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2006年07月23日

論文紹介 藤田節子「国内科学技術系学会誌の投稿規定の分析:参照文献の記述,著作権を中心として」

ミクシィの著作権コミュニティで議論されていた話題です。

[mixi(ミクシィ)] 著作権コミュニティ


国内の理系学会の学会誌投稿規定での著作権の取扱いについて
末廣さん(Copy & Copyright Diary)から
寄せていただいた論文情報です。


藤田節子(川村学園女子大学教育学部助教授)著

国内科学技術系学会誌の投稿規定の分析:参照文献の記述,著作権を中心として(I)
JST 情報管理 JOHOKANRI Vol.48(2005) No.10 p.667-676

国内科学技術系学会誌の投稿規定の分析:参照文献の記述,著作権を中心として(II)
JST 情報管理 JOHOKANRI Vol.48(2005) No.11 p.723-734


調査対象となった学会誌のうち実に97%(168/174誌)が
著作権譲渡の体裁となっている(729頁参照)ということには
ちょっとした驚きでした。

しかも学会に著作権を譲渡するからには
それなりの規定を用意していると思われるところですが
そうでもなく、著作権譲渡同意書の要否、自著の取扱い、
第三者の利用などすべてにわたって整備されているようでは
必ずしもないようです。


末廣さんのお話では、自然科学系の研究者では
学会誌掲載のために著者が掲載料の支払いをする
必要がある場合さえある、
論文引用数が評価基準となるため論文の利用促進の
必要がある。
そのようなこともあって掲載論文の利用形態としては
著作権譲渡形式でいままで取扱われてきたようです。

もっとも、最近では「Open Access」という動きも
出てきているそうです。


それに較べて文系論文はと云えば・・・
文系(わたしの場合は法学系を念頭におきますが)でも
自説が引用されることが学者の評価に繋がるわけで
きわめて重要であることは変わりありませんが、
学者別の引用数の統計もないですし、理系のような
緊張感はないようです。


なお、末廣さんから教えていただいた書籍として
名和小太郎「学術情報と知的所有権−オーサシップの市場化と電子化
(2002東京大学出版会)があります。

本書129頁以下をみると法学系学会との対比について言及されています。
10年前のデータを母数としたものが掲載されていますが、
著作権譲渡について、理工系が80.6%なのに対して
法学系が2.9%と格段の差異が出ています。


学術情報と知的所有権―オーサシップの市場化と電子化


■追記(08.4.11)

朝日新聞4月11日付朝刊東京版13版27頁

「無料で公開 学術論文 リポジトリ 導入機関が急増」

学術論文雑誌の高額化もあって論文の電子化が進んでいる
状況を伝えています。


written by ootsukahoumu at 00:35│TrackBack(0)著作権文献 

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