2005年08月04日

出版社、Webサイト制作者の注意義務=イラスト使用の際の注意点=

著作権侵害事件での寄与侵害者の責任として、出版社の責任については厳しい判断が下されている状況です。

たとえば、出版社の注意義務違反が肯定されたものとして最近では、

絶対音感事件
H14. 4.11 東京高裁 平成13(ネ)3677等 著作権 民事訴訟事件

ホテル・ジャンキーズ事件
H14. 4.15 東京地裁 平成13(ワ)22066 著作権 民事訴訟事件

法律受験予備校LEC事件
H16. 6.25 東京地裁 平成15(ワ)4779 著作権 民事訴訟事件

などがあります。

LEC事件判決を読むと出版社がイラストを書籍に使用する際の注意義務違反認定について事案の特殊性からかも知れませんが、なかなか厳しい印象を受けます。

本件において,原告各イラストが,受験用参考書の表紙カバーや大学生協ないし企業のポスター等に使用されていたこと,被告LECは,コンペを実施して被告本間デザインの提案するイラストを採用するか否か決定する立場にあったものであり,被告本間デザインに対し,イラストの製作について参考にした資料の提出を求める等必要な調査を行い得る立場にあったことに照らせば,被告LECにおいて注意義務を尽くせば,被告イラスト1と原告各イラストとの類似性について認識し得たものというべきである。
ところが,被告LECは,被告各イラスト製作について,被告本間デザインに対し,コンペ出品の条件としてレンタルポジは不可,著作権フリーのものは可,との条件を告げたに留まり,被告各イラストを書籍に使用するにあたって,第三者の著作権や著作者人格権を侵害することのないように注意を払ったことを窺わせる事実は一切認められない。
」(上記東京地裁判決より抜粋。最高裁HP


ところで、Webサイト制作会社ではサイトデザイン(テンプレート)や画像は全くのオリジナルの場合の他、著作権フリーのものを使う場合、モンスタージャパンのようなテンプレート販売会社のものを利用する場合、あるいはレンタルポジ会社のものを期間限定で購入し利用する場合があることと思います。
サイトの制作を依頼されてもその後のサイト管理契約が更新されず、レンタルされた他人の著作物がそのままクライアントに利用(場合によっては改変)されたりする状況が生じることもあると思います。

こうした場合にWebサイト制作会社は、クライアントとともに時には不法行為責任を追及されるかもしれませんので十分注意が必要です。
Webサイト制作契約時点で他人の著作物を利用していること、また「サイト管理契約が更新されない場合は、レンタルポジ等の引き上げを行う」旨クライアントに注意喚起する必要があります。

なお、他社作成のWebサイトの修正依頼(スポット業務)もあると思いますが、他人の著作物への加工は今まで述べてきたことからも受注には細心の注意が必要となります。



hayabusa9999 at 05:42 │Comments(0)TrackBack(0)著作権・知財 

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