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2019年04月19日

FC2動画アダルトサイト無断配信事件4−著作権 発信者情報開示請求事件判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

FC2動画アダルトサイト無断配信事件4

東京地裁平成31.3.27平成30(ワ)34818発信者情報開示請求事件PDF

東京地方裁判所民事第40部
裁判長裁判官 佐藤達文
裁判官    三井大有
裁判官    今野智紀

*裁判所サイト公表 2019.4.15
*キーワード:発信者情報開示、動画無断配信

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■事案

アダルト動画が無断で動画サイトに掲載されたことから発信者情報開示請求がされた事案

原告:ビデオ映像製作会社
被告:経由プロバイダ

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■結論

請求認容

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■争点

条文 著作権法23条、プロバイダ責任制限法4条1項

1 特定電気通信該当性
2 開示関係役務提供者該当性
3 権利侵害に係る発信者情報該当性
4 権利侵害の明白性の有無
5 発信者情報開示を受けるべき正当理由の有無

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■事案の概要

『本件は,原告が,経由プロバイダである被告に対し,氏名不詳者がインターネット上のウェブサイトに原告が著作権を有する動画をアップロードし,原告の公衆送信可能化権を侵害したことが明らかであるとして,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)4条1項に基づき,上記著作権侵害行為に係る別紙発信者情報目録記載の発信者情報(以下「本件発信者情報」という。)の開示を求める事案である。』
(1頁)

本件各著作物:「小悪魔痴女大乱交」「僕を犯してくれる痴女お姉さん達」
「E−BODY 成瀬心美」

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■判決内容

<争点>

1 特定電気通信該当性

本件動画サイト(FC2コンテンツマーケット アダルト)における別紙侵害動画目録の販売画面URL記載の各ウェブページは、インターネットに接続する環境を有する者であれば誰でも閲覧することが可能であり、当該各ウェブページは不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信の送信である「特定電気通信」に該当すると裁判所は判断しています(10頁)。

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2 開示関係役務提供者該当性

本件各発信者に対してインターネット接続サービスを提供していた被告は、プロバイダ責任制限法4条1項の「開示関係役務提供者」に当たり、被告は本件発信者情報を保有しているものと認められることから、原告は被告に対して本件発信者情報の開示を求めることができると裁判所は判断しています(10頁以下)。

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3 権利侵害に係る発信者情報該当性

裁判所は、原告が開示を求める発信者情報は権利侵害に係る発信者情報に該当すると判断しています(11頁)。

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4 権利侵害の明白性の有無

(1)本件各著作物の著作権者

本件各著作物の著作権は、CAに帰属し(著作権法29条1項)、CAを吸収合併した原告がこれを承継したと裁判所は判断しています(11頁)。

(2)公衆送信可能化権侵害の成否

氏名不詳者である本件各発信者は、本件各著作物と実質的に同一である本件各動画を本件動画サイトのサーバーにアップロードして公衆に送信し得る状態に置いたと認められ、当該行為について著作権法30条以下の権利制限事由が存在することもうかがわれないことから、本件各発信者が本件各著作物のデータを本件動画サイトにアップロードした行為は、原告の公衆送信可能化権を侵害することが明白であると裁判所は判断。
結論として、原告は、本件各発信者に対して上記侵害行為による損害賠償等を求めることができると裁判所は判断しています(11頁以下)。

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5 発信者情報開示を受けるべき正当理由の有無

原告は、本件各発信者に対して著作権(送信可能化権)侵害を理由とする損害賠償請求権等を有するが、原告が本件各発信者に対してその権利を行使するためには本件発信者情報の開示が必要であると裁判所は判断。
また、開示すべき発信者情報に関しては、電子メールアドレスの開示も対象となると判断しています。
結論として、原告には被告から本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとしています(12頁)。

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■コメント

アダルト動画のFC2サイトでの無断投稿に対する権利者側からの対応が続いています。

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■過去のブログ記事

・FC2動画アダルトサイト無断配信損害賠償請求事件3
東京地裁平成30.3.28平成29(ワ)19660損害賠償請求事件

・アダルト動画無断配信損害賠償請求事件2
東京地裁平成30.3.16平成29(ワ)29065損害賠償請求事件

・アダルト動画無断配信損害賠償請求事件
東京地裁平成30.1.23平成29(ワ)13897損害賠償請求事件
written by ootsukahoumu at 06:30│知財判決速報2019