2009年11月10日
環境童話著作権事件−著作権 著作権侵害差止等請求事件判決(知的財産裁判例集)−
最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
環境童話著作権事件
★大阪地裁平成21.10.22平成19(ワ)15259著作権侵害差止等請求事件PDF
大阪地方裁判所第26民事部
裁判長裁判官 山田陽三
裁判官 達野ゆき
裁判官 北岡裕章
*裁判所サイト公表 09/11/6
*キーワード 著作者、共同著作物、二次的著作物
--------------------
■事案
原画への着色作業により制作された環境童話絵本(漫画)の共同著作物性や二次的著作物性が争点となった事案
原告:イラストレーター
被告:亡小学生の両親、出版社、新聞社
--------------------
■結論
請求棄却
--------------------
■争点
条文 著作権法2条1項11号、12号、民法709条
1 童話絵本は原告とP4の共同著作物となるか
2 童話絵本の二次的著作物性
3 人格権、名誉権、肖像権の侵害の有無
--------------------
■判決内容
<経緯>
H3.12.25 小学生P4が絵本の線画(原画)を完成
H3.12.27 P4死亡
H4.2 被告夫妻(P4両親P2,3)がP4ノートを作成、学校に配布
H4.5 P4ノートの英語版作成
地球環境平和財団が日本語版制作
H5.5 P4が国連環境計画から受賞
H16.9 被告出版社が原告P1に着色作業を依頼
原告P1と被告夫婦が着色業務請負契約を締結
H16.10.13 着色作業開始
H16.10.19 着色作業完成
H16.11 被告出版社がプレスリリース発表
H16.12.6 被告新聞社に記事が掲載
原告P1が被告側に問い合わせ
H16.12 原告P1が抗議
H16.12.25 書籍出版
環境日めくりカレンダー製作、販売
文化社版書籍奥付:「著者 P4」「制作・監修 P2」
------------------
<争点>
1 童話絵本は原告とP4の共同著作物となるか
原画を制作して亡くなったP4の両親(被告P2,3)から依頼を受けて原画への着色業務を請け負った原告イラストレーターは、出版された童話絵本(文化社版)の共同著作物性あるいは二次的著作物性を根拠に文化社版出版物等の販売差止や損害賠償を請求しました。
まず、出版された童話絵本の共同著作物性については、原画の著作者P4は既に死亡しており、P4と原告との間における共同製作の意思の共通を認める事情は見あたらない、として裁判所は共同著作物性を否定しています(33頁)。
------------------
2 童話絵本の二次的著作物性
次に、童話絵本の二次的著作物性(著作権法2条1項11号)が争点とされています。
文化社版の出版より以前に原画の彩色版である英語版や地球環境平和財団版(財団版)が存在したことから、文化社版の創作性の有無について、原告の着色行為によって財団版に対して創作性が新たに付加されたかどうかが検討されています(33頁以下)。
(1)表紙における相違点
(2)本編における相違点
(3)画材の選択により得られる効果
(4)被告P2の指示の内容
裁判所は、これら諸点について財団版と文化社版を詳細に比較検討。
画材の選択や技法の選択(による効果)に原告の個性を感じることはできない、ごくありふれた表現である、被告P2は着色作業を原告の裁量に委ねていたわけではない、などとして、裁判所は新たな創作性の付加を否定しています。
結論として、原告の著作権、著作者人格権に基づく主張は裁判所に認められませんでした。
------------------
3 人格権、名誉権、肖像権の侵害の有無
被告出版社の広告宣伝文(「ご案内」)に原告を「アシスタント」と記載し配布した点などが、プロのイラストレーターである原告の人格権や名誉権を侵害する、また写真の無断使用が肖像権を侵害すると原告は主張しました。
しかし、いずれの点も裁判所に容れられていません(51頁以下)。
--------------------
■コメント
12歳で亡くなった坪田愛華さんの環境童話絵本「地球の秘密」。没後、国連環境計画(UNEP)「国連グローバル500賞」受賞作品ともなったこの作品を巡って、制作に携わったイラストレーターと遺族との間で著作権紛争となってしまっています。
著作物が共同著作物(著作権法2条1項12号)となるためには、各著作者間に一つの著作物を創作するという「共同意思」が必要とされ、この共同意思については、主観的な共同意思を要求する見解と外形的客観的に判断すれば足りるとする見解がありますが(中山信弘「著作権法」(2007)167頁、田村善之「著作権法概説第二版」(2001)370頁以下参照)、客観的判断説(半田正夫「著作権法概説第14版」(2009)57頁以下)に立っても本件では後行者による創作性が否定されているので著作権法に係わる争点についての請求棄却の結論に違いはないと考えられます。
本件では、彩色行為により著作物への新たな創作性の付与があったかどうか、二次的著作物性(同項11号)の成否の判断部分が参考になるところです(江差追分事件最判H13.6.28、ポパイネクタイ事件最判H9.7.17参照)。
ところで、編集プロダクションの知人に判決の感想を聞くと、「過去に新風舎の仕事で亡くなった子供の遺作の装丁とレイアウトデザイン、未完成部分の彩色作業を担当したことがあるが、自分の作業で著作権が生じるとは全く考えもしなかった。今回の事案では当事者間に余程のことがあったのではないか」と。
また、工芸作家の知人も、「判決文全文を読んだが、裏の事情は分からないが、このイラストレーターはプロという自負だけが強い」という印象を持ったようです。
夭折した愛娘の作品で社会的に意義のある内容だから、と被告側が「美談」のストーリー(「ご案内」参照31頁)を作ったりして書籍、カレンダー、キャラクター展開などの制作、出版、広告宣伝で彩色担当のイラストレーターに対して配慮に欠ける対応(判決文からは伺えない部分も含めて)があるいはあったのかもしれません。
しかしそれでも、訴訟をしてまで白黒付ける内容だったのか(本人訴訟)、書籍の二次的著作物性を主張すれば行き着くところ、印税の要求に繋がってしまうわけで、実際、イラストレーターは10万部販売された書籍の印税の半分(書籍:定価×10万部×10%×1/2=735万円)などをこの訴訟で請求しています。
先の知人らのように制作現場の感覚からして、原告イラストレーターが彩色業務を受託した当初からそこまで権利・利益を意識していたのか、どうか。
いずれにしても結果としては(控訴審の判断は残りますが)、「アースくん」キャラクターを含め今後も愛華さんひとりの作品(ご母堂の監修はありますが)として広く公表することができるので、応訴の負担はあったものの権利関係が明確になったことはご両親にはせめてもの慰めとなりそうです。
--------------------
■参考サイト
出版文化社ウェブサイト
地球の秘密 Secrets of The Earth
「アースくん」キャラクター
「地球の秘密」AIKAEye公式ページ
2009年11月08日
FX自動売買プログラムリバースエンジニアリング事件−著作権 損害賠償請求事件判決(知的財産裁判例集)−
最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
FX自動売買プログラムリバースエンジニアリング事件
★大阪地裁平成21.10.15平成19(ワ)16747損害賠償請求事件PDF
大阪地方裁判所第26民事部
裁判長裁判官 山田陽三
裁判官 達野ゆき
裁判官 北岡裕章
*裁判所サイト公表 09/11/6
*キーワード:複製、翻案、権利の濫用、リバースエンジニアリング
--------------------
■事案
外国為替証拠金取引(FX取引)用トレーディングソフトウェア関連のプログラム(自動売買プログラム)の複製・翻案行為(リバースエンジニアリング)の違法性が争点となった事案
