最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

研磨装置営業誹謗事件

東京地裁平成20.11.27平成18(ワ)25907特許権侵害差止等請求事件PDF

東京地方裁判所民事第46部
裁判長裁判官 大鷹一郎
裁判官      関根澄子
裁判官      古庄研

*裁判所サイト公表 12/2

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■事案

原告保有の特許権の侵害性と被告会社に転職した退職従業員による
営業誹謗行為性が争われた事案

原告:自動車用車輪表面処理加工会社
被告:金属製品研磨会社

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■結論

請求棄却

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■争点

条文 不正競争防止法2条1項14号

1 特許権侵害性(略)
2 営業誹謗行為性

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■判決内容

<経緯>

H14.8.9  原告が「ワークの研磨装置」特許権設定登録
H17.1.31  原告の工場長Aが退職、被告会社に転職
        原告の従業員B、Cも退職後被告会社に転職

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<争点>

2 営業誹謗行為性

原告会社の退職従業員であるA(被告従業員)が、原告が
ホイール研磨の仕事ができなくなったとか、原告会社が倒
産するなど原告の取引先に虚偽の事実を告知したとして、
その営業誹謗行為性が争点となりました。

原告代表者の陳述書、Aや被告代表者の供述、証人尋問の結
果などから、結論として営業誹謗行為性は否定されています
(17頁以下)。

なお、研磨装置の同一性(本件発明の実施品)に関する告知
行為についても、虚偽事実性がないと判断されています
(26頁以下)。

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■コメント

営業誹謗行為性に関する最近の論考としては、特許第2委員
会第6小委員会編「競合他社の取引先への警告が営業誹謗行
為とみなされないための留意点」『知財管理』58巻10号(2008)
1299頁以下があります。

ここでは、平成10年から19年の間の14号事案28件について
検討が加えられています。