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2006年07月29日

「サンプリングチューブ」事件〜不正競争防止法差止請求事件判決(知的財産裁判例集)〜

裁判所HP 知的財産裁判例集より

大阪地裁平成18.7.27平成17(ワ)11055不正競争行為差止請求事件PDF

大阪地方裁判所第26民事部
裁判長裁判官 山田知司
裁判官    西理香
裁判官    村上誠子


■事案

DNAや血液検査などの医療検査の際に試薬、対象物などを入れる
プラスチック製の容器の形態の商品等表示性が争われた事案


■結論

請求棄却


■争点

条文 不正競争防止法2条1項1号、3条

1 商品の形態の商品等表示性


■判決内容

1 商品の形態の商品等表示性

商品の形態は,必ずしも商品の出所を表示することを目的として選択されるものではないが,‐ι覆侶疎屬客観的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴を有しており,かつ,長期間継続的かつ独占的に特定の営業主体の商品に使用されるか,又は短期間でも強力に宣伝されたような場合などには,商品等表示として需要者の間に広く認識されることがあり得るというべきである。
(8頁)

従来の判例に現れている要件立てです。

商品の「形態」自体が出所表示機能を獲得するための
商品等表示性の要件としては、

1特徴的、独特な形態であること
2需要者に知れ渡っていること

この2つが要求されています。

先日の「ロレックス類似商品」事件判決でも
同様の判断となっています。
(東京地裁平成18年07月26日平成16(ワ)18090
 不正競争行為差止等請求事件)


原告商品のワトソンフラットゲートチューブの特徴としては、

1底部がフラット
2ゲートピン跡がない

このことから試薬のなかの対象物が見やすいという
ものでした。

しかし、裁判所はいずれの点も需要者に対して従来品と隔絶した
顕著な印象を与えるものとは認めることはできない、として
形態の商品等表示性を否定しました(12頁)。


■コメント

原告商品を原告のサイトからみてみると
なるほど、こういうところにも細かい工夫が凝らされて
いるんだなあ、ということがわかります。

WATSONフラットゲートチューブ

ただ、こうした工夫を保護するのであれば
実用新案権など産業財産権での保護を考えたい
ところですがそうもいかず、
次善の策としての不競法の出番となりましたが、
商品の性質、使われ方を考えると原告側の根拠付けが
ちょっと弱い印象です。


■参考文献

小松一雄編著「不正競業訴訟の実務」(2005)182頁以下
山本庸幸「要説不正競争防止法第4版」(2006)45頁以下



written by ootsukahoumu at 06:45│TrackBack(0)知財判決速報2006 

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