原告:コンピュータプログラム開発業者
被告:プログラマーら
--------------------
■結論
請求棄却
--------------------
■争点
条文 著作権法21条、民法1条3項
1 被告プログラムが頒布されたか
2 被告P3による被告プログラム作成行為の違法性
--------------------
■判決内容
<経緯>
H17.10 原告と被告P2がプログラム開発計画
H18.6 「おじゃるデブシステム」作成
H18.11.1 株式会社おじゃる設立、プログラム販売開始
H19.2.24 被告P3が「スイングおじゃるP3版」作成、試作品提供
H19.5.18 原告がP2らに「おじゃるデブ」のソースコードを開示
H19.6.23 「スイングおじゃる原告版」(本件プログラム2)作成、販売
---- P3が本件プログラム2を複製翻案して被告プログラム作成
H19.10.18 被告P2,P3,P4が株式会社津福コーポレーション設立
「IDトレードシステム」販売開始
H19.12.7 ヒカリ社設立(代表取締役P4)
H20.1 ヒカリ社が「STI FX」販売開始
H20.4.30 津福社、ヒカリ社解散
------------------
<争点>
1 被告プログラムが頒布されたか
原告は、『被告P3が原告の著作物である本件各プログラムを無断で改変して被告プログラムを作成し,本件各プログラムに係る原告の著作権(複製権,翻案権)を侵害し,被告P2及び被告P4が,被告プログラムを原告の著作権を侵害する行為によって作成されたプログラムであるとを知りながら,これを頒布し又は頒布目的で所持したことにより原告の著作権を侵害した(著作権法113条1項2号)と主張して,不法行為(民法709条,719条)に基づく損害賠償』(4頁)を請求しました。
各当事者の主張としては、各プログラムの創作性や著作者性などが争点として挙げられていますが、裁判所は、まず被告プログラムが頒布されたかどうかを検討しています。
結論としては、被告らが被告プログラムを第三者に頒布した、あるいは頒布目的でこれを所持していたと認めることはできないと判断されています(19頁以下)。
------------------
2 被告P3による被告プログラム作成行為の違法性
被告プログラムは、本件プログラム2(「スイングおじゃる原告版」)に依拠して被告P3が複製又は翻案したことが裁判所によって認定されていますが、それでもなお被告P3のプログラム作成行為に関する原告の主張を封することができるかどうかが検討されています(21頁以下)。
この点について、被告らは、『被告プログラムはユーザーに頒布する製品として作成されものではなく,開発に先立つ,研究・分析の途上にて一時的に作成されたものであり,原告の著作権を侵害しない』として、リバースエンジニアリングの抗弁を主張。さらに、法人ではなくP3個人を被告とすることは権利の濫用にあたるとP3は主張しました。
この点について、裁判所は、
(1)FX取引でより多くの利益を獲得できるプログラムを作成するため、各トレードごとの成績を個別に検証し、適切なパラメータ設定を探ることのみを被告プログラムの作成目的としている
(2)本件プログラム2の作成経緯
(3)被告プログラムが第三者に開示も頒布もされていない
これらの事情を総合すれば、被告の複製・翻案行為のみを理由として原告が著作権侵害を主張し、損害賠償を請求することは権利の濫用(民法1条3項)にあたる。
として、結論としては、原告の請求を容れませんでした。
--------------------
■コメント
被告らによるプログラムの複製・翻案行為について、原告の著作権の行使(損害賠償請求)を権利の濫用(民法1条3項)として許さなかった事例です。被告によるリバースエンジニアリングの抗弁が認められた結果となりました。
著作権法にフェアユース規定があればそれによることができたかもしれませんが、民法の一般規定である権利濫用規定(民法1条3項)で処理されています。
なお、2009年著作権法改正(2010年1月1日施行)では、リバースエンジニアリング適法化のための個別規定は盛り込まれませんでした。
--------------------
■過去のブログ記事
リバースエンジニアリングが係わる事案について、「Addetto事件」東京地裁平成18.2.10平成16(ワ)14468参照。
リバースエンジニアリング著作権侵害事件(2006年2月13日記事)
--------------------
■参考文献
中山信弘『ソフトウェアの法的保護(新版)』(1988)127頁以下
同 『著作権法』(2007)104頁以下
作花文雄『著作権法講座第2版』(2008)420頁以下、446頁以下
--------------------
■参考判例
MS対秀和システム社事件
東京地裁昭和62.1.30昭和57(ワ)14001PDF
--------------------
■参考サイト
(平成20年8月20日)文化庁文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(第7回)議事録
「リバース・エンジニアリングに係る法的課題についての論点」(資料1)参照
(平成21年1月16日)文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(第11回)議事録
「文化審議会著作権分科会法制問題小委員会平成19・20年度・報告書(案)」参照
(平成21年8月25日)文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(第4回)議事録
知的財産推進計画2008PDF
「リバース・エンジニアリングに係る法的課題を解決する」
知的財産推進計画2009PDF
「権利制限の一般規定(日本版フェアユース規定)を導入する」
--------------------
FX自動売買プログラムリバースエンジニアリング事件
★大阪地裁平成21.10.15平成19(ワ)16747損害賠償請求事件PDF
大阪地方裁判所第26民事部
裁判長裁判官 山田陽三
裁判官 達野ゆき
裁判官 北岡裕章
*裁判所サイト公表 09/11/6
*キーワード:複製、翻案、権利の濫用、リバースエンジニアリング
--------------------
■事案
外国為替証拠金取引(FX取引)用トレーディングソフトウェア関連のプログラム(自動売買プログラム)の複製・翻案行為(リバースエンジニアリング)の違法性が争点となった事案
原告:コンピュータプログラム開発業者
被告:プログラマーら
--------------------
■結論
請求棄却
--------------------
■争点
条文 著作権法21条、民法1条3項
1 被告プログラムが頒布されたか
2 被告P3による被告プログラム作成行為の違法性
--------------------
■判決内容
<経緯>
H17.10 原告と被告P2がプログラム開発計画
H18.6 「おじゃるデブシステム」作成
H18.11.1 株式会社おじゃる設立、プログラム販売開始
H19.2.24 被告P3が「スイングおじゃるP3版」作成、試作品提供
H19.5.18 原告がP2らに「おじゃるデブ」のソースコードを開示
H19.6.23 「スイングおじゃる原告版」(本件プログラム2)作成、販売
---- P3が本件プログラム2を複製翻案して被告プログラム作成
H19.10.18 被告P2,P3,P4が株式会社津福コーポレーション設立
「IDトレードシステム」販売開始
H19.12.7 ヒカリ社設立(代表取締役P4)
H20.1 ヒカリ社が「STI FX」販売開始
H20.4.30 津福社、ヒカリ社解散
------------------
<争点>
1 被告プログラムが頒布されたか
