2006年04月01日
「国際興業商号使用差止」事件〜不正競争防止法 商号使用差止等請求事件判決(知的財産裁判例集)〜
裁判所HP 知的財産裁判例集より
★東京地裁平成18.3.15平成17年(ワ)第966号 商号使用差止等請求事件
東京地方裁判所民事第29部
裁判長裁判官 清水節
裁判官 山田真紀
裁判官 片山信
■事案
バス・タクシー旅客事業、ホテル事業などで有名な
国際興業と類似する商号等を使用した企業に対して
商号などの使用差止を求めた事案
■結論
請求棄却(原告国際興業敗訴)
■争点
条文 不正競争防止法2条1項1号、3条1項
1 不正競争防止法2条1項1号の成否
2 不正競争防止法3条1項「営業上の利益を侵害されるおそれ」があるか
■判決内容
1 不正競争防止法2条1項1号の成否
不正競争防止法2条1項1号の
主要な要件としては、
1周知性
2類似性
3混同のおそれ
があげられますが、
全て肯定されています。
2 不正競争防止法3条1項「営業上の利益を侵害されるおそれ」があるか
『被告による表示等の変更は,被告旧商号や被告旧表示を一時的に取りやめたとか,表示を暫定的に隠す手だてを施したというものではなく,商号の変更登記手続や,運送事業に関する運輸局長への届出を行い,事業車両等の表示も抹消し,インターネットのウェブサイト上の表示も変更したというものであって,今後,被告表示行為が行われる蓋然性が高いとはいえないから,原告の営業上の利益を侵害されるおそれがあるということはできないと解される。』(13頁以下)
差止請求が認められるためには
事実審の口頭弁論終結時に
利益侵害のおそれがあることが
必要です。
判例上、「おそれ」とは
現実に利益を侵害されることまでは
必要ではなく、不正行為により
自己の営業上の利益が侵害される
相当の可能性があれば足りる
とされています(「逐条解説不正競争防止法」(1994)68頁)。
本事案では、被告は既に
商号の変更登記を行っている、
ネット上でも旧表示を利用していない、
手間暇かけて再度旧表示を利用するとは
想定しがたい状況
などから利益侵害のおそれはないと
判断されました。
■コメント
戦前に創業された歴史のある国際興業の
ブランドイメージにただ乗りするような
被告の行為は許されるものではありません。
訴訟の途中で被告は
自社の商号やネット、車両等での
類似標章の使用を一切やめていました。
したがって、誤認混同による
営業上の利益の侵害のおそれはなくなり
差止請求はみとめられないことになります。
この段階で原告側としては
和解や訴えを取り下げることも
出来たわけですが
敗訴の可能性も覚悟の上で
国際興業側は判決を求めました。
これはこれで
被告企業の一連の行為が
公表されることになるので
被告に対するサンクションとして
充分意義があることで
国際興業の知財保護に対する企業スタンスとして
評価できるものであると思います。
■参考判例
ライヤナービヤー事件
東京高判S38.5.29(「判例不正競業法」1172頁以下)
はとバス事件
名古屋地裁S39.6.16(「最新著作権関係判例集2-2」224頁以下)
大阪大一ホテル事件
大阪地裁S48.9.21(「最新著作権関係判例集3」475頁以下)
マックバーガー事件
最高裁判所昭和56年10月13日第三小法廷 昭和54(オ)145 不正競争防止法に基づく差止
京王交通事件
東京高裁平成11年10月28日平成9(ネ)2081 不正競争民事訴訟
マンパワー事件
最高裁判所昭和58年10月07日第二小法廷 昭和57(オ)658 商号使用差止等
■参考文献
・差止請求の要件
竹田稔「知的財産権侵害要論不正競業編改訂版」(2003)264頁以下
山本庸幸「要説不正競争防止法第三版」(2002)269頁以下
牧野利秋監修「座談会 不正競争防止法をめぐる実務的課題と理論」(2005)233頁以下
田村善之「不正競争防止法概説第二版」(2003)203頁以下
満田重昭「不正競業法の研究」(1985)264頁以下
小野昌延「不正競争防止法概説」(1994)307頁以下
「小野昌延先生還暦記念 判例不正競業法」(後藤晴男)(1992)373頁以下
・そのほか
小松一雄編著「不正競業訴訟の実務」(2005)149頁以下
