネット接続サービスを経由して自動的に送信し得る状態にして,原告らの送信可能化権を侵害したことが明らかであると主張して,被告に対し,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)4条1項に基づき,上記氏名不詳者に係る発信者情報の開示を求める事案である。』
(2頁)

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■判決内容

<争点>

1 本件各レコードの送信可能化権を侵害されたことが明らかであるか

被告から別紙対象目録の「IPアドレス」欄記載のアイ・ピー・アドレスを割り当てられた氏名不詳者が、インターネットに接続し、それぞれ対応する同目録の「日時」欄の日時頃に本件交換ソフトを介して「ファイル名」欄記載のファイルを公衆からの求めに応じて自動的に送信し得る状態にしたことによって、「原告」欄記載の各原告が有する本件各レコードの送信可能化権(著作権法96条の2)を侵害したことが認められると裁判所は判断しています(4頁以下)。

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2 発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるか

被告は、被告からアイ・ピー・アドレスを割り当てられた氏名不詳者による本件各レコードの送信可能化権侵害との関係において、プロバイダ責任制限法4条1項の「開示関係役務提供者」に当たり、原告らが同侵害に基づく差止請求権や損害賠償請求権を行使するためには、上記氏名不詳者に係る発信者情報(氏名(又は名称)、住所及び電子メールアドレス)の開示を受ける必要があるとして、原告らにはその発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があると裁判所は判断(5頁)。

結論としてプロバイダ責任制限法4条1項に基づく原告の請求を認容しています。

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■コメント

ソーシャルゲーム発祥の「アイドルマスターシンデレラガールズ」の楽曲「Absolute NIne」やTVアニメ「おしえて!ギャル子ちゃん」主題歌「YPMA☆GIRLS」といった楽曲のP2P利用無断送信の事案となります。
written by ootsukahoumu at 06:37│知財判決速報2019