原告は、『被告P3が原告の著作物である本件各プログラムを無断で改変して被告プログラムを作成し,本件各プログラムに係る原告の著作権(複製権,翻案権)を侵害し,被告P2及び被告P4が,被告プログラムを原告の著作権を侵害する行為によって作成されたプログラムであるとを知りながら,これを頒布し又は頒布目的で所持したことにより原告の著作権を侵害した(著作権法113条1項2号)と主張して,不法行為(民法709条,719条)に基づく損害賠償』(4頁)を請求しました。
各当事者の主張としては、各プログラムの創作性や著作者性などが争点として挙げられていますが、裁判所は、まず被告プログラムが頒布されたかどうかを検討しています。
結論としては、被告らが被告プログラムを第三者に頒布した、あるいは頒布目的でこれを所持していたと認めることはできないと判断されています(19頁以下)。
------------------
2 被告P3による被告プログラム作成行為の違法性
被告プログラムは、本件プログラム2(「スイングおじゃる原告版」)に依拠して被告P3が複製又は翻案したことが裁判所によって認定されていますが、それでもなお被告P3のプログラム作成行為に関する原告の主張を封することができるかどうかが検討されています(21頁以下)。
この点について、被告らは、『被告プログラムはユーザーに頒布する製品として作成されものではなく,開発に先立つ,研究・分析の途上にて一時的に作成されたものであり,原告の著作権を侵害しない』として、リバースエンジニアリングの抗弁を主張。さらに、法人ではなくP3個人を被告とすることは権利の濫用にあたるとP3は主張しました。
この点について、裁判所は、
(1)FX取引でより多くの利益を獲得できるプログラムを作成するため、各トレードごとの成績を個別に検証し、適切なパラメータ設定を探ることのみを被告プログラムの作成目的としている
(2)本件プログラム2の作成経緯
(3)被告プログラムが第三者に開示も頒布もされていない
これらの事情を総合すれば、被告の複製・翻案行為のみを理由として原告が著作権侵害を主張し、損害賠償を請求することは権利の濫用(民法1条3項)にあたる。
として、結論としては、原告の請求を容れませんでした。
--------------------
■コメント
被告らによるプログラムの複製・翻案行為について、原告の著作権の行使(損害賠償請求)を権利の濫用(民法1条3項)として許さなかった事例です。被告によるリバースエンジニアリングの抗弁が認められた結果となりました。
著作権法にフェアユース規定があればそれによることができたかもしれませんが、民法の一般規定である権利濫用規定(民法1条3項)で処理されています。
なお、2009年著作権法改正(2010年1月1日施行)では、リバースエンジニアリング適法化のための個別規定は盛り込まれませんでした。
--------------------
■過去のブログ記事
リバースエンジニアリングが係わる事案について、「Addetto事件」東京地裁平成18.2.10平成16(ワ)14468参照。
リバースエンジニアリング著作権侵害事件(2006年2月13日記事)
--------------------
■参考文献
中山信弘『ソフトウェアの法的保護(新版)』(1988)127頁以下
同 『著作権法』(2007)104頁以下
作花文雄『著作権法講座第2版』(2008)420頁以下、446頁以下
--------------------
■参考判例
MS対秀和システム社事件
東京地裁昭和62.1.30昭和57(ワ)14001PDF
--------------------
■参考サイト
(平成20年8月20日)文化庁文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(第7回)議事録
「リバース・エンジニアリングに係る法的課題についての論点」(資料1)参照
(平成21年1月16日)文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(第11回)議事録
「文化審議会著作権分科会法制問題小委員会平成19・20年度・報告書(案)」参照
(平成21年8月25日)文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(第4回)議事録
知的財産推進計画2008PDF
「リバース・エンジニアリングに係る法的課題を解決する」
知的財産推進計画2009PDF
「権利制限の一般規定(日本版フェアユース規定)を導入する」
--------------------
2009年11月06日
GLAY著作権事件−著作権 著作権確認等請求事件判決(知的財産裁判例集)−
最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
GLAY著作権事件
★東京地裁平成21.10.22平成19(ワ)28131著作権確認等請求事件PDF
東京地方裁判所民事第47部
裁判長裁判官 阿部正幸
裁判官 柵木澄子
裁判官 舟橋伸行
*裁判所サイト公表 09/11/5
*キーワード:著作権譲渡契約、弁済の提供、解除、印税、短期消滅時効
--------------------
■事案
音楽著作権印税支払い遅延を理由とする著作権譲渡契約の解除の成否及び音楽著作権の帰属などが争点となった事案
原告:GLAYメンバーの音楽事務所、音楽出版社ら
被告:元専属音楽出版社
--------------------
■結論
請求一部認容
--------------------
■争点
条文 民法541条、704条、493条但書、174条2号
1 著作権譲渡契約の解除の成否
--------------------
■判決内容
<経緯>
GLAYメンバー:B、C、D、E 4名
H8.10.4 原告エクストリーム設立、Bの版権管理業務開始
H9.11.25 原告ストロー設立、Eの版権管理業務開始
H9.12.11 原告パイロッツ設立、Cの版権管理業務開始
H10.2.16 原告スパイク設立、Dの版権管理業務開始
H10.6.1 GLAYメンバーと被告が専属契約締結
H16.1.9 原告エクストリームが被告に9億円を貸付
H16.9.1 被告が原告エクストリームに原盤権へ譲渡担保権設定
H17.5 被告が印税支払い遅延
H17.5.30 「GLAYに関する原盤等権利の譲渡契約書」締結
H17.5.31 専属契約終了
H17.6.1 被告が原告エクストリームに原盤権一切を譲渡
H17.7.13 原被告間で精算の打ち合わせ
H17.10.18 原告らが被告に支払いの催告
H17.10.20 原告ラバーソウル設立
原告ラバーソウルと原告らがマネジメント業務委託契約
H17.11.7 被告が5億4429万円余の受領催告
GLAYメンバーらが原告らに著作権譲渡、原告らが原告ラバーソウルに著作権譲渡
H17.11.9 GLAYメンバーらが著作権譲渡契約の解除意思表示
<契約関係>
【専属契約】
専属料50万円
出演料、商品化許諾料等20%
【著作権譲渡契約書】
著作権印税割合 原告:被告=2/3:1/3
【合意内容】
著作権印税配分 作曲5/16(実際の作曲者)、その他のメンバー1/16
作詞5/16(実際の作詞者)、その他のメンバー1/16
【原盤契約】
原告エクストリーム原盤印税:
小売価格×倉庫出荷数量80%×ジャケット代控除率15%×原盤印税率15%
【GLAYに関する原盤等権利の譲渡契約書 第1条】
甲(判決注・被告)は,乙(判決注・原告エクストリーム)に対し,平成17年6月1日(以下「基準日」という)付をもって,甲が所有する同年3月末日までに制作し完成された「GLAY」(以下「本アーティスト」という)の日本を含む全世界における,原盤および原版(以下,併せて「原盤等」という。),本件原盤等に係るすべての権利(複製権,譲渡権,頒布権,上演権,上映権,送信可能化権,著作隣接権,二次使用料請求権,貸与報酬請求権,私的録音録画補償金請求権を含む著作権法上の一切権利,所有権を含む)ならびに,本アーティストに関する商標権,知的財産権,及び商品化権を含む一切の権利(以上について,以下「本件権利」という。)を完全に譲渡し,甲は,本件原盤等の所有権及び本件権利を喪失するものとする。
