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2006年11月19日

「背負いリュック形態模倣」事件〜不正競争防止法 販売差止等請求事件判決(知的財産裁判例集)〜

裁判所HP 知的財産裁判例集より

「背負いリュック形態模倣」事件

大阪地裁平成18.11.16平成17(ワ)7778不正競争防止法に基づく販売差止等請求事件PDF

大阪地方裁判所第21民事部
裁判長裁判官 田中俊次
裁判官    西理香
裁判官    西森みゆき



■事案

背負いリュックの形態が模倣されたものかどうかが
争われた事案


原告:バッグ製造輸出入販売会社
被告:バッグ製造販売会社


■結論

請求棄却(原告側敗訴)


■争点

条文 不正競争防止法 2条1項3号

1 形態模倣性の有無


■判決内容

1 形態模倣性の有無

裁判所は、「模倣」の意義について、

不正競争防止法2条1項3号の「模倣」とは,他人の商品の形態に依拠して,これと実質的に同一の商品の形態を作り出すことをいう(平成17年法律第75号による改正後の不正競争防止法2条5項参照)。ここで「実質的に同一の商品の形態」とは,客観的に「他人の商品」と作り出された商品を対比して観察した場合に,作り出された商品の形態が「他人の商品」の形態と同一であるか実質的に同一といえる程に酷似していることをいう。そして,同号所定の行為を不正競争行為とした趣旨が,商品開発のために資金や労力を投下した先行者を保護することにあることにかんがみると,作り出された商品の形態に「他人の商品」の形態と相違する部分があるとしても,その相違がわずかな改変に基づくものであって,商品の全体的形態に与える変化が乏しく,商品全体から見て些細な相違にとどまると評価される場合には,当該商品は他人の商品と実質的に同一の形態と評価され得るのに対し,当該相違部分についての着想の難易,改変の内容・程度,改変が商品全体の形態に与える効果等を総合的に判断したときに,当該改変によって商品に相応の形態的特徴がもたらされていて,当該商品と他人の商品との相違が商品全体の形態の類否の上で無視できないような場合には,両者を実質的に同一の形態ということはできないというべきである。
(24頁以下)

と説示。

そのうえで、原告商品と被告商品の相違点を検討。

相違点としては、

1 連結ベルトの有無
2 チェストベルトの有無
3 ウィングの形状及び大小
4 サイドベルトの絞る方向
5 柄物の有無
6 内ポケットの有無


このうち、はわずかな違いでしかない。

これに対して、1、2、3
デザイン面、機能面でわずかな違いとはいえない。
(28頁)

結論的に、形態の実質的同一性はなく、形態の「模倣」に
あたらないとされました。

規範部分は、「ドラゴン・ソード キーホルダー事件」控訴審判決と
同じ説示です。


■コメント

商品見本市で展示された原告商品を模倣・製造した訴外他社製品の
デザインをさらに被告が参考にしたという事情がありました。

商品画像がアップされていないので
形状がよくわかりません。
原告のサイトを見てみてみると、コットン生地のリュックタイプの
ものがひとつあります(商品番号:L-11361)。


■参考判例

ドラゴン・ソード・キーホルダー事件(控訴審)
東京高裁平成10年02月26日平成8(ネ)6162 不正競争 民事訴訟

■参考文献

小松一雄編著「不正競業訴訟の実務」(2005)291頁以下




written by ootsukahoumu at 17:34│TrackBack(0)知財判決速報2006 

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