最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

BSS−PACK著作権譲渡契約錯誤事件

東京地裁平成31.2.5平成30(ワ)13092プログラム著作権確認請求並びに著作権侵害差止請求事件PDF

東京地方裁判所民事第47部
裁判長裁判官 沖中康人
裁判官    横山真通
裁判官    奥 俊彦

*裁判所サイト公表 2019.2.25
*キーワード:著作権譲渡、錯誤無効

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■事案

ソフトウェアの著作権譲渡契約の錯誤無効の成否が争点となった事案

原告:ソフトウェア開発会社、代表取締役ら
被告:ソフトウェア開発会社

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■結論

請求棄却

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■争点

条文 民法95条

1 本件譲渡契約の全部又は一部が錯誤無効となるか否か
2 非登録プログラムに係るサンライズ社の履行請求権の消滅時効の成否等

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■事案の概要

『本件は,別紙対象プログラム目録記載1及び2の各プログラムにつき著作権を有すると主張する原告らが,(1)主位的には上記各プログラムの全てにつき著作権を有することの確認を,予備的には上記各プログラムのうち,後記1(2)ウの登録済みプログラムに係るものを除いた残部(以下「非登録プログラム」という。)につき著作権を有することの確認を求めるとともに(前記第1の1),(2)被告において被告製品を販売する行為が,原告らの上記著作権を侵害すると主張して,著作権法112条1項,2項に基づき,被告に対し,被告製品の販売差止め・廃棄等を求める(前記第1の2ないし5)事案である。』
(2頁)

<経緯>

H02 原告ビーエスエス社が「旧BSS−PACK」開発、販売
H09 原告ビーエスエス社が「BSS−PACK」開発、販売
H15 被告が被告製品を販売
H18 原告ビーエスエス社がサンライズ社と本件合意、本件譲渡契約締結
H28 前件第1事件及び前件第2事件の各請求棄却

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■判決内容

<争点>

1 本件譲渡契約の全部又は一部が錯誤無効となるか否か

本件譲渡契約において、登録済みプログラム及び非登録プログラムについての全ての権利が著作権法27条及び28条に規定する権利を含めて譲渡の対象とされたと裁判所は認定。
原告らは、本件譲渡契約の締結当時において、原告ビーエスエス社が非登録プログラムの著作権を譲渡する認識・意思を欠いていたことを前提として、本件譲渡契約に係る意思表示には要素の錯誤があったとして本件譲渡契約の全部又は一部の無効、また、本件譲渡契約締結の動機に係る錯誤の主張をしました。
しかし、裁判所は、結論として原告らの主張を認めていません(12頁以下)。

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2 非登録プログラムに係るサンライズ社の履行請求権の消滅時効の成否等

非登録プログラムについての著作権は遅くとも平成18年4月末日までに原告ビービーエス社からサンライズ社に移転したものであるとして、その履行請求権の消滅時効などを問題にする余地はないと裁判所は判断。原告らの主張を認めていません(13頁以下)。

結論として、登録・非登録を問わず別紙確認対象プログラム目録記載のすべてのプログラムの著作権が本件譲渡契約の成立によって原告ビーエスエス社からサンライズ社に移転し、原告ビーエスエス社は上記著作権を喪失したものと裁判所は判断。
原告らの本件各請求は認められていません。

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■コメント

「BSS−PACK」については過去、いくつか判決が出されています。

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■過去のブログ記事

・BSS−PACKソフト営業秘密事件
東京地裁平成28.10.25平成28(ワ)360等不正競争行為差止請求事件、
同承継参加申出事件、プログラム著作権確認請求事件
(平成28年(ワ)第360号、2943号 不正競争行為差止請求事件,同承継参加申出事件
平成28年(ワ)第4961号 プログラム著作権確認請求事件)
前件第1事件

知財高裁平成29.4.27平成28(ネ)10107不正競争行為差止、
プログラム著作権確認各請求控訴事件
(前件第1事件 前件第2事件)
控訴審

・統合業務管理ERPソフト事件
知財高裁平成26.10.30平成26(ネ)10042著作権侵害差止等請求控訴事件
控訴審

・ソフトウェア提供パートナー契約事件(控訴審)
知財高裁26.8.27平成25(ネ)10085損害賠償、同中間確認各請求控訴事件
控訴審