------------------
<争点>
1 著作権譲渡契約の解除の成否
音楽著作権がGLAYメンバー(作詞、作曲)→GLAYメンバーの原告音楽事務所ら→原告ラバーソウル(現在の音楽出版社)という流れで移転し、現状で原告ラバーソウルに帰属していることの確認の前提として、GLAYメンバーらと被告音楽出版社との間の従前の著作権譲渡契約が有効に解除され、音楽著作権がGLAYメンバーに帰属していたかどうかが争点となっています。
楽曲の著作権譲渡契約の解除については、約定の支払期限が経過し、債務(印税)の提供がなく、催告の上解除の意思表示がされていることから有効に解除は成立。そして、著作権譲渡契約の規定(19条、21条)に基づき音楽著作権がGLAYメンバーに帰属したと裁判所は判断しています(32頁以下)。
結論として、原告ラバーソウルの著作権帰属の確認請求を認容、金銭債権についても合計6億7097万円余を認めています。
なお、履行遅滞や解除に対する被告の抗弁として、
(1)弁済の提供(民法492条、493条但書)があったこと
(2)解除権の濫用(民法1条3項)であること
(3)消滅時効(労働基準法115条)「賃金」2年間で短期時効消滅
(4)消滅時効(民法174条2号)「演芸を業とする者の報酬」等1年間で短期時効消滅
これらの点を挙げましたが、いずれも裁判所に容れられていません(34頁以下)。
--------------------
■コメント
音楽アーティストさんが専属事務所や専属出版社から離れる場合、出版権(音楽著作権)と原盤権(著作隣接権)を全てアーティストさん側が回収する場合と、それらの権利(一部又は全部)を残したまま移籍する場合など様々なケースがあるかと思います。
契約途中で出版権もアーテストさん側に取り戻すとなると、それこそ出版社側とハードな交渉(移籍料なども含め)になると想像するに難くないところです。
ところで、専属契約上の債務不履行を根拠に解除をした場合は、音楽著作権譲渡契約への影響(牽連性)やどこまで権利を回復できるか(解除の効果)、アーティストさんと専属先との最初の契約書内容がそれこそ肝心となります。
もっとも、GLAY事件では、印税支払い遅延があって、音楽著作権譲渡契約書(19条-契約違反-、21条-契約終了後の著作権の帰属-の規定振りから、たぶん、MPAフォーム利用)に基づく債務不履行解除をしたというシンプルな事案ですので、契約論としては(抗弁事由はともかくとして)あまり複雑ではありません。
インディーレーベルで、契約書がなかったり、専属契約と著作権譲渡契約と原盤契約がごちゃまぜになっている契約書があるときの移籍や解除、合意解約が要注意となります。
なお、GLAY事件の交渉の過程で作成された「GLAYに関する原盤等権利の譲渡契約書」に関して、その記載内容が争点となってしまっていますが(被告の抗弁-解除権の濫用-35頁以下)、被告からの原案提案とはいえ(24頁)、合意文書として著作権(楽曲)と著作隣接権(原盤)を区別して明記できなかったのか、ちょっと判然としないところです。
本判決の実務上参考になる点としては、金銭債権の消滅時効に関連して専属契約上の報酬が「賃金」にあたらない事例であったこと(GLAYの労働者性否定)、専属報酬、著作権印税、原盤印税などの金銭債権が短期消滅時効(1年間)にかからない性質の債権(商事債権で5年)であるとの判断が挙げられるかと思います。
--------------------
■過去のブログ記事
2006年8月10日記事
GLAY楽曲著作権紛争
--------------------
■参考サイト
GLAY HAPPY SWING SPACE SITE(音が出るので注意)
--------------------
GLAY著作権事件
★東京地裁平成21.10.22平成19(ワ)28131著作権確認等請求事件PDF
東京地方裁判所民事第47部
裁判長裁判官 阿部正幸
裁判官 柵木澄子
裁判官 舟橋伸行
*裁判所サイト公表 09/11/5
*キーワード:著作権譲渡契約、弁済の提供、解除、印税、短期消滅時効
--------------------
■事案
音楽著作権印税支払い遅延を理由とする著作権譲渡契約の解除の成否及び音楽著作権の帰属などが争点となった事案
原告:GLAYメンバーの音楽事務所、音楽出版社ら
被告:元専属音楽出版社
--------------------
■結論
請求一部認容
--------------------
■争点
条文 民法541条、704条、493条但書、174条2号
1 著作権譲渡契約の解除の成否
--------------------
■判決内容
<経緯>
GLAYメンバー:B、C、D、E 4名
H8.10.4 原告エクストリーム設立、Bの版権管理業務開始
H9.11.25 原告ストロー設立、Eの版権管理業務開始
H9.12.11 原告パイロッツ設立、Cの版権管理業務開始
H10.2.16 原告スパイク設立、Dの版権管理業務開始
H10.6.1 GLAYメンバーと被告が専属契約締結
H16.1.9 原告エクストリームが被告に9億円を貸付
H16.9.1 被告が原告エクストリームに原盤権へ譲渡担保権設定
H17.5 被告が印税支払い遅延
H17.5.30 「GLAYに関する原盤等権利の譲渡契約書」締結
H17.5.31 専属契約終了
H17.6.1 被告が原告エクストリームに原盤権一切を譲渡
H17.7.13 原被告間で精算の打ち合わせ
H17.10.18 原告らが被告に支払いの催告
H17.10.20 原告ラバーソウル設立
原告ラバーソウルと原告らがマネジメント業務委託契約
H17.11.7 被告が5億4429万円余の受領催告
GLAYメンバーらが原告らに著作権譲渡、原告らが原告ラバーソウルに著作権譲渡
H17.11.9 GLAYメンバーらが著作権譲渡契約の解除意思表示
<契約関係>
【専属契約】
専属料50万円
出演料、商品化許諾料等20%
【著作権譲渡契約書】
著作権印税割合 原告:被告=2/3:1/3
【合意内容】
著作権印税配分 作曲5/16(実際の作曲者)、その他のメンバー1/16
作詞5/16(実際の作詞者)、その他のメンバー1/16
【原盤契約】
原告エクストリーム原盤印税:
小売価格×倉庫出荷数量80%×ジャケット代控除率15%×原盤印税率15%
【GLAYに関する原盤等権利の譲渡契約書 第1条】
甲(判決注・被告)は,乙(判決注・原告エクストリーム)に対し,平成17年6月1日(以下「基準日」という)付をもって,甲が所有する同年3月末日までに制作し完成された「GLAY」(以下「本アーティスト」という)の日本を含む全世界における,原盤および原版(以下,併せて「原盤等」という。),本件原盤等に係るすべての権利(複製権,譲渡権,頒布権,上演権,上映権,送信可能化権,著作隣接権,二次使用料請求権,貸与報酬請求権,私的録音録画補償金請求権を含む著作権法上の一切権利,所有権を含む)ならびに,本アーティストに関する商標権,知的財産権,及び商品化権を含む一切の権利(以上について,以下「本件権利」という。)を完全に譲渡し,甲は,本件原盤等の所有権及び本件権利を喪失するものとする。
------------------
<争点>
1 著作権譲渡契約の解除の成否
音楽著作権がGLAYメンバー(作詞、作曲)→GLAYメンバーの原告音楽事務所ら→原告ラバーソウル(現在の音楽出版社)という流れで移転し、現状で原告ラバーソウルに帰属していることの確認の前提として、GLAYメンバーらと被告音楽出版社との間の従前の著作権譲渡契約が有効に解除され、音楽著作権がGLAYメンバーに帰属していたかどうかが争点となっています。
楽曲の著作権譲渡契約の解除については、約定の支払期限が経過し、債務(印税)の提供がなく、催告の上解除の意思表示がされていることから有効に解除は成立。そして、著作権譲渡契約の規定(19条、21条)に基づき音楽著作権がGLAYメンバーに帰属したと裁判所は判断しています(32頁以下)。
