Tweet

2005年11月04日

「マクロス」アニメタイトル不正競争防止法民事訴訟事件(知財判決速報)

H17.10.27 知財高裁 平成17(ネ)10013


竜の子プロダクションとビックウエストらとの間ではテレビアニメ「超時空要塞マクロス」に関する著作権の帰属をめぐって今までにいくつか訴訟が提起されています。いわばアニメ共同制作会社間での内紛です。

はじめの原画(設定画、アニメカット)裁判についてスタジオぬえ、ビックウエストが原告となり、次のアニメ動画(テレビアニメ映画)裁判は竜の子プロダクションが原告となっています。
今回の不正競争事件では、原告は竜の子プロです。争点としては不正競争防止法第2条1項1号、2号の成否。「商品等表示の該当性」「商品等表示の使用」などが問題となりました。



★「超時空要塞マクロス」の原画設定画、アニメカット)の著作権帰属をめぐる裁判(著作権法第15条1項等)

H14.10. 2 東京高裁 平成14(ネ)1911

原審H14. 2.25 東京地裁 平成13(ワ)1844
(原審について、判例時報1788号129頁以下2002 判例タイムズ1105号239頁以下2003)

→竜の子プロ敗訴

★テレビアニメ映画の著作権帰属をめぐる裁判(著作権法第15条1項、第29条1項等)

H15. 9.25 東京高裁 平成15(ネ)1107

原審H15. 1.20 東京地裁 平成13(ワ)6447
(原審について、判例時報1823号146頁以下2003)

→竜の子プロ一部勝訴(映画製作者として著作権が認められました。)

★アニメの「タイトル」をめぐる不正競争事件(今回の事件)

H17.10.27 知財高裁 平成17(ネ)10013

原審H16. 7. 1 東京地裁 平成15(ワ)19435

仮処分事件 H15.11.11 東京地裁 平成14(ヨ)22155


→控訴審でも原審と同様原告(竜の子プロ)敗訴
竜の子プロは、「マクロス」という表示は自己の商品等表示として需要者の間に広く認識されているものであり、「マクロス」表示によるアニメの製作・販売は不正競争行為にあたると主張しましたが、認められませんでした。



商品等表示の「該当性」

『「マクロス」という本件表示は,本件テレビアニメ,本件劇場版アニメ等により,映画を特定する題名の一部として社会一般に広く知られるようになったことは認められるものの,それ以上に,本件証拠によっても本件表示が事業者たる控訴人の商品又は営業を表示するものとして周知ないし著名になったとまで認めることができず,本件表示は控訴人の商品等表示に該当しないというべきであるから,被控訴人らが「超時空要塞マクロス供廖ぁ屮泪ロスプラス」等の題名の映画を製作・販売する行為が不正競争防止法2条1項1号・2号に該当するとする控訴人の主張は失当である。』(控訴審判決より)

商品等表示の「使用」

『原判決も認定するように,「マクロス」を含むタイトル(被告表示)はいずれも当該映画ないし当該媒体に収録された映画を特定する映画の題名として表示されているものであるから,被控訴人らによって本件表示が商品等表示として使用されているものではないというべきであり,控訴人の上記主張は採用することができない。』(控訴審判決より)



なお、著作物のタイトルと不正競争防止法上の保護、さらにタイトルと商標法の適否など、タイトルと著作権法、標識法についての論考として、立命館大学宮脇正晴助教授による研究資料「アニメーション映画のタイトルの不正競争防止法による保護の可否」をウエブサイトからPDFで読むことができます。

アニメーション映画のタイトルの不正競争防止法による保護の可否(PDF)

この資料は、財団法人比較法研究センターで開催されている知的財産判例研究会の研究成果として公表されています。

比較法研究センター


■追記(06.6.11)

茶園成樹アニメーション映画の題号と不正競争防止法
コピライト542号2006.6 14頁以下)


written by ootsukahoumu at 06:02│Comments(0)TrackBack(0)知財判決速報2005 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