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2006年11月02日

「地震対策装置特許権侵害虚偽告知」事件〜特許権 債務不存在確認等請求事件判決(知的財産裁判例集)〜

裁判所HP 知的財産裁判例集より

地震対策装置特許権侵害虚偽告知」事件

東京地裁平成18.10.11平成17(ワ)22834 債務不存在確認等請求事件 特許権 民事訴訟PDF

東京地方裁判所民事第40部
裁判長裁判官 市川正巳
裁判官    大竹優子
裁判官    杉浦正樹


■事案

地震対策装置に関する特許権侵害を巡って弁護士らによる
警告書送付行為の営業誹謗行為性が争われた事案

原告:金具類製造販売会社
被告:特許権者
  :弁護士


■結論

請求一部認容(虚偽告知性については棄却)


■争点

条文 不正競争防止法第2条1項14号、民法709条

1 特許権の構成要件充足性(略)
2 虚偽告知性
3 不法行為性



■判決内容

2 虚偽告知性


原告製品は特許権を侵害していないと認定したうえで(争点1)、
特許権を侵害していない以上、特許権を侵害する旨の警告書記載は
虚偽事実にあたると判断。

その上で
特許権者の正当な権利行使の一環であれば虚偽事実の告知で
あっても違法性が阻却されるとの規範を示しました。
(33頁以下)

あてはめとして、

1 不合理な時期、内容での送付ではない
2 送付先は特許権侵害性について独自判断できる大企業
3 交渉の経緯
(35頁以下)

などの点から
社会通念上許容範囲の権利行使であるとされました。

結論として、違法性が阻却され不正競争防止法2条1項14号
虚偽事実告知(営業誹謗行為)は成立しないとされました。


3 不法行為性

この点についても、正当な権利行使の範囲のものとして
不成立(民法709条)とされました。


■コメント

ここのところ「キシリトールガム事件」、「キューピー事件」、
ハンガー事件」、「動く手すり事件」、「飼料添加物事件」と
目にすることが多い虚偽事実告知(営業誹謗行為)事案。
弁護士も被告となってしまう場面が多い印象です。
この事案は特許事案ですが、14号も争点となっています。

判決自体は違法性阻却論にたったもので
東京高裁平成14年8月29日判決に沿った
判断となっています。

東京高裁平成14年08月29日平成13(ネ)5555 不正競争による損害賠償等請求控訴事件PDF


■参考文献

小松一雄編著「不正競業訴訟の実務」(2005)384頁以下



written by ootsukahoumu at 16:20│TrackBack(0)知財判決速報2006 

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