結論として、原告ラバーソウルの著作権帰属の確認請求を認容、金銭債権についても合計6億7097万円余を認めています。
なお、履行遅滞や解除に対する被告の抗弁として、
(1)弁済の提供(民法492条、493条但書)があったこと
(2)解除権の濫用(民法1条3項)であること
(3)消滅時効(労働基準法115条)「賃金」2年間で短期時効消滅
(4)消滅時効(民法174条2号)「演芸を業とする者の報酬」等1年間で短期時効消滅
これらの点を挙げましたが、いずれも裁判所に容れられていません(34頁以下)。
--------------------
■コメント
音楽アーティストさんが専属事務所や専属出版社から離れる場合、出版権(音楽著作権)と原盤権(著作隣接権)を全てアーティストさん側が回収する場合と、それらの権利(一部又は全部)を残したまま移籍する場合など様々なケースがあるかと思います。
契約途中で出版権もアーテストさん側に取り戻すとなると、それこそ出版社側とハードな交渉(移籍料なども含め)になると想像するに難くないところです。
ところで、専属契約上の債務不履行を根拠に解除をした場合は、音楽著作権譲渡契約への影響(牽連性)やどこまで権利を回復できるか(解除の効果)、アーティストさんと専属先との最初の契約書内容がそれこそ肝心となります。
もっとも、GLAY事件では、印税支払い遅延があって、音楽著作権譲渡契約書(19条-契約違反-、21条-契約終了後の著作権の帰属-の規定振りから、たぶん、MPAフォーム利用)に基づく債務不履行解除をしたというシンプルな事案ですので、契約論としては(抗弁事由はともかくとして)あまり複雑ではありません。
インディーレーベルで、契約書がなかったり、専属契約と著作権譲渡契約と原盤契約がごちゃまぜになっている契約書があるときの移籍や解除、合意解約が要注意となります。
なお、GLAY事件の交渉の過程で作成された「GLAYに関する原盤等権利の譲渡契約書」に関して、その記載内容が争点となってしまっていますが(被告の抗弁-解除権の濫用-35頁以下)、被告からの原案提案とはいえ(24頁)、合意文書として著作権(楽曲)と著作隣接権(原盤)を区別して明記できなかったのか、ちょっと判然としないところです。
本判決の実務上参考になる点としては、金銭債権の消滅時効に関連して専属契約上の報酬が「賃金」にあたらない事例であったこと(GLAYの労働者性否定)、専属報酬、著作権印税、原盤印税などの金銭債権が短期消滅時効(1年間)にかからない性質の債権(商事債権で5年)であるとの判断が挙げられるかと思います。
--------------------
■過去のブログ記事
2006年8月10日記事
GLAY楽曲著作権紛争
--------------------
■参考サイト
GLAY HAPPY SWING SPACE SITE(音が出るので注意)
--------------------
2009年11月01日
新刊案内 西島大介「魔法なんて信じない。でも君は信じる。」
竹熊さんのブログに本書の紹介記事が掲載されていたので早速購入。
本書は、漫画家さんが出版社に生原稿を紛失されてしまった際の顛末をご本人が漫画で紹介するドキュメンタリー(批評は、大谷能生氏)。本文全155頁(2009年11月24日刊行)。

魔法なんて信じない。でも君は信じる。 (本人本)
クチコミを見る
たけくまメモ(2009年11月1日記事)
マンガ原稿紛失とその賠償額について
「本を出す前に出版契約を交わさないという業界の慣習についてのことで、これについての論考がまったくない」との指摘が竹熊さんのブログ記事にあるように、西島さんの今後の契約まわりの対応については言及がありません。たしかに現在、漫画雑誌の執筆については、契約書のやりとりはまだ少ないと思われます(漫画単行本の出版契約書はあります)。
でも、わたしのクライアント先の漫画家さんは、業界慣行に果敢にチャレンジ。いまでは、漫画雑誌執筆契約についてしっかりと契約書を取り交わしています(「契約書を取り交わさないというのが業界慣行だ」、という「昨日の常識」は、政権すら交代する現在となっては「今日の非常識」かもしれません)。
原稿紛失時の対応について、たとえば少数頁紛失の場合は原稿料の10倍額、出版不能の場合は、印税相当額を損害額と取決めておくなど、今後の契約書の内容を考えるにあたって本書はとても参考になりました。
以前、数頁分の紛失原稿が見つかって、そのやりとりの仲介をしたこともありましたが、当時わたし側の事情で預かった原稿を漫画家さんのところへ持参せず郵便送付しましたが、保険をめいっぱい掛けた(損害要償額数百万円)冷や冷やさ加減をいまでも思い出します。
手にとってみた一枚一枚のカラー原稿は、それこそ美術作品のように素晴らしいもので、雑誌や単行本でみるものとはまったくの別モノでした。生原稿の紛失は、当事者(漫画家さんだけでなく、出版社側にも)にとって想像以上のインパクトであろうことが分かります。
本書は、漫画家さんが出版社に生原稿を紛失されてしまった際の顛末をご本人が漫画で紹介するドキュメンタリー(批評は、大谷能生氏)。本文全155頁(2009年11月24日刊行)。

魔法なんて信じない。でも君は信じる。 (本人本)
クチコミを見る
たけくまメモ(2009年11月1日記事)
マンガ原稿紛失とその賠償額について
「本を出す前に出版契約を交わさないという業界の慣習についてのことで、これについての論考がまったくない」との指摘が竹熊さんのブログ記事にあるように、西島さんの今後の契約まわりの対応については言及がありません。たしかに現在、漫画雑誌の執筆については、契約書のやりとりはまだ少ないと思われます(漫画単行本の出版契約書はあります)。
でも、わたしのクライアント先の漫画家さんは、業界慣行に果敢にチャレンジ。いまでは、漫画雑誌執筆契約についてしっかりと契約書を取り交わしています(「契約書を取り交わさないというのが業界慣行だ」、という「昨日の常識」は、政権すら交代する現在となっては「今日の非常識」かもしれません)。
原稿紛失時の対応について、たとえば少数頁紛失の場合は原稿料の10倍額、出版不能の場合は、印税相当額を損害額と取決めておくなど、今後の契約書の内容を考えるにあたって本書はとても参考になりました。
以前、数頁分の紛失原稿が見つかって、そのやりとりの仲介をしたこともありましたが、当時わたし側の事情で預かった原稿を漫画家さんのところへ持参せず郵便送付しましたが、保険をめいっぱい掛けた(損害要償額数百万円)冷や冷やさ加減をいまでも思い出します。
手にとってみた一枚一枚のカラー原稿は、それこそ美術作品のように素晴らしいもので、雑誌や単行本でみるものとはまったくの別モノでした。生原稿の紛失は、当事者(漫画家さんだけでなく、出版社側にも)にとって想像以上のインパクトであろうことが分かります。
2009年10月31日
新刊案内 島並良、上野達弘、横山久芳「著作権法入門」(有斐閣)
2009年10月30日刊行の本書は、島並良、上野達弘、横山久芳の各先生執筆による著作権法の入門書。 本文全282頁。判例は駒込大観音仏頭部原状回復事件(東京地裁平成21.5.28)まで触れられています。
豊富な判例掲載、コンパクトな厚みでお勧めの一冊です。

著作権法入門
クチコミを見る
ちなみに、島並先生は、ツイッターをされておいでです。
http://twitter.com/shimanamiryo
島並先生のブログはこちらです。
六甲山麓日記
著作権法入門
目次(有斐閣サイトより)
第1章 著作権法への招待
第1節 はじめに
第2節 著作権の正当化根拠と特徴
第3節 全体の見取り図
第2章 著作物
第1節 著作物性
第2節 著作物の種類
第3節 権利の目的とならない著作物
第3章 著作者
第1節 総論
第2節 創作者主義の原則
第3節 創作者主義の修正
第4章 著作者人格権
第1節 総論
第2節 著作者人格権
第3節 みなし著作者人格権侵害
第4節 著作者が存しなくなった後における人格的利益保護
第5章 著作権
第1節 著作権の発生と効力
第2節 法定利用行為
