弁護士山崎卓也先生(Field-R法律事務所)による講演。
先生は東海大学エクステンションセンター知財講習会でも
講演されたりとご活躍中です。
引用の要件(著作権法32条)の検討を中心として
著作権侵害の実質を「実務感覚」の観点から
捉え直そうという内容。
ベルヌ条約9条2項のスリーステップテスト、また
著作権法5条の解釈を媒介として著作権侵害の実質について
「潜在的な市場とバッティングするかどうか」という
判断基準からいくつかの判例の事案が分析されました。
「実質的違法性」というと、刑法理論で出てくるもので
てっきり著作権侵害と刑罰権発動の関係にでも言及されるのかと
思ってしまいましたが、そうではありませんでした。
著作権の財産的側面での侵害について、
著作権の本質論(インセンティブ論)から
「著作権者のインセンティブ確保のために必要な
市場性、価格影響の範囲」というものを考えていく視点は
議論の整理の視点として参考になるものでした。
ところで、民法上の不法行為論については
ほとんど言及されませんでしたが
「ヨミウリオンライン事件」判決などで示された
一般的不法行為論での違法性の議論などにも上記視点は
応用できそうです。
もっとも、人格的側面に対する侵害については
パロディ論で最後に駆け込み的に触れられたくらい。
著作者人格権の侵害論については
今後の検討課題ともいえそうです。
なお、今年の著作権法学会のシンポジウムは
「著作者人格権に関する総合的考察」。
(「企業法務戦士の雑感」さんの記事より [法律] 春の学会)
ちょうど10年前(1996年)の学会でのシンポジウムが
「著作権法制と人格権」(著作権研究23号1997年刊)ですから、
その間の判例、学説の集積がどのように現れるのか
大変興味深いところです。
先生は東海大学エクステンションセンター知財講習会でも
講演されたりとご活躍中です。
引用の要件(著作権法32条)の検討を中心として
著作権侵害の実質を「実務感覚」の観点から
捉え直そうという内容。
ベルヌ条約9条2項のスリーステップテスト、また
著作権法5条の解釈を媒介として著作権侵害の実質について
「潜在的な市場とバッティングするかどうか」という
判断基準からいくつかの判例の事案が分析されました。
「実質的違法性」というと、刑法理論で出てくるもので
てっきり著作権侵害と刑罰権発動の関係にでも言及されるのかと
思ってしまいましたが、そうではありませんでした。
著作権の財産的側面での侵害について、
著作権の本質論(インセンティブ論)から
「著作権者のインセンティブ確保のために必要な
市場性、価格影響の範囲」というものを考えていく視点は
議論の整理の視点として参考になるものでした。
ところで、民法上の不法行為論については
ほとんど言及されませんでしたが
「ヨミウリオンライン事件」判決などで示された
一般的不法行為論での違法性の議論などにも上記視点は
応用できそうです。
もっとも、人格的側面に対する侵害については
パロディ論で最後に駆け込み的に触れられたくらい。
著作者人格権の侵害論については
今後の検討課題ともいえそうです。
なお、今年の著作権法学会のシンポジウムは
「著作者人格権に関する総合的考察」。
(「企業法務戦士の雑感」さんの記事より [法律] 春の学会)
ちょうど10年前(1996年)の学会でのシンポジウムが
「著作権法制と人格権」(著作権研究23号1997年刊)ですから、
その間の判例、学説の集積がどのように現れるのか
大変興味深いところです。