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2006年10月05日

「キューピー虚偽告知」事件〜不正競争防止法 不正競争行為差止等請求事件判決(知的財産裁判例集)〜

裁判所HP 知的財産裁判例集より

「キューピー虚偽告知」事件

東京地裁平成18.9.26平成17(ワ)2541不正競争行為差止等不正競争民事訴訟PDF



■事案

原告:キャラクター企画開発業者(先発ライセンサー)
被告:海外業務提携斡旋業者(後発ライセンサー)

キューピーに関する著作権のライセンス業務をめぐり
後発ライセンサーがその著作権の帰属関係について
取引先第三者に送付した文書の虚偽告知性が問題と
なった事案


■結論

請求一部認容(原告側実質勝訴)


■争点

条文 不正競争防止法2条1項14号

1 告知事実の不正競争行為性


■判決内容

1 告知事実の不正競争行為性

裁判所は、

不正競争防止法2条1項14号所定の不正競争行為は,競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知等する行為をいう。他人の営業上の信用を害するか否かは,対象となる文言のみならず,告知文書の他の部分や添付された文書の記述をも併せて読むことにより,全体として虚偽といえるかどうか検討すべきであり(最高裁平成6年(オ)第1082号同10年7月17日第二小法廷判決・裁判集民事189号267頁参照),告知文書の形式・趣旨,告知の経緯,告知文書の配布先の数・範囲,告知の相手方のその後の行動等の諸般の事情を総合して判断すべきである。そして,虚偽の事実であるか否かは,告知内容について告知の相手方の普通の注意と読み方・聞き方を基準として判断すべきである(最高裁昭和29年(オ)第634号同31年7月20日第二小法廷判決・民集10巻8号1059頁参照)。
 よって,告知の相手方がどのような者であって,どの程度の予備知識を有していたか,当該告知がどのような状況で行われたか等の点を踏まえつつ,相手方が告知された事実について真実と反するような誤解をするか否かによって決すべきである。

(30頁以下)

との規範を示したのち、あてはめてとして

・取引先は著作権の帰属関係について
 詳細な予備知識を持っていない

・添付された複数の文書全体からみると
 原告が日本において著作権を保有していないと
 理解できる

こうした点から関係取引先への文書の一部については
その通知が虚偽事実の告知にあたるとしました。


そのほかの要件、過失、損害の発生を認定、ただ
謝罪広告の必要性は認めませんでした。



■コメント

ローズ・オニールがキューピッドのイラストからはなれた
独自のイラスト「キューピー」を世に発表してほぼ100年。
残念なことに「キューピー」を巡っての紛争がたくさんあります。

ローズ・オニールと共同事業者としてキューピーイラストを
立体化(人形)したジョゼフ・カラスという人物の存在も
権利関係をややこしくしているようにもみえます。


★大阪在住の個人愛好家VSキューピー株式会社(東京訴訟)
東京高裁平成13年05月30日平成11(ネ)6345 著作権 民事訴訟

★大阪在住の個人愛好家VS日本興業銀行
東京高裁平成13年05月30日平成12(ネ)7 著作権 民事訴訟

★大阪在住の個人愛好家VSキューピー株式会社(大阪訴訟)
大阪高裁平成17年02月15日平成16(ネ)1797 著作権 民事訴訟

★権利濫用事件
知財高裁平成18年01月31日平成17(ネ)10113損害賠償等請求控訴事件 著作権 民事訴訟

 原審
東京地裁平成17年09月09日平成17(ワ)7875 損害賠償等請求事件 著作権 民事訴訟

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■追記08.12.19

キューピー関連訴訟(商標権)
知財高裁平成20.12.17平成20(行ケ)10139審決取消請求事件判決PDF

名古屋の商標亭(2008.12.19記事)
まゆ毛の付いたキューピーさん

(2008年12月22日記事)
この子もあの子もキューピーです
written by ootsukahoumu at 22:14│TrackBack(0)知財判決速報2006 

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