第3節 権利制限
第4節 保護期間
第6章 著作隣接権
第1節 総論
第2節 実演家の権利
第3節 レコード製作者の権利
第4節 放送事業者の権利
第5節 有線放送事業者の権利
第7章 権利の活用
第1節 活用の類型
第2節 権利者が複数人の場合
第8章 権利侵害
第1節 権利侵害の要件
第2節 民事救済
第3節 刑事罰
豊富な判例掲載、コンパクトな厚みでお勧めの一冊です。

著作権法入門
クチコミを見る
ちなみに、島並先生は、ツイッターをされておいでです。
http://twitter.com/shimanamiryo
島並先生のブログはこちらです。
六甲山麓日記
著作権法入門
目次(有斐閣サイトより)
第1章 著作権法への招待
第1節 はじめに
第2節 著作権の正当化根拠と特徴
第3節 全体の見取り図
第2章 著作物
第1節 著作物性
第2節 著作物の種類
第3節 権利の目的とならない著作物
第3章 著作者
第1節 総論
第2節 創作者主義の原則
第3節 創作者主義の修正
第4章 著作者人格権
第1節 総論
第2節 著作者人格権
第3節 みなし著作者人格権侵害
第4節 著作者が存しなくなった後における人格的利益保護
第5章 著作権
第1節 著作権の発生と効力
第2節 法定利用行為
第3節 権利制限
第4節 保護期間
第6章 著作隣接権
第1節 総論
第2節 実演家の権利
第3節 レコード製作者の権利
第4節 放送事業者の権利
第5節 有線放送事業者の権利
第7章 権利の活用
第1節 活用の類型
第2節 権利者が複数人の場合
第8章 権利侵害
第1節 権利侵害の要件
第2節 民事救済
第3節 刑事罰
2009年10月30日
中国ドラマ「苦菜花」スカパー事件(控訴審)−著作権 損害賠償等請求控訴事件判決(知的財産裁判例集)−
最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
中国ドラマ「苦菜花」スカパー事件(控訴審)
★知財高裁平成21.10.28平成21(ネ)10044損害賠償等請求控訴事件PDF
知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官 飯村敏明
裁判官 大須賀滋
裁判官 齊木教朗
*裁判所サイト公表 09/10/28
--------------------
■事案
テレビ番組の著作権の移転に関する対抗要件の要否や通信衛星放送会社の注意義務違反性が争点となった事案の控訴審
原告(控訴人兼被控訴人):放送事業者(中国法人)
被告(被控訴人) :スカパーJSAT株式会社
被告(被控訴人兼控訴人):衛星テレビ専門会社
--------------------
■結論
控訴棄却
--------------------
■争点
条文 著作権法23条、民法709条
1 スカパーの本件ドラマの放送に係る事前調査確認義務等違反の有無
--------------------
■判決内容
<争点>
1 スカパーの本件ドラマの放送に係る事前調査確認義務等違反の有無
権利処理がされていないドラマ番組を放送した場合の衛星放送会社(スカパー)の事前調査確認義務、無断放送防止義務違反性が原審に引続き争点とされています。
この点について、控訴審でも被告スカパーの業務が、
(1)放送番組の制作、編集等に関与することが想定されていない
(2)瞬時かつ機械的に処理してリアルタイムでそのまま伝達している
といったことから、
『上記のような受託事業を実施している被告スカパーは,著作権者等(著作権等と主張する者を含む。)から,相当な期間を置いた上,個別的具体的な放送番組の内容(全部又は一部)について著作権侵害のおそれがある旨,しかるべき根拠を示した資料等に基づいて指摘,通知又は警告等がされたような場合はさておき,そのような特段の事情がない限り,電気通信役務利用放送事業者が本件CS放送サービスを通じて提供する個々の放送番組の内容等について,あらかじめ,個別具体的かつ直接的に把握した上で,当該放送番組に第三者の有する著作権の侵害があるか否かを調査確認する注意義務を負うことはないものと解するのが相当である。』
(12頁以下)
としたうえで、本件では上記のような特段の事情はないとして、被告スカパーに事前調査確認義務違反、無断放送防止義務違反の過失があると認めることができないと判断しています。
結論として、原審同様被告スカパーの責任は認められず、被告スカパーに番組を提供した被告衛星テレビ専門会社の著作権侵害に関して、本件ドラマの放送の差止、損害賠償(135万円)が認められるに留まっています。
--------------------
■コメント
原審の結論が維持されています。
原告側は、スカパーの衛星放送事業者としての責任を強く求めましたが、控訴審でも認められない結果となりました。
--------------------
■過去のブログ記事
2009年5月8日記事
中国ドラマ「苦菜花」スカパー事件
--------------------
中国ドラマ「苦菜花」スカパー事件(控訴審)
★知財高裁平成21.10.28平成21(ネ)10044損害賠償等請求控訴事件PDF
知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官 飯村敏明
裁判官 大須賀滋
裁判官 齊木教朗
*裁判所サイト公表 09/10/28
--------------------
■事案
テレビ番組の著作権の移転に関する対抗要件の要否や通信衛星放送会社の注意義務違反性が争点となった事案の控訴審
原告(控訴人兼被控訴人):放送事業者(中国法人)
被告(被控訴人) :スカパーJSAT株式会社
被告(被控訴人兼控訴人):衛星テレビ専門会社
--------------------
■結論
控訴棄却
--------------------
■争点
条文 著作権法23条、民法709条
1 スカパーの本件ドラマの放送に係る事前調査確認義務等違反の有無
--------------------
■判決内容
<争点>
1 スカパーの本件ドラマの放送に係る事前調査確認義務等違反の有無
権利処理がされていないドラマ番組を放送した場合の衛星放送会社(スカパー)の事前調査確認義務、無断放送防止義務違反性が原審に引続き争点とされています。
この点について、控訴審でも被告スカパーの業務が、
(1)放送番組の制作、編集等に関与することが想定されていない
(2)瞬時かつ機械的に処理してリアルタイムでそのまま伝達している
といったことから、
『上記のような受託事業を実施している被告スカパーは,著作権者等(著作権等と主張する者を含む。)から,相当な期間を置いた上,個別的具体的な放送番組の内容(全部又は一部)について著作権侵害のおそれがある旨,しかるべき根拠を示した資料等に基づいて指摘,通知又は警告等がされたような場合はさておき,そのような特段の事情がない限り,電気通信役務利用放送事業者が本件CS放送サービスを通じて提供する個々の放送番組の内容等について,あらかじめ,個別具体的かつ直接的に把握した上で,当該放送番組に第三者の有する著作権の侵害があるか否かを調査確認する注意義務を負うことはないものと解するのが相当である。』
(12頁以下)
としたうえで、本件では上記のような特段の事情はないとして、被告スカパーに事前調査確認義務違反、無断放送防止義務違反の過失があると認めることができないと判断しています。
結論として、原審同様被告スカパーの責任は認められず、被告スカパーに番組を提供した被告衛星テレビ専門会社の著作権侵害に関して、本件ドラマの放送の差止、損害賠償(135万円)が認められるに留まっています。
--------------------
■コメント
原審の結論が維持されています。
原告側は、スカパーの衛星放送事業者としての責任を強く求めましたが、控訴審でも認められない結果となりました。
--------------------
■過去のブログ記事
2009年5月8日記事
中国ドラマ「苦菜花」スカパー事件
--------------------
