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2006年10月26日

「放電プラズマ焼結機設計図」事件〜特許権 損害賠償請求事件判決(知的財産裁判例集)〜

裁判所HP 知的財産裁判例集より

放電プラズマ焼結機設計図」事件


東京地裁平成18.10.24平成18(ワ)17644損害賠償請求事件 特許権民事訴訟PDF

東京地方裁判所民事第47部
裁判長裁判官 高部眞規子
裁判官    平田直人
裁判官    中島基至


★関連裁判
東京地裁平成18.8.31平成18(ワ)11210損害賠償請求事件 特許権民事訴訟


■事案

原告: 油圧制御装置、輸送装置設計製造会社
被告: 石炭、採石、建機材事業会社


■結論

請求却下


■争点

条文 著作権法第2条1項1号

1 設計図の著作物性


■判決内容

1 設計図の著作物性

設計図の創作性が否定されています。

(2) なお,念のため,予備的請求について判断するに,これに関する原告の主張は, 被告が本件設計図を複製した, 被告が本件設計図に基づき放電焼結装置を製造させたとするものである。
ア,砲弔い
本件設計図は,放電プラズマ焼結機の設計図であるところ,機械の設計図ということから,その性質上主として線を用い,これに当業者間で共通に使用されている記号や数値を付加して二次元的に表現するものであって,その表現形式の選択の余地は多くない。したがって,同一の機械を設計図に表現するときは,おのずから類似の表現にならざるを得ないから,これが創作的に表現されたものであること(著作権法2条1項1号)を認めるに足りない。したがって,本件設計図が著作権法上保護される著作物であるということはできない(なお,設計図に表された機械については,著作権ではなく,工業所有権によって保護されることがあるにとどまる。)。
なお,仮に,本件設計図に係る著作権が原告に属すると認められる場合であっても,甲3の1及び2によれば,被告設計図は,本件設計図とは異なるものであって,被告が本件設計図を複製したということはできない。
よって,原告の上記主張はいずれにしても理由がない。

(8頁以下)

イ△砲弔い
原告は,本件設計図に基づいて機械を製造する行為を複製権侵害として主張するものである。
しかしながら,著作権法において,複製とは,印刷,写真,複写,録音,録画その他の方法により有形的に再製することをいい(同法2条1項15号),同号に明示されている建築に関する図面に従って建築物を完成する行為(同法2条1項15号ロ)とは異なり,機械に関する図面に従って機械を完成する行為は,複製権を侵害する行為として規定されていない。
そうすると,原告の上記主張も理由がない。


(3) よって,予備的請求も,却下を免れず,又は理由がない。
(9頁)



■コメント

特許異議申立に関する一連の手続に対して権利濫用、
不法行為を主張していた原告。
すでに損害賠償請求訴訟を先行して行っており
今回の提訴は前訴の蒸し返しと判断され、「却下」されました
(本人訴訟)。

なお、予備的請求として著作権侵害にかかわる主張も
今回はありましたが、裁判所の求釈明にもかかわらず原告は
単純併合に変更しなかったことから
(特許異議申立を理由とする請求と著作権侵害を
理由とする請求で関連性なし)
この点についても「却下」。

なお,念のため」判断となっています。
(8頁)


■追記(07.02.07)

関連訴訟
東京地裁平成19年01月31日平成18(ワ)22355等 特許権 損害賠償請求事件



written by ootsukahoumu at 23:25│TrackBack(0)知財判決速報2006 

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