Tweet

2008年12月21日

まねきTV事件(控訴審)〜著作権 著作権侵害差止等請求控訴事件判決(知的財産裁判例集)〜

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

まねきTV事件(控訴審)

知財高裁平成20.12.15平成20(ネ)10059著作権侵害差止等請求控訴事件PDF

知的財産高等裁判所第4部
裁判長裁判官 石原直樹
裁判官      榎戸道也
裁判官      杜下弘記

*裁判所サイト公表 12/17

   --------------------

■事案

海外でもインターネットを利用して日本のTV番組が見られる
ソニー製「ロケーションフリー」のハウジングサービス「まねきTV」
の適法性が争われた事案の控訴審

原告(控訴人) :NHK、民放
被告(被控訴人):永野商店

   --------------------

■結論

控訴棄却

   --------------------

■争点

条文 著作権法2条1項9号の5、99条の2、2条1項7号の2、23条

1 本件訴えは訴権の濫用によるものとして却下されるべきものか
2 被告は本件放送の送信可能化行為を行っているか(著作隣接権)
3 被告は本件著作物の公衆送信行為を行っているか(著作権)


   --------------------

■判決内容

<争点>

1 本件訴えは訴権の濫用によるものとして却下されるべきものか

控訴審も原審の判断を維持して本件訴えが訴権の濫用には当たらないと
判断しています。
(24頁)

   ----------------------------------------

2 被告は本件放送の送信可能化行為を行っているか(著作隣接権)

放送事業者の著作隣接権を侵害してるかどうかの争点について、
ベースステーションが「公衆」(不特定又は特定多数の者)に対する送信
機能がなく、いわば「1対1」の送信を行う機能しか有していないものであ
るとして原審同様、自動公衆送信装置に当たらず、被告は本件放送の
送信可能化行為を行っているということはできないとしています。
(24頁以下)

   ----------------------------------------

3 被告は本件著作物の公衆送信行為を行っているか(著作権)

被告の行為が原告が著作権を有する番組の公衆送信行為にあたるか
どうかについて、原審同様、被告が公衆送信行為を行っているということ
はできないと判断しています。
(29頁以下)

   --------------------

■コメント

原審の判断を維持しています。
これでようやくテレビ番組のネット配信サービスのなかで裁判上適法と
認められた事業(ハウジングサービス)が晴れて展開されることになります。

なお、集合住宅向け録画サーバ事業「選撮見録(よりどりみどり)」事件
で敗訴した(株)クロムサイズは昨年12月11日に負債総額39億8000万円
で民事再生法適用申請しています。応訴の負担でたいへんだったと思い
ますが、永野商店さんにはがんばってもらいたいものです。

   --------------------

■過去のブログ記事

2008年6月23日記事
まねきTV事件(原審)

   --------------------

■参考文献

中野圭二「テレビ番組送信サービス「まねきTV」事件」
パテント』61巻8号(2008)67頁以下
論文PDF

   --------------------

■参考サイト

株式会社永野商店 まねきTV

   ----------------------------------------

■追記08.12.24

企業法務戦士の雑感(2008-12-22記事)
■[企業法務][知財]“ロケーションフリー”サービスをめぐる判断のギャップ。

   ----------------------------------------

■追記09/5/14

TKC速報判例解説
今村哲也 「テレビ放送をインターネット回線を経由して視聴するシステムを使用するための設備提供の適法性が争われた事例(知的財産高等裁判所平成20年12月15日判決)」
論文PDF

written by ootsukahoumu at 14:27│TrackBack(0)知財判決速報2008 

トラックバックURL