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2015年11月18日

英会話教材広告キャッチフレーズ事件(控訴審)−著作権 著作権侵害差止等請求控訴事件判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

英会話教材広告キャッチフレーズ事件(控訴審)

知財高裁平成27.11.10平成27(ネ)10049著作権侵害差止等請求控訴事件PDF

知的財産高等裁判所第2部
裁判長裁判官 清水 節
裁判官      片岡早苗
裁判官      新谷貴昭

*裁判所サイト公表 2015.11.12
*キーワード:キャッチコピー、著作物性、商品等表示性、一般不法行為論

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■事案

英会話教材の広告に利用されたキャッチコピーの著作物性が争点となった事案の控訴審

控訴人 (1審原告):外国語教材企画開発販売会社
被控訴人(1審被告):Webシステム、ECサイト企画制作会社

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■結論

控訴棄却

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■争点

条文 著作権法2条1項1号、不正競争防止法2条1項1号、民法709条

1 著作権侵害の成否
2 不正競争の成否
3 一般不法行為の成否

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■事案の概要

『本件は,控訴人が,被控訴人による別紙被控訴人キャッチフレーズ目録記載1ないし4の各キャッチフレーズの複製,公衆送信及び複製物の頒布は,別紙控訴人キャッチフレーズ目録記載1ないし3の各キャッチフレーズの複製権(著作権法21条)及び公衆送信権(著作権法23条)を侵害又は不正競争を構成すると主張して,著作権112条1項及び不正競争防止法3条1項に基づき,被控訴人に対し,被控訴人キャッチフレーズの複製,公衆送信,複製物の頒布の差止めを求めるとともに,不法行為(著作権侵害行為,不正競争行為又は一般不法行為)に基づく損害賠償として,60万円及びこれに対する平成26年9月2日(訴状送達日の翌日)から支払済みまでの民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。』
(2頁)

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■判決内容

<争点>

1 著作権侵害の成否
2 不正競争の成否
3 一般不法行為の成否


控訴審は、追加主張及び追加立証を踏まえても控訴人の請求を棄却した原判決は相当であって、本件控訴は棄却されるべきものと判断しています(7頁以下)。

なお、不正競争防止法2条1項1号「商品等表示」に関連して、控訴審は、

「キャッチフレーズは,特定の商品や役務の宣伝・広告において,当該商品や役務を需要者に訴えかけるために用いられる比較的短い語句であるが,当該商品や役務の名称と一緒に表示され,その内容が,当該商品や役務の構造,用途や効果に関するものである場合は,当該商品や役務の説明を記述したものとして需要者に把握され,キャッチフレーズ自体には独自の自他識別機能又は出所表示機能を生じないのが,通常である。もっとも,当該キャッチフレーズが,当該商品や役務の構造,用途や効果に関する以外のものであったり,一般的にキャッチフレーズとして使用されないような語句が使用されたりして,当該キャッチフレーズの需要者に対する訴求力が高い場合や,広告や宣伝で長期間にわたって繰り返し使用されるなどして需要者に当該キャッチフレーズが広く浸透した場合等には,当該キャッチフレーズの文言と,当該商品や役務との結び付きが強くなり,当該商品や製造・販売し,又は当該役務を担当する特定の主体と関連付けられ,特定の主体の営業を表示するものと認識され,自他識別機能又は出所表示機能を有するに至る場合があるというべきである。」(7頁)

とキャッチフレーズの商品等表示性について詳細に説示しています。

ところで、控訴人は、著作物性の判断に関連して、控訴審において控訴人キャッチフレーズ2「ある日突然、英語が口から飛び出した!」について、五七調の利用や人物を主語としない表現という意味で、需要者に強く印象を与えるものであり従業員が試行錯誤して完成させた他の英会話教材の宣伝文句にはない独自のものである旨追加主張しました(8頁以下)。
しかし、控訴審は、「控訴人キャッチフレーズ2は,控訴人商品を英会話教材として利用した場合に,自然に流暢に英語を話すことができるようになるという効果があることを謳ったものであるが,その使用方法や効果自体は,事実であるし,消費者に印象を与えるための五七調風の語調の利用や,商品を主語とした表現の採用自体は,アイデアにすぎない」などとして、控訴人の主張を認めていません。

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■コメント

原審の判断が維持されています。キャッチフレーズについては、商標分野でも問題になるところで現場では取扱いに課題が多い事項かと思われます。

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■過去のブログ記事

2015年04月03日 原審記事

written by ootsukahoumu at 06:40│TrackBack(0)知財判決速報2015 

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