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2019年06月19日

「でんちゅ〜」飲食店用注文管理システム事件−著作権 著作権侵害差止等請求事件判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

「でんちゅ〜」飲食店用注文管理システム事件

大阪地裁令和1.5.21平成28(ワ)11067著作権侵害差止請求事件PDF
別紙1

*裁判所サイト公表 2019.6.11
*キーワード:プログラム、著作物性

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■事案

飲食店向け注文管理システムの共同開発にあたり著作権の帰属などが争点となった事案

原告:システムエンジニア
被告:経営コンサル会社

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■結論

請求棄却

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■争点

条文 著作権法2条1項10号の2

1 原告プログラムの著作物性

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■事案の概要

『本件は,被告が飲食店等に対して頒布している「でんちゅ〜」という名称の「コンピュータ及びタブレット上で動作する注文管理及び商品管理のために利用されるソフトウェア」(以下「でんちゅ〜」という。)に係るプログラム(以下「被告プログラム」という。)は,以前,原告が開発したプログラム(以下「原告プログラム」という。)を複製又は翻案した物であるから,「でんちゅ〜」を制作し,被告プログラムを複製,販売,頒布する被告の行為は,原告の,原告プログラムについての著作権(複製権,翻案権ないし譲渡権)を侵害する旨を主張し,著作権法112条1項に基づき,被告プログラムの複製,販売,頒布の各差止めを,同条2項に基づき,同プログラムの廃棄を求める事案である。』
(1頁以下)

「でんちゅ〜」:飲食店用注文管理システム

<経緯>

H23 原告起業
H23 被告会社設立
H23 被告代表者が特開2013−3812
H24 原被告間雇用契約
H27 原告退職

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■判決内容

<争点>

1 原告プログラムの著作物性

裁判所は、プログラムの著作物性について、「プログラムに著作物性があるというためには,指令の表現自体,その指令の表現の組合せ,その表現順序からなるプログラムの全体に選択の幅があり,かつ,それがありふれた表現ではなく,作成者の個性,すなわち,表現上の創作性が表れていることを要するといわなければならない」
として、溶銑運搬列車制御プログラム事件(知財高裁平成24年1月25日判決平成21(ネ)10024著作権確認等請求控訴事件)に言及した上で、ソースコードに創作性が認められるというためには定型の指令やありふれた指令の組合せを超えた、独創性のあるプログラム全体の構造や処理手順、構成を備える部分があることが必要であり、原告は原告プログラムの具体的記述の中のどの部分にこれが認められるかを主張立証する必要があるところ、具体的にどの指令の組合せに選択の幅があり、いかなる記述がプログラム制作者である原告の個性の発現であるのかを具体的に主張立証していないとして、原告プログラムの著作物性を否定。

結論として、そのほかの争点を判断することなく、棄却の判断をしています(22頁以下)。

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■コメント

原告には代理人が就いていますが、著作物性に関する立証が尽くされていないとして、棄却の判断を受けています。

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■参考判例

溶銑運搬列車制御プログラム事件(控訴審)
知財高裁平成24年1月25日判決平成21(ネ)10024著作権確認等請求控訴事件
判決文PDF
written by ootsukahoumu at 06:08│知財判決速報2019