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2008年03月24日

「ELLE対ELLEGARDEN」事件(控訴審)〜不正競争防止法 商標権侵害差止等請求控訴,同附帯控訴事件判決(知的財産裁判例集)〜

裁判所HP 知的財産裁判例集より

「ELLE対ELLEGARDEN」事件(控訴審)

知財高裁平成20.3.19平成19(ネ)10057等商標権侵害差止等請求控訴,同附帯控訴事件PDF

知的財産高等裁判所第2部
裁判長裁判官 中野哲弘
裁判官     森義之
裁判官     澁谷勝海


★原審
東京地裁平成19年05月16日平成18(ワ)4029商標権侵害差止等請求事件PDF



■事案

ロックバンド「ELLEGARDEN」関連商品の標章使用が「ELLE」の
商標権を侵害するかどうか、また不正競争防止法上の不正競争
行為となるかどうかが争われた事案の控訴審


原告(被控訴人・附帯控訴人):雑誌「ELLE」発行会社
被告(控訴人・附帯被控訴人):音楽事務所(ロックバンド所属事務所)


■結論

原判決一部変更


■争点

条文 商標法36条、不正競争防止法2条1項1号、2号

1 商標権侵害性
2 不正競争行為性


■判決内容


<争点>

1 商標権侵害性

原審では、ロックバンド「ELLEGARDEN」標章等を付した
グッズであるTシャツ、タオル、帽子、スコアブックの
一部とリストバンド、ステッカーの全部について
商標権侵害性が肯定されていました。

これに反して、控訴審ではいずれも商標権侵害性が
否定されています。
(43頁以下)

控訴審は、被告標章について、被告標章の体裁、
現実の使用態様におけるイメージ、実際の販売方法、
著名なロックバンドの名称として相当程度の期間使用
されていた事実等からして、原告登録商標の著名性を
考慮してもなお、「ELLE」部分と「GARDEN」部分を
分断すべきものと解することはできない。

そのうえで、一連一体としての「ELLEGARDEN」標章を
踏まえて原告商標「ELLE」と被告標章の類否を検討すると、
外観、観念、称呼のいずれにおいても類似するということは
できないと判断しています。


2 不正競争行為性

(1)Tシャツ、リストバンド、ステッカー、タオル、
   帽子、スコアブックについて


これらグッズでの被告標章の使用については、原告商標と
被告標章との類否が否定されたことから、不正競争防止法上の
請求についても否定の結論となっています(3条、2条1項1号、2号)。
(64頁)


(2)音楽CDについて

音楽CDに付された被告標章(10)については、
ほかの標章と違って「ELLE」と「GARDEN」が二段での表示に
なっていて、「GARDEN」が「ELLE」の表示よりも小さいもの
となっていました。

被告標章(10)の要部については、「ELLE」部分と認定。
その上で類否について、外観、称呼及び観念の類似性を肯定、
結論的には音楽CDに被告標章(10)を付して使用する行為は、
不正競争行為性があるとされています(3条、2条1項1号、2号)。
(64頁以下)


■コメント

原審の判決文PDFとは違って、21個の被告標章(うち、控訴審
での拡張部分8個)画像がアップされていてどのようなもの
だったのかがよくわかります(70頁以下)。

とくに原告被告標章の類似性が認容されている標章(10)の
様子がほかの標章とは大きく違っているところが印象的です。

とはいえ、標章(10)がロックバンドの音楽CDに表示されて
いるのを見てブランド「ELLE」あるいは『これと経済的若しくは
組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品である

(65頁)との商品主体の誤認混同がはたして生じるのか
(具体的危険の有無)、疑問なしとしないところです。


■過去のブログ記事

2007年05月22日記事
「ELLE対ELLEGARDEN」事件〜不正競争防止法 商標権侵害差止等請求事件判決(知的財産裁判例集)〜

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■追記(08.3.27)

名古屋の商標亭
ELLEGARDENファンには朗報?びみょー?

一体型と分断型

■追記(08.4.3)

企業法務戦士の雑感(2008-04-02)
■[企業法務][知財]葬り去らされた地裁判決。

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■追記(08.5.2)

ELLEGARDENが活動を休止するそうです。

ELLEGARDEN : 2008-05-02
ELLEGARDEN ELLEGARDEN、活動を休止 - BARKS ニュース

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■追記(08.12.30)

参考文献
小嶋崇弘「商標の類否判断における取引実情の考慮と音楽CDにおけるアーティスト名表示の「商品等表示としての使用」該当性-ELLEGARDEN事件-」『知的財産法政策学研究』21号(2008)279頁以下

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■追記(09.2.25)

グローイングアップ対アシェット フィリパキ プレス ソシエテ アノニム

知財高裁平成21.2.24平成20(行ケ)10347審決取消請求事件PDF

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■追記(09.3.2)

名古屋の商標亭(2009年3月2日記事)
例のELLEGARDENのロゴなんです

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■追記(09.3.4)

名古屋の商標亭(2009年3月4日記事)
CDのELLEGARDENのロゴ、比較

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■追記(09.3.5)

しつこくELLEGARDENとELLEの混同
written by ootsukahoumu at 16:47│TrackBack(0)知財判決速報2008 

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