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2018年03月21日

アダルト動画無断配信損害賠償請求事件2−著作権 損害賠償請求事件判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

アダルト動画無断配信損害賠償請求事件2

東京地裁平成30.3.16平成29(ワ)29065損害賠償請求事件PDF

東京地方裁判所民事第40部
裁判長裁判官 佐藤達文
裁判官    広瀬 孝
裁判官    勝又来未子

*裁判所サイト公表 2018.3.19
*キーワード:動画無断配信、損害論、消滅時効

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■事案

アダルト動画を無断配信した者に対する損害賠償請求の事案

原告:ビデオ映像制作会社
被告:個人

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■結論

請求認容

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■争点

条文 著作権法114条3項

1 著作権侵害の行為者及び侵害の有無
2 消滅時効の成否
3 損害論

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■事案の概要

『本件は,原告が,被告に対し,被告は,株式会社CA(以下「CA」という。)の著作物である別紙著作物目録記載の映画の著作物(以下「本件著作物」という。)のデータをインターネット上のサーバーにアップロードしてその公衆送信権を侵害したところ,原告は,CAの被告に対する同侵害行為による損害賠償請求権を吸収合併によりCAから承継したと主張して,民法709条及び著作権法114条3項により,損害賠償金85万0085円及びこれに対する不法行為の後の日である平成29年10月3日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。』
(1頁)

<経緯>

H26.03 違法配信
H26.08 米国法人FC2,Incから発信者情報開示
H29.08 本訴提起

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■判決内容

<争点>

1 著作権侵害の行為者及び侵害の有無

本件著作物のデータを本件動画サイトにアップロードして、公衆に送信し得る状態に置いたのは被告であると裁判所は認定。
そして、被告が本件著作物のデータを本件動画サイトにアップロードした行為がCAの公衆送信権を侵害し、原告はCAを吸収合併したことにより本件損害賠償請求権を承継したと裁判所は判断しています(3頁)。

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2 消滅時効の成否

被告は、本件損害賠償請求権は時効により消滅したと主張しましたが、本件著作物のデータを本件動画サイトにアップロードしたのが被告であることをCAが知ったのは平成26年8月28日、本件損害賠償請求権をCAから承継した原告が本訴を提起したのは平成29年8月26日であることから、本訴提起時において民法724条所定の3年の時効期間は経過していないと判断。被告の主張を認めていません(3頁以下)。

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3 損害論

被告の本件著作物の著作権侵害に係る使用料相当額:
販売価格278円(税抜)×再生回数8047回×卸価格使用料率0.38=85万0085円

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■コメント

動画共有サイト「FC2アダルト」で扱われた海賊版アダルト動画配信について、発信者への損害賠償を請求した事案となります。同一原告による海賊版対策の個人への損害賠償請求として今年2件目の案件となります。

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■過去の関連ブログ記事

2018年02月25日記事
アダルト動画無断配信損害賠償請求事件
written by ootsukahoumu at 09:42│知財判決速報2018