最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
女子プロレスCS放送事件(控訴審)
知財高裁平成22.12.13平成22(ネ)10069報酬金請求控訴事件事件PDF
*裁判所サイト公表 2010.12.14
*キーワード:実演家報酬請求権、ライセンス契約
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■事案
女子プロレスの映像素材の利用について無償提供の合意があったかどうかが争点となった事案の控訴審
原告(控訴人) :写真集制作業者
被告(被控訴人):株式会社スカパー・ブロードキャスティング
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■結論
控訴棄却
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■争点
条文 著作権法94条2項、民法423条1項
1 本件各映像素材の無償の放送利用の合意の成否
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■事案の概要
『全日本女子プロレス興業株式会社(以下「全女」という。)に対して前払金返還請求権を有する債権者である原告が,全女との間の放送契約に基づき,全女が主催した女子プロレス興行を中継するテレビ番組を制作し,これを地上波で放送した被告株式会社フジテレビジョン(以下「被告フジテレビ」という。)及び上記番組を収録した映像素材(録画物)を編集して通信衛星デジタル放送(通信衛星(CS)を利用したデジタル放送。以下「CS放送」という。)をした被告株式会社スカパー・ブロードキャスティング(以下「被告スカパー」という。)に対し,(1)全女は被告フジテレビとの間の放送契約において上記女子プロレス興行を地上波で放送することを許諾したが,CS放送することについては許諾していない,(2)女子プロレス興行は女子レスラーによる実演(著作権法2条1項3号)に当たり,全女は実演家である女子レスラーから実演家の放送権(著作権法92条1項)及び報酬請求権の包括的譲渡を受けていたところ,被告スカパーによる上記番組のCS放送は,実演を地上波で放送することの許諾を得た被告フジテレビから録画物の提供を受けてする放送(著作権法94条1項2号)に当たるから,当該実演がCS放送されたことに基づいて実演家の被告フジテレビに対する著作権法94条2項所定の相当な額の報酬請求権が発生し,これが全女に帰属するなどと主張し,民法423条1項の債権者代位権に基づき,全女に代位して,被告らに対し,女子レスラーの実演がCS放送されたことに基づく著作権法94条2項所定の相当な額の報酬請求(被告スカパーに対しては被告フジテレビの報酬支払債務の併存的債務引受に基づく。)又は全女が有する女子プロレス興行の興行権の内容を構成する「放送許諾権」侵害の共同不法行為による損害賠償(被告フジテレビにおいては放送契約の債務不履行に基づく損害賠償を含む。)として160万円及び遅延損害金の連帯支払を求めた事案』(原審2頁以下)
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■判決内容
<争点>
1 本件各映像素材の無償の放送利用の合意の成否
原告は、控訴審でも無償で映像素材を利用させるということはおよそ考えられないと主張しましたが、控訴審でも認められていません(6頁以下)。
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■コメント
全日本女子プロレスの債権者である原告による債権者代位訴訟で、行使の目的債権の存否が主な争点となった事案でしたが、原審の判断が控訴審でも維持されています。
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■過去のブログ記事
2010年8月5日記事(原審)
女子プロレスCS放送事件
女子プロレスCS放送事件(控訴審)
知財高裁平成22.12.13平成22(ネ)10069報酬金請求控訴事件事件PDF
*裁判所サイト公表 2010.12.14
*キーワード:実演家報酬請求権、ライセンス契約
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■事案
女子プロレスの映像素材の利用について無償提供の合意があったかどうかが争点となった事案の控訴審
原告(控訴人) :写真集制作業者
被告(被控訴人):株式会社スカパー・ブロードキャスティング
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■結論
控訴棄却
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■争点
条文 著作権法94条2項、民法423条1項
1 本件各映像素材の無償の放送利用の合意の成否
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■事案の概要
『全日本女子プロレス興業株式会社(以下「全女」という。)に対して前払金返還請求権を有する債権者である原告が,全女との間の放送契約に基づき,全女が主催した女子プロレス興行を中継するテレビ番組を制作し,これを地上波で放送した被告株式会社フジテレビジョン(以下「被告フジテレビ」という。)及び上記番組を収録した映像素材(録画物)を編集して通信衛星デジタル放送(通信衛星(CS)を利用したデジタル放送。以下「CS放送」という。)をした被告株式会社スカパー・ブロードキャスティング(以下「被告スカパー」という。)に対し,(1)全女は被告フジテレビとの間の放送契約において上記女子プロレス興行を地上波で放送することを許諾したが,CS放送することについては許諾していない,(2)女子プロレス興行は女子レスラーによる実演(著作権法2条1項3号)に当たり,全女は実演家である女子レスラーから実演家の放送権(著作権法92条1項)及び報酬請求権の包括的譲渡を受けていたところ,被告スカパーによる上記番組のCS放送は,実演を地上波で放送することの許諾を得た被告フジテレビから録画物の提供を受けてする放送(著作権法94条1項2号)に当たるから,当該実演がCS放送されたことに基づいて実演家の被告フジテレビに対する著作権法94条2項所定の相当な額の報酬請求権が発生し,これが全女に帰属するなどと主張し,民法423条1項の債権者代位権に基づき,全女に代位して,被告らに対し,女子レスラーの実演がCS放送されたことに基づく著作権法94条2項所定の相当な額の報酬請求(被告スカパーに対しては被告フジテレビの報酬支払債務の併存的債務引受に基づく。)又は全女が有する女子プロレス興行の興行権の内容を構成する「放送許諾権」侵害の共同不法行為による損害賠償(被告フジテレビにおいては放送契約の債務不履行に基づく損害賠償を含む。)として160万円及び遅延損害金の連帯支払を求めた事案』(原審2頁以下)
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■判決内容
<争点>
1 本件各映像素材の無償の放送利用の合意の成否
原告は、控訴審でも無償で映像素材を利用させるということはおよそ考えられないと主張しましたが、控訴審でも認められていません(6頁以下)。
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■コメント
全日本女子プロレスの債権者である原告による債権者代位訴訟で、行使の目的債権の存否が主な争点となった事案でしたが、原審の判断が控訴審でも維持されています。
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■過去のブログ記事
2010年8月5日記事(原審)
女子プロレスCS放送事件