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2006年04月30日

「初動負荷:トレーニング理論名」著作権事件〜著作権侵害差止等請求事件控訴審判決(知的財産裁判例集)〜

裁判所HP 知的財産裁判例集より


平成18.4.26大阪高等裁平成17(ネ)2410 著作権侵害差止等 著作権民事訴訟PDF

大阪高等裁判所第8民事部
裁判長裁判官 若林諒
裁判官    小野洋一
裁判官    中村心


★原審
平成17.7.12大阪地方裁平成16(ワ)5130 著作権民事訴訟PDF

大阪地方裁判所第21民事部
裁判長裁判官 田中俊次
裁判官     高松宏之
裁判官     西森みゆき


■事案

スポーツトレーニング理論である
「初動負荷」理論を解説した雑誌記事の
翻案権侵害性をめぐって争われた事案


■結論

控訴棄却(原告トレーナー側敗訴)


■争点

条文 著作権法第27条

1 翻案権侵害の肯否


■判決内容

1 翻案権侵害の肯否

初動負荷理論提唱者の著作物と
被告の雑誌記事の5箇所の部分の対比において
翻案権侵害の肯否が争われました。

結論的には、すべて侵害性を否定。
表現上の本質的特徴の同一性
あるということはできないとしました。


■コメント

原審では「初動負荷」「終動負荷」といった
理論名の著作物性をめぐって争われました。

結論的には名称としてはありふれたもので、
著作権法第2条1項1号にいうところの
創作性に欠けると判断されていました。

控訴審では、原告側は理論名の著作物性や
不正競争防止法(同法第2条1項1号)違反、
民法415条(契約上の付随義務違反)の
争点を撤回

新たに翻案権侵害(27条)としての主張を
追加しました。


判決文末尾に別紙対照表が添付されています。
一見して翻案権侵害を認めるのは
難しかったことがわかります。


なお、スポーツトレーニング理論のような
いわば自然科学を内容とする著作物では
誰が表現しても同じような書き方に
なってしまうため
トレーニングを解説する記述の
著作物性の幅自体おのずと狭くなる
ということもあると思います。


理論名の著作物性(複製権侵害性)とあわせて
翻案権侵害性についても否定されて、
原告トレーナー側にとっては完敗という
結果となりました。


■過去のブログ

理論名と著作権(続報)=知財判決速報掲載=2005年07月16日


■参考ブログ(追記06.5.11)

事案の背景について詳細に検討されているものとして
「企業法務戦士の雑感」さん
[法律][知財] 明らかにされた真実

written by ootsukahoumu at 11:24│TrackBack(0)知財判決速報2006 

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