裁判所HP 知的財産裁判例集より

「平成電電営業秘密」事件

平成18.3.30平成16年(ワ)第25297号 営業行為差止請求事件PDF

東京地方裁判所民事第46部
裁判長裁判官 設楽隆一
裁判官    鈴木千帆
裁判官    荒井章光



■事案

原告:平成電電
被告:ソフトバンク、日本テレコム


平成電電とソフトバンクとの資本提携(M&A)交渉段階で
平成電電側から開示された情報の営業秘密性および
ソフトバンクによる日本テレコム(ソフトバンク子会社)への
営業秘密の不正開示行為の肯否が争われた事案。


■結論

請求棄却


■争点

条文 不正競争防止法2条6項

1 開示情報の営業秘密性、不正開示行為の肯否


■判決内容

1 開示情報の営業秘密性、不正開示行為の肯否

直収サービスに関する原理、NTTとの合意事項、LS交換機調達の事実、
交換機やRT装置の機器構成、サービス情報、局舎設備機器一覧などの
営業秘密性(非公知性、有用性、秘密管理性)、不正開示行為性が
争われました(営業秘密目録については115頁以下参照)。

しかし、各事項の詳細な検討からいずれの事項についても
営業秘密性あるいは不正開示行為性の要件を欠くものとして
不正競争行為性が否定されています。


なお、裁判所は上記すべての事項を一体としての営業秘密
(「一体的営業秘密」)として捉えることを肯定した上で、
その全部または一部の不正開示行為性を否定しています。
(107頁以下)


■コメント

NTTの電話交換機を通さない原告平成電電の固定電話サービス事業
(直収電話サービス「CHOKKA」)について、
被告ソフトバンクが強い関心を示して原告と資本提携交渉へ。

秘密保持契約を締結した上で情報の開示を受けましたが、
結局、被告は買収を断念。

その後、被告の100%子会社である日本テレコムが
原告と同種のサービスを提供することとなったことから
原告はソフトバンクに対して営業秘密の開示差止を
日本テレコムに対しては、営業秘密を不正に使用した
電話サービスの販売差止を訴求しました。


平成電電は05年10月、経営悪化から民事再生手続へ。
しかし、支援が受けられず06年6月破産手続に入り
結局、日本テレコムに事業譲渡され清算会社へ。
(「平成電電」 - Wikipediaより)

ということで、裁判の続きはないことになります。


ところで、3月30日判決の事案ですが、
裁判所のサイトにアップされたのは9月25日。
ほぼ6ヶ月遅れです。

その当時は裁判所サイトのリニューアル時期でもあり、
うっかり載せるのを忘れた?」とも、
はじめは思いましたが、
PDF判決文を読んでみると、
所々がアスタリスクで伏字となっています。

この処理のためにアップまで時間がかかったのかも
しれません。


こういう、時期外れの判例アップでは、さすがに人力では
フォローできません。

その点、「裁判所判例Watch」では、アップされた判例を
自動で収集してPINGを飛ばしてくれるのでRSSリーダー
で更新をチェックできて助かります。

裁判所判例Watch

今回の判決も裁判所判例Watchで気が付くことが
できました。


■追記(06.11.06)

「企業法務戦士の雑感」さんのブログ記事が
アップされています。

[企業法務][知財] 恐るべきソフトバンク