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2005年07月30日

鈴木あみ事件〜専属契約書の効力を巡る紛争〜

少し古くなりますが、アーティストと音楽事務所との間の「専属契約書(マネージメント契約書)」、およびレコード会社を含めた「専属実演家契約書」の効力を巡って争われた鈴木あみさんの事件についてメモ的に記しておきたいと思います。


1 専属契約書(マネジメント契約書)
音楽事務所との間の「専属契約」解除による契約終了確認の訴えについて、東京地裁H13.7.18(判例集未掲載)。
音楽事務所社長の脱税事件を引き金に信頼関係が破壊されたとしてアーティスト側が契約を解除しました。
結論として、裁判所は契約終了を認めました。

2 専属実演家契約書
レコード会社も含めた三面契約書の効力についても争われました。東京地裁H15.3.28(判例集未掲載)。
あみさん側が専属契約が終了した以上レコード会社との関係もまた終了するとして、レコード会社を被告として契約終了の確認訴訟を提起したものです。
結論として、裁判所はこの契約も終了したことを認めました。

レコード会社が控訴、控訴審では契約は継続しているが協議の上で解消するという方向で和解となりました(東京高裁H15.11.4)。


鈴木あみ事件判決に言及するものとして、内藤篤エンタテイメント契約法」(2004)44頁以下、176頁、183頁参照。


話は変わりますが、
専属契約書のひな型に関しては、(社)日本音楽事業者協会から「専属芸術家統一契約書」が出されています。もっとも、インディーズレーベル、個人音楽事務所のような場合、専属契約書の内容は千差万別となります。

本来はアーティスト、音楽事務所双方にとっての収益事業に関する委任(準委任)契約のはずですが、新人アーティストを保護、育成するという側面が強い場合、どうしてもアーティスト側の収益獲得に関する取扱いがあいまいもしくは弱いものとなります。
報酬の支払い、アドバンス(前払い印税、あるいは制作・配給・宣伝の為の資金)の取扱いなどはお互いの信頼関係が破綻した場合、契約書の解釈を巡って紛糾する事態となります。

専属契約が解消された場合、アーティストも含めた共同原盤製作契約や音楽事務所との著作権譲渡契約の取扱いがどうなるのか、考えなければならないことがたくさんあります。


■追記(06.5.31)

・マネジメント契約について

東京地裁H13.7.18 H12(ワ)25416 委任契約終了確認等請求事件
判例時報1788号64頁以下

原告 鈴木あみ
   親権者

被告 株式会社エージーコミュニケーション
   株式会社ミュージックトライブ

結論 一部認容、一部棄却(確定)


・専属実演家契約について

東京地裁H15.3.28 H13(ワ)22690 専属実演家契約終了確認等請求事件
判例時報1836号89頁以下

原告 鈴木あみ

被告 株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント

結論 一部認容、一部棄却(控訴後和解)


written by ootsukahoumu at 08:08│Comments(1)TrackBack(0)著作権・知財 

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この記事へのコメント

1. Posted by るみ   2005年07月30日 13:32
今日は、タイミングよく、お昼の番組で鈴木あみちゃんが出演していました。こんなたいへんな裁判をやり終えたとは思えないくらい、元気。あみちゃん、がんばってほしいです。

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