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2016年05月16日

串かつ「かつーん」商標事件−商標権 損害賠償等請求事件判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

串かつ「かつーん」商標事件

東京地裁平成28.4.18平成25(ワ)20031損害賠償等請求事件PDF
別紙1

東京地方裁判所民事第29部
裁判長裁判官 嶋末和秀
裁判官    笹本哲朗
裁判官    天野研司

*裁判所サイト公表 2016.5.10
*キーワード:商標、著作権の抗弁、著作物性

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■事案

串かつ店舗で使用される文字とロゴで構成された標章の著作物性などが争点となった事案

原告:飲食店経営会社
被告:原告元代表取締役、不動産管理会社

原告商標:「かつーん」(5596424)(5596423)
被告標章:「かつーん」「かつ〜ん」

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■結論

請求一部認容

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■争点

条文 会社法467条、356条、商標法36条、29条、著作権法2条1項1号

1 原告の被告A颪紡个垢覯饉卷。苅横馨鬘厩爐亡陲鼎損害賠償請求
2 原告の被告らに対する共同不法行為に基づく損害賠償請求
3 被告A颪紡个垢詼楫鏗鴇ι幻△亡陲鼎差止請求
4 原告の被告A颪紡个垢觸衢権に基づく本件各動産引渡請求等

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■事案の概要

『本件は,原告が,(1)平成24年6月5日から平成25年4月27日まで原告の取締役であった被告A颪,(1)平成24年10月末に,株主総会の承認を経ることなく,原告の経営していた串かつ店「かつーん」千歳烏山店(以下,単に「千歳烏山店」という。)に関する事業を被告A饉身に譲渡したことにより,会社法467条1項に違反するとともに,利益相反取引(同法356条1項2号)をしたものとして同法356条1項に違反した,(2)同年8月17日から同月22日までの間及び同年9月24日から同年10月31日までの間に,原告の千歳烏山店の売上金を横領した,(3)同月25日,原告がしていた商標登録出願を無断で取り下げた,(4)同年9月25日及び同年10月25日に,株主総会決議を経ずに,被告A饉身の取締役報酬をお手盛りした,(5)同年9月25日から平成25年4月27日までの間,株主総会の承認を経ることなく,既に原告に事業譲渡していたはずの串かつ店「かつーん」赤坂店(以下,単に「赤坂店」という。)の営業を行い,競業避止義務違反(同法356条1項1号)をしたものとして同法356条1項に違反した,以上(1)ないし(5)をもって取締役としての任務を怠ったものである旨主張して,被告A颪紡个掘て泳。苅横馨鬘厩爐亡陲鼎損害賠償請求として,3500万円及びこれに対する平成26年7月18日付け訴え変更申立書送達日の翌日である同月23日から支払済みまでの民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求め,(2)被告A颪,平成24年10月30日,原告と被告東邦サプライとの間で締結されていた千歳烏山店の店舗建物に係る賃貸借契約を解約し,同年11月1日,被告A餮朕佑同建物を賃借する旨の賃貸借契約を締結したことは,横領に当たり,被告東邦サプライにも共同不法行為責任がある旨主張して,被告らに対し,民法709条,719条に基づく損害賠償請求として,1500万円及びこれに対する各訴状送達日の翌日である,被告A颪砲弔平成25年8月24日から,被告東邦サプライにつき同月29日から,各支払済みまでの民法所定年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求め(なお,被告A颪紡个垢襪海寮禅瓩蓮ぞ綉(1)の請求のうち1500万円及びこれに対する平成26年7月23日から支払済みまでの年5分の割合による遅延損害金の支払請求と,損害額及び遅延損害金が重複する範囲で選択的併合の関係にある。),(3)被告A颪,串かつ料理を主とする飲食物を提供するに当たり,別紙被告標章目録記載の各標章(以下,それぞれ「被告標章1」ないし「被告標章3」といい,これらを併せて「被告各標章」という。)を使用していることは,別紙原告商標目録記載の各商標(以下,それぞれ「原告商標1」及び「原告商標2」といい,これらを併せて「原告各商標」という。)に係る各商標権(以下,それぞれ「本件商標権1」及び「本件商標権2」といい,これらを併せて「本件各商標権」という。)を侵害するものである旨主張して,被告A颪紡个掘ぞι庫。械蕎鬘厩爐亡陲鼎,被告各標章の使用の差止めを求め,(4)別紙物件目録記載の各動産(以下「本件各動産」という。)を占有している被告A颪紡个掘ぁ複院頬楫鏗篤飴困猟詑濕攘戚鷭了,使用貸借契約終了又は所有権に基づき,本件各動産の引渡しを求めるとともに,(2)本件各動産の引渡済みまで又は上記引渡しの強制執行が不能となるまで1か月当たり同目録の各「使用料」欄記載の金額の割合による使用料相当損害金の支払並びに(3)本件各動産の強制執行不能の場合に同目録の各「価格」欄記載の代償金及びこれに対する執行不能となった日の翌日から支払済みまでの民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。』(2頁以下)