★東京地裁平成18.3.15平成17年(ワ)第966号 商号使用差止等請求事件
東京地方裁判所民事第29部
裁判長裁判官 清水節
裁判官 山田真紀
裁判官 片山信
■事案
バス・タクシー旅客事業、ホテル事業などで有名な
国際興業と類似する商号等を使用した企業に対して
商号などの使用差止を求めた事案
■結論
請求棄却(原告国際興業敗訴)
■争点
条文 不正競争防止法2条1項1号、3条1項
1 不正競争防止法2条1項1号の成否
2 不正競争防止法3条1項「営業上の利益を侵害されるおそれ」があるか
■判決内容
1 不正競争防止法2条1項1号の成否
不正競争防止法2条1項1号の
主要な要件としては、
1周知性
2類似性
3混同のおそれ
があげられますが、
全て肯定されています。
2 不正競争防止法3条1項「営業上の利益を侵害されるおそれ」があるか
『被告による表示等の変更は,被告旧商号や被告旧表示を一時的に取りやめたとか,表示を暫定的に隠す手だてを施したというものではなく,商号の変更登記手続や,運送事業に関する運輸局長への届出を行い,事業車両等の表示も抹消し,インターネットのウェブサイト上の表示も変更したというものであって,今後,被告表示行為が行われる蓋然性が高いとはいえないから,原告の営業上の利益を侵害されるおそれがあるということはできないと解される。』(13頁以下)
差止請求が認められるためには
事実審の口頭弁論終結時に
利益侵害のおそれがあることが
必要です。
判例上、「おそれ」とは
現実に利益を侵害されることまでは
必要ではなく、不正行為により
自己の営業上の利益が侵害される
相当の可能性があれば足りる
とされています(「逐条解説不正競争防止法」(1994)68頁)。
本事案では、被告は既に
商号の変更登記を行っている、
ネット上でも旧表示を利用していない、
手間暇かけて再度旧表示を利用するとは
想定しがたい状況
などから利益侵害のおそれはないと
判断されました。
■コメント
戦前に創業された歴史のある国際興業の
ブランドイメージにただ乗りするような
被告の行為は許されるものではありません。
訴訟の途中で被告は
自社の商号やネット、車両等での
類似標章の使用を一切やめていました。
したがって、誤認混同による
営業上の利益の侵害のおそれはなくなり
差止請求はみとめられないことになります。
この段階で原告側としては
和解や訴えを取り下げることも
出来たわけですが
敗訴の可能性も覚悟の上で
国際興業側は判決を求めました。
これはこれで
被告企業の一連の行為が
公表されることになるので
被告に対するサンクションとして
充分意義があることで
国際興業の知財保護に対する企業スタンスとして
評価できるものであると思います。
■参考判例
ライヤナービヤー事件
東京高判S38.5.29(「判例不正競業法」1172頁以下)
はとバス事件
名古屋地裁S39.6.16(「最新著作権関係判例集2-2」224頁以下)
大阪大一ホテル事件
大阪地裁S48.9.21(「最新著作権関係判例集3」475頁以下)
マックバーガー事件
最高裁判所昭和56年10月13日第三小法廷 昭和54(オ)145 不正競争防止法に基づく差止
京王交通事件
東京高裁平成11年10月28日平成9(ネ)2081 不正競争民事訴訟
マンパワー事件
最高裁判所昭和58年10月07日第二小法廷 昭和57(オ)658 商号使用差止等
■参考文献
・差止請求の要件
竹田稔「知的財産権侵害要論不正競業編改訂版」(2003)264頁以下
山本庸幸「要説不正競争防止法第三版」(2002)269頁以下
牧野利秋監修「座談会 不正競争防止法をめぐる実務的課題と理論」(2005)233頁以下
田村善之「不正競争防止法概説第二版」(2003)203頁以下
満田重昭「不正競業法の研究」(1985)264頁以下
小野昌延「不正競争防止法概説」(1994)307頁以下
「小野昌延先生還暦記念 判例不正競業法」(後藤晴男)(1992)373頁以下
・そのほか
小松一雄編著「不正競業訴訟の実務」(2005)149頁以下
hayabusa9999 at 09:29
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