2009年10月27日
2009年10月24日
新刊案内 吉田大輔「全訂版著作権が明解になる10章」
2009年9月30日刊行の本書は、平易な叙述で分かり易く著作権法を解説するものとして定評がありますが、1999年の初版刊行(3訂版は2005年)からほぼ10年を経て2009年著作権法改正を踏まえた全訂版となります(本文全348頁)。
コンパクトな装丁で、バスや電車のなかでも読みやすい書籍です。

著作権が明解になる10章
クチコミを見る
コンパクトな装丁で、バスや電車のなかでも読みやすい書籍です。

著作権が明解になる10章
クチコミを見る
2009年10月22日
新刊案内「小野昌延先生喜寿記念 知的財産法最高裁判例評釈大系2」(意匠法・商標法・不正競争防止法)
小野昌延先生喜寿記念知財最高裁判例評釈3分冊の第2冊目には、意匠法、商標法、不正競争防止法の3法に関する最高裁判例が掲載されています(2009年9月28日刊行 本文全749頁)。
意匠法は13件、商標法は42件、不正競争防止法は28件取り上げられていて、不正競争防止法についてはニューアマモト事件(昭和34.5.20決定)から天理教分教会事件(平成18.1.20判決)までが収録されています。
知的財産法最高裁判例評釈大系 2
クチコミを見る
意匠法は13件、商標法は42件、不正競争防止法は28件取り上げられていて、不正競争防止法についてはニューアマモト事件(昭和34.5.20決定)から天理教分教会事件(平成18.1.20判決)までが収録されています。
知的財産法最高裁判例評釈大系 2
クチコミを見る
2009年10月15日
新刊案内 草間文彦「実践 ライセンスビジネス・マネジメント-ロイヤルティで稼ぐ仕組みを構築する-」
プロダクトマネージャー、ライセンスマネージャーなどライセンスビジネス30年の経歴をお持ちの草間文彦氏執筆による本書は、日米欧を中心としたライセンスマネジメントの実務を平易に解説するものです(2009年9月15日刊行)。
販売計画や生産管理、証紙管理にまで言及されている点は、類書を見ない本書の特徴ではないでしょうか。
「証紙からオーディットへの変化が必要」(189頁参照)という、証紙管理より業務監査・事後監査(ライセンス監査)の重要性を指摘されておいでの点は、強く肯首できるところです。

実践 ライセンスビジネス・マネジメント
クチコミを見る
販売計画や生産管理、証紙管理にまで言及されている点は、類書を見ない本書の特徴ではないでしょうか。
「証紙からオーディットへの変化が必要」(189頁参照)という、証紙管理より業務監査・事後監査(ライセンス監査)の重要性を指摘されておいでの点は、強く肯首できるところです。

実践 ライセンスビジネス・マネジメント
クチコミを見る
2009年10月10日
モダンタイムス格安DVD事件(上告審)−著作権 著作権侵害差止等請求事件判決(最高裁判所判例集)−
最高裁判所HP 最高裁判所判例集より
モダンタイムス格安DVD事件(上告審)
★最高裁平成20.10.8平成20(受)889著作権侵害差止等請求事件PDF
裁判長裁判官 宮川光治
裁判官 甲斐中辰夫
裁判官 涌井紀夫
裁判官 櫻井龍子
裁判官 金築誠志
*裁判所サイト公表 09/10/08
--------------------
■事案
チャップリン『モダンタイムス』『独裁者』などの映画作品の保護期間をめぐり映画の著作者がチャップリンなのか映画会社であるのかが争われた事案の上告審
原告(被上告人):チャップリン映画管理会社
被告(上告人) :映像ソフト企画製造販売会社ら
--------------------
■結論
上告棄却
--------------------
■争点
条文 著作権法第2条1項2号、21条、26条、旧法3条、6条
1 著作権存続期間満了の有無
--------------------
■判決内容
判決要旨
『著作者が自然人である著作物の旧著作権法による著作権の存続期間は,当該自然人が著作者である旨がその実名をもって表示され,著作物が公表された場合には,団体の著作名義の表示があったとしても,著作者の死亡の時点を基準に定められる』(裁判要旨より)
------------------
<争点>
1 著作権存続期間満了の有無
チャップリンの9つの作品は、いずれも昭和45年改正法(昭和45年法律第48号)施行前に公表された著作物でしたので、旧法の適用関係が争点となりました。
格安DVD制作会社ら(被告)は、本件各映画が団体の著作名義をもって公表されたものであるとして旧法6条(保護期間−団体著作物)の適用により存続期間が満了して本件各映画の著作権は消滅していると主張していました。
この点について、最高裁判所第一小法廷は、チャップリンがその全体的形成に創作的に寄与したとして本件各映画の著作者であるとしたうえで
『著作者が自然人である著作物の旧法による著作権の存続期間については,当該自然人が著作者である旨がその実名をもって表示され,当該著作物が公表された場合には,それにより当該著作者の死亡の時点を把握することができる以上,仮に団体の著作名義の表示があったとしても,旧法6条ではなく旧法3条が適用され,上記時点を基準に定められると解するのが相当である。』
とし、
『本件各映画は,自然人であるチャップリンを著作者とする独創性を有する著作物であるところ,上記事実関係によれば,本件各映画には,それぞれチャップリンの原作に基づき同人が監督等をしたことが表示されているというのであるから,本件各映画は,自然人であるチャップリンが著作者である旨が実名をもって表示されて公表されたものとして,その旧法による著作権の存続期間については,旧法6条ではなく,旧法3条1項が適用されるというべきである。団体を著作者とする旨の登録がされていることや映画の映像上団体が著作権者である旨が表示されていることは,上記結論を左右しない。』
として、6条ではなく、3条(保護期間−生前公表著作物)が適用されると判断。
結論として、本件各映画の著作権は、その存続期間の満了により消滅したということはできないとして、同旨の原審の判断を是認しています。
なお、映画「シェーン」最高裁判決との整合性については、
『所論引用の最高裁平成19年(受)第1105号同年12月18日第三小法廷判決・民集61巻9号3460頁は,自然人が著作者である旨がその実名をもって表示されたことを前提とするものではなく,旧法6条の適用がある著作物であることを前提として平成15年法律第85号附則2条の適用について判示したものにすぎないから,本件に適切でない。論旨は採用することができない。』
として整合するものとしています。
--------------------
■コメント
2009年10月8日同日に第一小法廷から黒澤明監督作品「姿三四郎」「羅生門」などにかかわる東宝、松竹、角川の3社の差止訴訟についても上告棄却決定の判断が出たとの報道がありました(日経ネット09/10/8 19:10)。
--------------------
■過去のブログ記事
原審
『モダンタイムス』格安DVD事件(控訴審)
その他の差止請求事件(控訴審)
対角川
対東宝(*判決文PDF)
対松竹
シェーン最高裁判決(最高裁判所第三小法廷平成19.12.18平成19(受)1105)
『シェーン』著作権保護期間満了事件(上告審)
--------------------
■参考文献
吉田正夫・狩野雅澄「旧著作権法下の映画著作物の著作者の意義と保護期間-チャップリン映画DVD無断複製頒布事件及び黒澤映画DVD無断頒布事件の知財高裁判決-」『コピライト』(2009)573号30頁以下
旧著作権法における職務著作(旧6条の位置付け)について、
前田哲男「龍渓書舎(国の著作物)」『小野昌延先生喜寿記念 知的財産法最高裁判例評釈大系3』(2009)100頁以下
小松陽一郎「映画「ライムライト」等の保護期間が,旧著作権法の適用により満了していないとされた事例」『知財管理』59巻8号(2009)1035頁以下
--------------------
■追記09/10/13
