6月30日刊行の本書は、明治期近代から現代(2008年1月)
に至る文芸作品をめぐって生じた盗作事件を網羅的に
取扱ったものです。

「男根の男根」的事件(倉田由美子-江藤淳論争 63頁以下)
など興味深い文学論がとりあげられています。


本書は本文だけで471頁ある大作で、過去には永田眞理弁護士
の「大作家は盗作家<?> 剽窃と創造の谷間を考える」(1981)
や別冊宝島ムック本がありますが、永田本は本文205頁ですし、
ムック本は100頁もないボリューム。

本書は参考資料が豊富に掲載されていて索引も充実しています。
著作権にかかわる問題(創作性、作者性など)を考えるさいの
資料的価値があり、手元に1冊持っていて損はありません。

盗作の文学史


■追記08/08/01

栗原裕一郎さんのウエブサイトより

おまえにハートブレイク☆オーバードライブ(2008-07-31記事)
『〈盗作〉の文学史』にいただいた書評など(ウェブ編)