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■判決内容

<争点>

1 原告の被告A颪紡个垢覯饉卷。苅横馨鬘厩爐亡陲鼎損害賠償請求
(略)

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2 原告の被告らに対する共同不法行為に基づく損害賠償請求
(略)

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3 被告A颪紡个垢詼楫鏗鴇ι幻△亡陲鼎差止請求

(1)商標権侵害性

被告A颪糧鏐霽絃錬欝擇喩鏐霽絃錬欧了藩儿坩戮蓮原告の保有する本件商標権1を侵害し、被告標章3の使用行為は、原告の保有する本件商標権2を侵害すると裁判所は判断しています(58頁)。

(2)著作権の抗弁の成否

被告A颪蓮抗弁として、原告商標2については平成19年頃、A鵑創作し、著作権を有しているものであり、被告A颪錬像鵑ら許諾を得て赤坂店の営業にかつ〜んロゴ(被告標章3)を使用しているが、他方、原告は、被告A颪主体となって利用する限りでかつ〜んロゴ(原告商標2)の使用許諾を得ていたところ、平成24年9月24日、A鬚本件預金引揚げをしたことにより、千歳烏山店の運営を継続することができなくなり、被告A颪鮗臑里箸靴童狭陲かつ〜んロゴを使用することは不可能となった。
以上からすれば、原告の被告A颪紡个垢詼楫鐓ι幻■欧旅垰箸蓮原告商標2の商標登録出願の日より前に生じた他人の著作権(A鵑涼作権)と抵触するため、商標法29条により許されない旨主張しました。

この点について、裁判所は、原告商標2のロゴは、「かつ〜ん」の文字を毛筆体に変形し「か」の字を大きくしたものと、その背景に「○」の中に「串」の字を朱色で記載したマークを配したものであり、同ロゴは、商標として使用することが予定された実用的・機能的なロゴであること、上記の文字やマークはそれぞれありふれたものとみられることからすると、その実用的機能を離れて創作性は認められないことから、著作権法上の著作物には当たらず、これについて著作権は発生しないというべきであると判断。
被告A颪主張する著作権の抗弁(商標法29条)は、その前提を欠き、採用することができないと判断しています。

(3)先使用権の抗弁の成否(略)
(4)権利濫用の抗弁の成否(略)
(5)無効の抗弁の成否(略)
(6)通常使用権の抗弁の成否(略)

結論としては、被告A颪串かつ料理を主とする飲食物の提供という役務に関して、その提供を受ける者の利用に供するメニュー並びに看板、ホームページ及びチラシに被告各標章を使用することに関しては、商標法36条1項により原告は被告A颪紡个靴董∨楫鐓ι幻■韻亡陲鼎い独鏐霽絃錬欝擇喩鏐霽絃錬欧痢△泙拭∨楫鐓ι幻■欧亡陲鼎い独鏐霽絃錬海痢各使用行為の差止めを請求することができると判断されています。

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4 原告の被告A颪紡个垢觸衢権に基づく本件各動産引渡請求等
(略)

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■コメント

串かつ店の経営を巡る紛争のなかで「かつ〜ん」文字とロゴで構成される標章の著作物性が争点の1つとなりましたが、結論としては、著作物性が否定されています。

option1

(別紙より)

written by ootsukahoumu at 09:16│TrackBack(0)知財判決速報2016 

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