企業法務戦士の雑感(2009.10.12記事)
企業法務][知財]チャップリン&黒沢明・格安DVD販売訴訟決着。
モダンタイムス格安DVD事件(上告審)
★最高裁平成20.10.8平成20(受)889著作権侵害差止等請求事件PDF
裁判長裁判官 宮川光治
裁判官 甲斐中辰夫
裁判官 涌井紀夫
裁判官 櫻井龍子
裁判官 金築誠志
*裁判所サイト公表 09/10/08
--------------------
■事案
チャップリン『モダンタイムス』『独裁者』などの映画作品の保護期間をめぐり映画の著作者がチャップリンなのか映画会社であるのかが争われた事案の上告審
原告(被上告人):チャップリン映画管理会社
被告(上告人) :映像ソフト企画製造販売会社ら
--------------------
■結論
上告棄却
--------------------
■争点
条文 著作権法第2条1項2号、21条、26条、旧法3条、6条
1 著作権存続期間満了の有無
--------------------
■判決内容
判決要旨
『著作者が自然人である著作物の旧著作権法による著作権の存続期間は,当該自然人が著作者である旨がその実名をもって表示され,著作物が公表された場合には,団体の著作名義の表示があったとしても,著作者の死亡の時点を基準に定められる』(裁判要旨より)
------------------
<争点>
1 著作権存続期間満了の有無
チャップリンの9つの作品は、いずれも昭和45年改正法(昭和45年法律第48号)施行前に公表された著作物でしたので、旧法の適用関係が争点となりました。
格安DVD制作会社ら(被告)は、本件各映画が団体の著作名義をもって公表されたものであるとして旧法6条(保護期間−団体著作物)の適用により存続期間が満了して本件各映画の著作権は消滅していると主張していました。
この点について、最高裁判所第一小法廷は、チャップリンがその全体的形成に創作的に寄与したとして本件各映画の著作者であるとしたうえで
『著作者が自然人である著作物の旧法による著作権の存続期間については,当該自然人が著作者である旨がその実名をもって表示され,当該著作物が公表された場合には,それにより当該著作者の死亡の時点を把握することができる以上,仮に団体の著作名義の表示があったとしても,旧法6条ではなく旧法3条が適用され,上記時点を基準に定められると解するのが相当である。』
とし、
『本件各映画は,自然人であるチャップリンを著作者とする独創性を有する著作物であるところ,上記事実関係によれば,本件各映画には,それぞれチャップリンの原作に基づき同人が監督等をしたことが表示されているというのであるから,本件各映画は,自然人であるチャップリンが著作者である旨が実名をもって表示されて公表されたものとして,その旧法による著作権の存続期間については,旧法6条ではなく,旧法3条1項が適用されるというべきである。団体を著作者とする旨の登録がされていることや映画の映像上団体が著作権者である旨が表示されていることは,上記結論を左右しない。』
として、6条ではなく、3条(保護期間−生前公表著作物)が適用されると判断。
結論として、本件各映画の著作権は、その存続期間の満了により消滅したということはできないとして、同旨の原審の判断を是認しています。
なお、映画「シェーン」最高裁判決との整合性については、
『所論引用の最高裁平成19年(受)第1105号同年12月18日第三小法廷判決・民集61巻9号3460頁は,自然人が著作者である旨がその実名をもって表示されたことを前提とするものではなく,旧法6条の適用がある著作物であることを前提として平成15年法律第85号附則2条の適用について判示したものにすぎないから,本件に適切でない。論旨は採用することができない。』
として整合するものとしています。
--------------------
■コメント
2009年10月8日同日に第一小法廷から黒澤明監督作品「姿三四郎」「羅生門」などにかかわる東宝、松竹、角川の3社の差止訴訟についても上告棄却決定の判断が出たとの報道がありました(日経ネット09/10/8 19:10)。
--------------------
■過去のブログ記事
原審
『モダンタイムス』格安DVD事件(控訴審)
その他の差止請求事件(控訴審)
対角川
対東宝(*判決文PDF)
対松竹
シェーン最高裁判決(最高裁判所第三小法廷平成19.12.18平成19(受)1105)
『シェーン』著作権保護期間満了事件(上告審)
--------------------
■参考文献
吉田正夫・狩野雅澄「旧著作権法下の映画著作物の著作者の意義と保護期間-チャップリン映画DVD無断複製頒布事件及び黒澤映画DVD無断頒布事件の知財高裁判決-」『コピライト』(2009)573号30頁以下
旧著作権法における職務著作(旧6条の位置付け)について、
前田哲男「龍渓書舎(国の著作物)」『小野昌延先生喜寿記念 知的財産法最高裁判例評釈大系3』(2009)100頁以下
小松陽一郎「映画「ライムライト」等の保護期間が,旧著作権法の適用により満了していないとされた事例」『知財管理』59巻8号(2009)1035頁以下
--------------------
■追記09/10/13
企業法務戦士の雑感(2009.10.12記事)
企業法務][知財]チャップリン&黒沢明・格安DVD販売訴訟決着。
2009年10月09日
新刊案内「知的財産法政策学研究」24号(2009)
北海道大学グローバルCOEプログラム「多元分散型統御を目指す新世代法政策学」事務局、北海道大学情報法政策学研究センター編「知的財産法政策学研究」の24号が刊行されました(2009年9月)。
多元分散型統御を目指す新世代法政策学知的財産法政策学研究
著作権に関わる論文としては、
Branislav HAZUCHA、田村善之・丹澤一成訳「他人の著作権侵害を助ける技術に対する規律のあり方-デュアル・ユース技術の規制における社会規範の役割-」25頁以下
津幡 笑「絵画的な表現の著作物の保護範囲-博士イラスト事件-」97頁以下
宮澤信二郎「情報財の価格差別と著作権保護」229頁以下
平澤卓人「分割してインターネット配信する著作物に対する法的保護-日めくりカレンダー事件-」259頁以下
田村善之「書評 中山信弘『著作権法』」341頁以下
が掲載されています。
田村先生の書評は、よくある書評の域を超えたもので、田村先生の御著書「著作権法概説」と中山先生の御著書の比較の視点から現行著作権法の構造論としてインセンティブ論と自然権論に言及するもので一読をお勧めしたいところです。
なお、不正競争防止法関連としては、以下の論文が掲載されています。
洪 振豪「知的財産権の侵害警告と「正当な権利行使」(2・完)-アクティブマトリクス型表示装置事件-」291頁以下
多元分散型統御を目指す新世代法政策学知的財産法政策学研究
著作権に関わる論文としては、
Branislav HAZUCHA、田村善之・丹澤一成訳「他人の著作権侵害を助ける技術に対する規律のあり方-デュアル・ユース技術の規制における社会規範の役割-」25頁以下
津幡 笑「絵画的な表現の著作物の保護範囲-博士イラスト事件-」97頁以下
宮澤信二郎「情報財の価格差別と著作権保護」229頁以下
平澤卓人「分割してインターネット配信する著作物に対する法的保護-日めくりカレンダー事件-」259頁以下
田村善之「書評 中山信弘『著作権法』」341頁以下
が掲載されています。
田村先生の書評は、よくある書評の域を超えたもので、田村先生の御著書「著作権法概説」と中山先生の御著書の比較の視点から現行著作権法の構造論としてインセンティブ論と自然権論に言及するもので一読をお勧めしたいところです。
なお、不正競争防止法関連としては、以下の論文が掲載されています。
洪 振豪「知的財産権の侵害警告と「正当な権利行使」(2・完)-アクティブマトリクス型表示装置事件-」291頁以下













はてなに追加
MyYahoo!に追加
livedoorClipに追加
Googleに追加
