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2011年04月25日

住宅ローン商品金利情報図表事件(控訴審)−著作権 損害賠償等請求控訴事件判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

住宅ローン商品金利情報図表事件(控訴審)

知財高裁平成23.4.19平成23(ネ)10005損害賠償等請求控訴事件PDF

知的財産高等裁判所第2部
裁判長裁判官 塩月秀平
裁判官      清水 節
裁判官      古谷健二郎

*裁判所サイト公表 2011.4.20
*キーワード:創作性、著作物性、図形の著作物、編集著作物、データベースの著作物、一般不法行為論

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■事案

住宅ローン金利の比較表中の図表の著作物性が争点となった事案の控訴審

原告(控訴人)  :金融情報サイト運営者
被告(被控訴人):財団法人住宅金融普及協会

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■結論

控訴棄却

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■争点

条文 著作権法2条1項1号、10条1項6号、12条1項、12条の2第1項、民法709条

1 本件図表の図形の著作物性
2 本件図表の編集著作物性
3 本件図表のデータベース著作物性
4 一般不法行為論の成否

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■事案の概要

『1 被控訴人(被告)は自ら開設するウェブサイト上に「住宅ローン商品 金利情報」を掲載しているが,控訴人(原告)は,そのうちの,全国の金融機関の金利情報を整理した被告図表(原判決別紙Aにおいて示された図表部分)が,控訴人の著作物(図形,編集著作物又はデータベースの著作物)である本件図表(原判決別紙Bにおいて示された図表部分)を複製したものであり,被控訴人の上記掲載行為は控訴人の有する本件図表の著作権(複製権,公衆送信権)を侵害する旨主張し,被控訴人に対し,著作権法112条1項に基づく差止請求として上記「住宅ローン商品 金利情報」が掲載されたウェブページの閉鎖と,著作権侵害の不法行為による損害賠償の一部請求として706万4000円の支払を求めた。
2 原判決は,本件図表の著作物性(図形,編集著作物又はデータベースの著作物)を否定し,控訴人の請求をいずれも棄却した。
3 控訴人は,当審において,本件図表が著作物に当たらないとしても,被控訴人が本件図表の複製と同視し得る被告図表を掲載したウェブサイトの運営を行うことは,本件図表を掲載したウェブサイトの運営による控訴人の営業活動に対する侵害行為であり,かつ,公益法人による民業圧迫であるから,法的保護に値する利益の侵害による不法行為に当たると主張し,この不法行為に基づく請求を追加した。』(2頁)

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■判決内容

<争点>

1 本件図表の図形の著作物性
2 本件図表の編集著作物性
3 本件図表のデータベース著作物性

平成20年4月から原告が開設している「銀行商品コム」という名称のウェブサイトに全国の金融機関が取扱う住宅ローンに関する金利の比較表が掲載されていました。
この金利比較表のうちの図表部分(本件図表)は、金融機関名、商品名、金利等といった項目から構成されていましたが、原審では本件図表について、図形の著作物性(著作権法10条1項6号)、編集著作物性(12条1項)、データベース著作物性(12条の2第1項)が争点とされました。

結論としては、3つの争点について控訴審でも原審の判断が維持されています(6頁以下)。

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4 一般不法行為論の成否

原告は、控訴審で追加請求として、被告図表を掲載したウェブサイトの運営は、原告の営業活動に対する侵害行為であり、かつ、公益法人(被告)による民業圧迫であるとして一般不法行為(民法709条)の成立を主張しました。
しかし、控訴審は、デッドコピーに当たらないこと、被告の法人の目的として住宅金融情報等に関する情報提供があって被告図表の作成等により情報提供することは、この目的に含まれ公益に合致するものであるなどとして不法行為の成立を否定しています(6頁以下)。

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■コメント

原告は、著作権侵害が成立しない場合の一般不法行為論の成立を控訴審で追加請求しましたが、認められませんでした。

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■過去のブログ記事

2010年12月28日記事 原審

written by ootsukahoumu at 06:37│TrackBack(1)知財判決速報2011 

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事案の概要(by Bot): 1 被控訴人(被告)は自ら開設するウェブサイト上に「住宅ローン商品金利情報」を掲載しているが,控訴人(原告)は,そのうちの,全国の金融機関の金利情報を整理した被告図表(原判決別紙Aにおいて示された図表部分)が,控訴人の著作物(図形,編…