Tweet

2008年11月09日

融雪板営業秘密事件〜不正競争防止法 不正競争行為差止等請求事件判決(知的財産裁判例集)〜


最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

融雪板営業秘密事件

大阪地裁平成20.11.4平成19(ワ)11138不正競争行為差止等請求事件PDF

大阪地方裁判所第21民事部
裁判長裁判官 田中俊次
裁判官      西理香
裁判官      北岡裕章

*裁判所サイト公表 11/5

   --------------------

■事案

発熱セメント体についての営業秘密の不正開示を受けたうえで
融雪瓦や融雪歩道板を製造販売したとしてその不正競争行為性
が争われた事案

原告:図柄・模様等の転写を業とする会社
被告:屋根工事請負会社ら

   --------------------

■結論

請求棄却

   --------------------

■争点

条文 不正競争防止法2条1項8号、2条6項

1 本件各情報の営業秘密該当性

   --------------------

■判決内容

   【営業秘密目録】

1 発熱部とその周りに表面層を有し,発熱部と表面層はともに
  セメントをベースとし,発熱部は導電性を高くするよう炭素を
  所定割合均一に混合している融雪板の構造。
2 粒状又は粉状の炭素(黒鉛)を使用すること。
3 セメントベースに対する炭素の重量割合。
4 発熱部の周囲を絶縁体で覆うこと。
5 融雪板が4個の端子を有するのがよいこと。
6 融雪板の適切な具体的な寸法が,一辺が約30僂よいこと。
7 融雪板の適切な表面デザイン。

   ----------------------------------------

<争点>

1 本件各情報の営業秘密該当性

原告は、営業秘密目録にある7件の各情報が個別に営業秘密
(不正競争防止法2条6項)に該当するととともに、これらの各情報
が組み合わされた全体としても営業秘密性があると主張しました。

(1)各情報の営業秘密性

しかし、裁判所は、これら各情報について、公開特許公報(特開
2000−110106)によりすでに公知であったことや有用な技術
情報ではない(あるいは有用性が不明)こと、秘密管理性が不明
であることなどから、1〜7の各情報の営業秘密性が否定されてい
ます。
(12頁以下)

   ----------

(2)各情報全体の営業秘密性

各情報全体としてみても、各情報が公知または有用性を欠く情報
を単に寄せ集めただけのものであり、これらの情報が組み合わさ
れたことによって予想外の特別に優れた作用効果を奏するとも認
められない、として本件各情報全体としてみた場合の営業秘密性
も否定されています。
(20頁以下)

   --------------------

■コメント

原告に電気技師として雇用されていた元京大教授P2が被告と接点
をもったことに起因する営業秘密不正開示事案ですが、キーパー
ソンとなるP2は被告にされず、また原被告間で締結されていない
秘密保持契約書案を理由に損害額を算定している点も原告側主張
の弱さを印象付けるものでした。

   --------------------



written by ootsukahoumu at 07:40│TrackBack(0)知財判決速報2008 

トラックバックURL