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2005年04月06日

サーバー管理型交換ファイルサービスの著作権侵害主体性=ファイルローグ事件=

先月末、ジャスラックがファイル交換サービス運営会社を相手取って著作権侵害差止と損害賠償を請求していた裁判の高裁判決が出ました。
(同日、同一事案でのレコード会社の著作隣接権侵害訴訟の判断も出ています。)

今回の高裁判決は基本的に地裁の判断を踏襲しています。その規範部分ですが、


「単に一般的に違法な利用もあり得るというだけにとどまらず,本件サービスが,その性質上,具体的かつ現実的な蓋然性をもって特定の類型の違法な著作権侵害行為を惹起するものであり,控訴人会社がそのことを予想しつつ本件サービスを提供して,そのような侵害行為を誘発し,しかもそれについての控訴人会社の管理があり,控訴人会社がこれにより何らかの経済的利益を得る余地があるとみられる事実があるときは,控訴人会社はまさに自らコントロール可能な行為により侵害の結果を招いている者として,その責任を問われるべきことは当然であり,控訴人会社を侵害の主体と認めることができるというべきである。」

つまり、

1 サービスの性質
2 管理性
3 利益の存在


以上の点からサービス運営会社側に自動公衆送信権・送信可能化権の侵害主体性を認め、差止請求と損害賠償請求を認めたわけです。
(ほかにプロバイダ責任制限法の免責規定の適否、損害額の認定の問題もありました。)

同種の事件としてはアメリカのナップスター事件(2001年)が有名です。
今後はサーバー非管理型の個人間P2Pファイル交換サービスが取り上げられることになりますが、こちらはなかなか大変そうです。

アメリカでは非管理型サービス事件が最高裁判所に係属中で成り行きが注目されます(グロックスター、モーフィアス)。日本でもジャスラックなどの著作権保護団体が個人に対して責任追及の努力を重ねているようです。

関連記事

H17.3.31 東京高裁 平成16(ネ)405 著作権 民事訴訟事件


レコード会社著作隣接権侵害訴訟判決について
H17.3.31 東京高裁 平成16(ネ)446 著作権 民事訴訟事件



ファイル交換サービスなどインターネットと音楽著作権に関する書籍として、安藤和弘著「インターネット音楽著作権Q&A」(2003年)に詳しいので参照していただければと思います。




インターネット音楽著作権Q&A
written by ootsukahoumu at 05:38│Comments(0)TrackBack(0)知財判決速報2005 

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