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2017年11月20日

「高円寺ラブサイン」CD製作事件(控訴審)−著作権 著作権確認等請求控訴事件判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

「高円寺ラブサイン」CD製作事件(控訴審)

知財高裁平成29.10.26平成29(ネ)10065著作権確認等請求控訴事件PDF

知的財産高等裁判所第2部
裁判長裁判官 森 義之
裁判官    永田早苗
裁判官    森岡礼子

*裁判所サイト公表 2017.11.08
*キーワード:楽曲制作契約、原盤制作契約、著作権譲渡契約

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■事案

音楽CD製作にあたって、発注者側の契約内容の認識が問題となった事案の控訴審

控訴人(1審原告) :カラオケクラブ経営者A
被控訴人(1審被告):レコード製作会社

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■結論

控訴棄却

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■争点

条文 著作権法61条

1 被控訴人は控訴人との間で本件CD制作契約を締結するに際して本件著作権を控訴人に取得させる旨を約したか
2 被控訴人が控訴人に本件著作権を取得できると誤信させた上で本件CD制作契約を締結したことが控訴人に対する不法行為に当たるか
3 被控訴人が著作権信託契約の仕組みを説明しなかったことが控訴人に対する不法行為及び債務不履行に当たるか
4 被控訴人がJASRACに本件作品届を提出しこの事実を控訴人に秘していたことが控訴人に対する不法行為に当たるか


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■事案の概要

『本件は,本件各作品の実演を収録したCDの制作を被控訴人に依頼した控訴人が,控訴人と被控訴人との間には,被控訴人が控訴人に対して本件各作品の本件著作権を帰属させる旨の合意(以下「本件合意」という。)が成立していたと主張して,被控訴人に対し,主位的請求として,控訴人が本件著作権を有することの確認を求め,予備的請求1として,被控訴人の責めに帰すべき事由により,本件著作権を控訴人に帰属させる債務が履行不能になったと主張して,債務不履行による損害賠償金580万9650円及びこれに対する請求後の日である平成28年4月15日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまでの商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに,予備的請求2として,(1)被控訴人が,本件著作権を取得することができると控訴人に誤信させてCDの制作に関する契約を締結したことが詐欺の不法行為に当たる,(2)被控訴人が,控訴人に対して,著作権信託契約の仕組みを説明することなく,JASRACへの申請費用を支払わせたことは,信義則上の説明義務に違反する不法行為に当たる,(3)被控訴人が,本件各作品についてJASRACに作品届を提出し,この事実を控訴人に秘していたことは,控訴人に対する不法行為に当たる,と主張して,不法行為による損害賠償金580万9650円及びこれに対する不法行為後の日である平成28年4月15日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまでの民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
 原審は,本件合意の成立は認められないとするとともに,上記(1)〜(3)の不法行為の成立はいずれも認められないとして,控訴人の請求をいずれも棄却したので,控訴人が本件控訴を提起し,当審において,上記(2)の行為が債務不履行に当たるとの請求を追加した。』
(2頁以下)

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■判決内容

<争点>

1 被控訴人は控訴人との間で本件CD制作契約を締結するに際して本件著作権を控訴人に取得させる旨を約したか
2 被控訴人が控訴人に本件著作権を取得できると誤信させた上で本件CD制作契約を締結したことが控訴人に対する不法行為に当たるか
3 被控訴人が著作権信託契約の仕組みを説明しなかったことが控訴人に対する不法行為及び債務不履行に当たるか
4 被控訴人がJASRACに本件作品届を提出しこの事実を控訴人に秘していたことが控訴人に対する不法行為に当たるか


控訴審は、各争点について原審の判断を維持しています(6頁以下)。
なお、控訴人は、被控訴人が控訴人に対してJASRACとの著作権信託契約やその権利関係を全く説明しなかったことは控訴人に対する債務不履行にも当たると控訴審で主張しましたが、控訴審は認めていません。

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■コメント

原審の判断が控訴審でも維持されています。

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■過去のブログ記事

2017年06月12日原審記事
written by ootsukahoumu at 07:35│知財判決速報2017