辻幸恵、梅村修、水野浩児著「キャラクター総論-文化・商業・知財-」は2009年5月6日刊行(本文全299頁)。

キャラクター原論からマーケティング、アンケート調査、また184頁以下ではキャラクターと法律に関して考察がされていて、むろん著作権についての言及もあります。

第2章「ペコちゃん」の世論形成〜企業キャラクターはリスク・ヘッジとして機能しうるか〜(61頁以下)では、不二家「期限切れ原材料使用事件」(2007年)を研究素材として、企業の不祥事の際のキャラクターのヘッジ機能の有無が検討されていて興味深い論考です。

本書の特徴は、キャラクターの原理論とあわせてキャラクタービジネス(商品化権)やファイナンス(一般論)にまで目配りがされているところです。
その点で「総論」の名にふさわしい内容、副題の「文化・商業・知財」はぴったりかもしれません。

キャラクター総論―文化・商業・知財
キャラクター総論―文化・商業・知財