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2016年01月07日

「TOKYO PHOTO」写真無断使用事件−著作権 著作権侵害に基づく損害賠償等請求事件判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

「TOKYO PHOTO」写真無断使用事件

東京地裁平成27.12.7平成27(ワ)4090著作権侵害に基づく損害賠償等請求事件PDF

東京地方裁判所民事第29部
裁判長裁判官 嶋末和秀
裁判官      鈴木千帆
裁判官      笹本哲朗

*裁判所サイト公表 2016.1.6
*キーワード:写真、契約、公表権、損害論

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■事案

写真撮影を依頼したものの金額面で折り合いが着かず使用不可となったサンプル写真を無断使用した事案

原告:写真家
被告:写真展イベント企画会社、同社代表者

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■結論

請求一部認容

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■争点

条文 著作権法21条、23条、18条、19条、114条3項

1 侵害論
2 損害論

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■事案の概要

『本件は,写真家である原告が,被告株式会社東京フォト委員会(以下「被告会社」という。)ないしその代表取締役である被告A髻憤焚次嵌鏐陦像髻廚箸いΑ)が原告の撮影した別紙写真目録記載の各写真(以下「本件各写真」という。)を被告会社のウェブサイト等に無断で掲載し,原告の同写真著作物に係る複製権及び公衆送信権並びに著作者人格権(公表権及び氏名表示権)を侵害したとして,被告会社に対しては民法709条又は会社法350条若しくは民法715条に基づき,被告A鬚紡个靴討浪饉卷。苅横江鬘厩猖瑤鰐泳。沓娃江鬚亡陲鼎,損害賠償金231万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日(被告A鬚砲弔い討亙神27年3月1日,被告会社については同月11日)から各支払済みまでの民法所定年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める事案である。』
(1頁以下)

<経緯>

H25.09 被告会社が写真展「TOKYO PHOTO 2013」開催
       原告が写真展会場を撮影(22枚)
H25.12 原被告間での契約不成立
H26    写真展「TOKYO PHOTO 2014」ウェブサイトに写真(2枚)掲出
H27.01 ウェブサイト及びフェイスブックから本件各写真を削除

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■判決内容

<争点>

1 侵害論

(1)被告会社

被告会社は、被告会社のウェブサイト及びフェイスブックに原告撮影による本件各写真に若干の修正を施した画像を掲載し、本件各写真について原告の有する著作権である複製権(著作権法21条)及び公衆送信権(23条1項。)を侵害したと裁判所は判断しています(5頁)。

(2)被告会社代表者

被告会社代表者は、原告から本件各写真を使用しないことを原告から求められていたにもかかわらず、未公表であった本件各写真を公衆に提示するに至らせ、また、その際には、その著作者名(原告の氏名)を表示しなかったものであるとして、本件各写真について原告の有する公表権(18条1項)及び氏名表示権(19条1項)を侵害したと裁判所は判断しています。

そして、被告会社代表者は、原告から本件各写真についてデータの破棄を求められていたにもかかわらず、外注先ないし被告会社関係者にこれを送信ないし交付しており、上記各侵害行為について故意又は過失が認められ、民法709条に基づく損害賠償責任を負うと裁判所は判断。
また、被告会社は、その代表取締役である被告会社代表者が職務を行うについて上記各侵害行為をしたものであるから、これについて会社法350条に基づく損害賠償責任を負うと判断しています。

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2 損害論

(1)使用料相当額損害

原告が本件各写真に係る複製権及び公衆送信権の行使につき受けるべき金銭の額に相当する額(114条3項)は、原告側の「22枚の写真全購入で10万円(税別)、3枚までで5万円(税別)」「5枚であれば10万円(消費税別)でなければ売ることには応じられない」との交渉の経緯を踏まえ、2枚の侵害なので5万円と認定。

(2)慰謝料

著作者人格権(公表権及び氏名表示権)の侵害によって被った精神的苦痛を慰謝するための金額として10万円を認定。

(3)弁護士費用相当額損害

10万円と認定。

合計25万円を損害額として裁判所は認定しています。

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■コメント

写真イベントで、主催者側が会場撮影を仲介者を通して写真家に検討依頼して、結果としては契約不成立(1枚2万円が高い、ということで)だったにもかかわらず、提供されたサンプル画像を加工して勝手に使ってしまったという著作権侵害事案となります。
被告らは、原告写真家からサンプル画像を破棄することまで仲介者を通して伝えられていたにも関わらず、それを無視してウェブサイトに掲載していました。

「TOKYO PHOTO 2014」イベントは、知り合いの写真エージェントさんも出展されていたので会場へ足を運びました(丸の内TOKIA)。
まさかそのイベント開催を伝えるウェブサイトを巡って、こうした紛争が起こっていたとは思いもよらず、なにより主催者は写真を取り扱う事業者であり、たいへん残念な事態です。
written by ootsukahoumu at 06:45│TrackBack(0)知財判決速報2015 

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