Tweet

2007年12月04日

「オービック商号使用差止」事件(控訴審)〜不正競争防止法 不正競争行為差止等請求控訴事件判決(知的財産裁判例集)〜


裁判所HP 知的財産裁判例集より

「オービック商号使用差止」事件(控訴審)

知財高裁平成19.11.28平成19(ネ)10055不正競争行為差止等請求控訴事件PDF

知的財産高等裁判所第1部
裁判長裁判官 塚原朋一
裁判官     宍戸充
裁判官     柴田義明


★原審
東京地裁平成19.5.31平成18(ワ)17357不正競争行為差止等請求事件PDF


■事案

コンピューターのシステムインテグレーターとして著名なオービック
の商号に類似した標章を使用している会社に対する商号、標章等の使
用差止が争われた事案の控訴審


原告(被控訴人):株式会社オービック
被告(控訴人) :有限会社オービックス


■結論

控訴棄却


■争点

条文 不正競争防止法2条1項1号、4条、5条

1 混同惹起行為性
2 損害論
3 権利濫用・信義則違反性
4 憲法違反性


■判決内容

<争点>

1 混同惹起行為性

被告は、不正競争防止法が不正な競争行為について損害賠償請求権
のみならず差止請求権も認めていることから、混同惹起行為は
「具体的危険性を有する不正なもの」であるべきであると主張しましたが、
裁判所は、最判昭59.5.29(フットボール・チームマーク事件)、
最判昭44.11.13(摂津冷蔵事件)を前提に、本件では法的評価として
混同を生じさせるおそれがあると判断しています。
(9頁以下)


2 損害論

被告は、過失の有無などを争いましたが、容れられていません。
(15頁以下)


3 権利濫用・信義則違反性

大企業が零細企業を倒産に追い込むような権利行使は正義に反すると
被告は主張していますが、容れられていません。
(18頁)


4 憲法違反性

不正競争防止法1条、5条の規定があいまいかつ抽象的表現であり
零細企業の商品等表示に制約を加え、ひいては職業選択の自由を
制限するとして憲法22条に、また零細企業の表現活動の自由を制
限するとして憲法21条に違反すると被告は主張しましたが、
容れられていません。
(18頁以下)


■コメント

原審維持の判断となっています。


■過去のブログ記事

「オービック商号使用差止」事件〜不正競争防止法 不正競争行為差止等請求事件判決(知的財産裁判例集)〜


■参考文献

小野昌延編「新注解不正競争防止法新版」(上)(2007)367頁、375頁以下
小松一雄編著「不正競業訴訟の実務」(2005)226頁以下


written by ootsukahoumu at 07:15│TrackBack(0)知財判決速報2007 

トラックバックURL