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2019年06月15日

池田名誉会長写真発信者情報開示請求事件−著作権 発信者情報開示請求事件判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

池田名誉会長写真発信者情報開示請求事件

東京地裁平成31.4.10平成30(ワ)38052発信者情報開示請求事件PDF

東京地方裁判所民事第40部
裁判長裁判官 佐藤達文
裁判官    今野智紀
裁判官    遠山敦士

*裁判所サイト公表 2019.ーー
*キーワード:写真、職務著作、引用、依拠性、発信者情報開示

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■事案

写真のネットでの無断使用に関する発信者情報開示事件

原告:宗教法人
被告:プロバイダら

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■結論

請求認容

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■争点

条文 著作権法15条、32条、プロバイダ責任制限法4条1項

1 原告が本件各写真の著作権者かどうか
2 依拠性の有無
3 引用の成否
4 発信者情報開示を受けるべき正当な理由の有無

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■事案の概要

『本件は,原告が,経由プロバイダである被告らに対し,氏名不詳者が,インターネット上のウェブサイトに原告が著作権を有する写真を掲載し,原告の公衆送信権を侵害したことが明らかであるとして,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)4条1項に基づき,上記著作権侵害行為に係る別紙発信者情報目録1及び2記載の発信者情報(以下「本件発信者情報」という。)の開示を求める事案である。』
(1頁以下)

本件写真1:原告のC名誉会長と同夫人が原告会員を激励している様子を原告職員Aが撮影した写真
本件写真2:スピーチ中のC名誉会長を原告職員Dが撮影した写真

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■判決内容

<争点>

1 原告が本件各写真の著作権者かどうか

原告の聖教新聞社の職員であったA及びDが、原告の業務として本件各写真を撮影したこと、本件写真1は聖教新聞社が平成30年8月22日付けで発行した聖教新聞に、本件写真2は同社が同年9月1日付で発行したグラフSGI9月号38頁に、それぞれ原告名義で公表されたこと、原告の就業規則には「職員が職務上の行為として著作した著作物の著作権は、法人に帰属する。」と規定されていることから、裁判所は、本件各写真は原告の発意に基づき原告の業務に従事する者が職務上作成する著作物であり、原告が自己の著作の名義の下に公表するものであって、原告の就業規則に別段の定めもないことから、原告が著作者としてその著作権を有すると判断しています(著作権法15条1項 6頁)。

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2 依拠性の有無

被告エヌ・ティ・ティは、本件記事1の写真は記事に掲載された類似の写真に依拠したものであり、本件写真1に依拠していないと主張しました。
この点について、裁判所は、本件写真1は、平成30年8月22日付け聖教新聞に掲載されたこと、同月23日に投稿された記事には、「昨日の写真がどうも臭いと思っていたら…」との記載があること、投稿者の記事に掲載された写真と本件写真1は実質的に同一のものであることが認められることから、記事の投稿者は本件写真1に依拠して記事に本件写真1と実質的に同一な写真を掲載したものと認めるのが相当であると判断。被告の主張を認めていません(7頁)。

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3 引用の成否

被告エヌ・ティ・ティは、本件記事1において本件写真1を掲載したことが適法な引用(32条1項)にあたる可能性があるとして、権利侵害の明白性が認められないと主張しましたが、裁判所は引用にあたらないと判断。本件発信者1が本件記事1に本件写真1を掲載したことによって原告の著作権(送信可能化権)が侵害されたことは明らかであると判断しています(7頁以下)。

結論として、原告は本件発信者1に対して著作権(送信可能化権)侵害を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権等を有しており、その権利を行使するために本件発信者情報の開示が必要であること、そして、本件記事1の投稿に際し、本件発信者1に対してインターネット接続サービスを提供した被告エヌ・ティ・ティは、プロバイダ責任制限法4条1項の「開示関係役務提供者」に当たり、被告エヌ・ティ・ティは本件発信者情報を保有しているものと認められると裁判所は判断。
原告には被告エヌ・ティ・ティから本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があると判断しています。

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4 発信者情報開示を受けるべき正当な理由の有無

本件発信者2が本件記事2に本件写真2を掲載したことによって、原告の著作権(送信可能化権)が侵害されたことは明らかであるとして、原告は件発信者2に対して著作権(送信可能化権)侵害を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権等を有し、その権利を行使するためには本件発信者情報の開示が必要であると裁判所は判断。
本件記事2の投稿に際し本件発信者2に対してインターネット接続サービスを提供した被告ソニーネットワークは、プロバイダ責任制限法4条1項の「開示関係役務提供者」に当たり、被告ソニーネットワークは本件発信者情報を保有しているものと認められると裁判所は判断。
原告には被告ソニーネットワークから本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があると判断しています(8頁以下)。

結論として、原告の主張はいずれも認められています。
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■コメント

創価学会池田名誉会長の画像のネットでの無断使用に関する発信者情報開示事件です。
written by ootsukahoumu at 05:38│知財判決速報2019