山下薫 元東京高裁総括判事の葬儀(前夜祭:通夜)に
出席しました。

東大聖書研究会の頃からのクリスチャン。
裁判所内の聖書研究会でも熱心に研究を続けられていて、
また目黒区の中根町交差点近くの無教会派今井館では
理事を務められ、NPO法人化の際には尽力されたそうです。

名古屋高裁では「イタイイタイ病」判決で
先生の人柄が反映するような判決が出たこと。
山が好きだったこと。
友人知人からいろいろな送る言葉がかけられていました。


私は先生の兄上にあたる弁護士のかたの事務所へ
よく遊びに行っていたので、弟先生とは事務所で
お会いする機会がありました。
銀座の事務所へ行くと弟先生が裁判官退官後に就いた
弁護士の業務について
兄上からアドバイスを受けにいらっしゃっていました。


「おい、じゃあ一杯行くか!」と兄先生が
声を掛けられて近くの利久庵へ弟先生ともども
食事に出かけたものです。

兄先生は弁護士になる前は高校教師でしたが、
やめてもやっぱり教育者。
少年犯罪、憲法論など時事問題について
議論を我々(弟先生も含め)に吹っかけます。

東京高裁で裁判長までやった人も、
兄先生に言いくるめられて
反論できずにいることもしばしば・・・
弟先生の困った姿をみて無邪気に喜んでいる兄先生。

「アニキにかかったら裁判長もたまらんなあ〜」と、
ご兄弟の間でのやりとりを内心微笑ましい思いで
聞いていました。



葬儀場には「特許庁審査部」からの供花が
あったのですが、ご令嬢の勤務先のようです。
弟先生の顔立ちに似た、穏やかでまじめそうな方でした。


中根から自宅がある駒沢までつらつら歩きながら
弟先生を偲びました。