2017年04月06日

あぶらとり紙包装紙デザイン事件−著作権 著作権侵害損害賠償請求事件判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

あぶらとり紙包装紙デザイン事件

東京地裁平成29.3.23平成28(ワ)16088著作権侵害損害賠償請求事件PDF

東京地方裁判所民事第46部
裁判長裁判官 長谷川浩二
裁判官    萩原孝基
裁判官    中嶋邦人

*裁判所サイト公表 2017.4.3
*キーワード:著作権者性

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■事案

あぶらとり紙商品の包装デザインの著作権の帰属などが争点となった事案

原告:健康食品製造販売会社
被告:箔加工品製造販売会社

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■結論

請求棄却

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■争点

条文 著作権法2条2項、61条1項

1 本件著作物の著作者及び著作権者

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■事案の概要

『本件は,原告が,被告に対し,原告は別紙著作物目録記載の「ふるや紙」等の文字及び図柄からなるデザイン(以下「本件著作物」という。)の著作権者であるところ,被告が製造販売する別紙被告商品目録の記載の商品(以下「被告商品」という。)のデザイン(同目録「表」欄記載のもの。以下「被告デザイン」という。)は本件著作物に依拠して作成されたものであり,原告の著作権(複製権)の侵害に当たると主張して,民法709条,著作権法114条2項に基づき損害賠償金の一部2000万円及びこれに対する不法行為の日の後(訴状送達の日の翌日)である平成28年5月28日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。』(1頁以下)

<経緯>

S51 被告が「ふるや紙」名称のあぶらとり紙を製造販売
    原告が被告から商品を仕入れて販売
H10 原被告間の取引終了
H12 被告が被告商品を製造販売
H27 Bが被告に書面送付

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■判決内容

<争点>

1 本件著作物の著作者及び著作権者

本件著作物の著作者及び著作権者について、本件著作物はBが作成したものであり、Bから原告代表取締役Aに、さらに、Aから原告へその著作権が譲渡されたと原告は主張しました。
この点について、裁判所は、本件著作物の作成者がBである根拠がないなどの点を含め、原告の主張を裏付ける客観的な証拠はないとして、原告が本件著作物の著作権者であると認めることはできないと判断。原告の主張を認めていません(6頁以下)。

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■コメント

15年以上前の包装紙デザインの制作の経緯について、当事者間で事実が大きく食い違っている事案です。被告は、本件著作物と被告デザインが同一又は類似であることを争っていません。
原告は、本件著作物の著作物性について、

・特に「紙」の文字の「氏」部の4画目が1画目の上に突き出ている点
・「糸」偏の形状、「る」の文字が小さく配置されている点
・「や」の文字の3画目の先の部分をかすれさせている点

などが特徴的で、全体として独創的かつ伝統的な雰囲気を醸し出している著作物であり、「ふるや紙」の文字の右上にある模様も同様であるとして、美的創作性を有する著作物性であると主張しました。
この論点について裁判所は判断していませんが、仮に判断されるとしても書や包装紙のデザインとして著作物性があるかどうかは、微妙な判断となりそうです。
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2017年04月04日

Windows8海賊版販売事件−著作権 損害賠償請求事件判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

Windows8海賊版販売事件

大阪地裁平成29.2.20平成28(ワ)10506損害賠償請求事件PDF

大阪地方裁判所第26民事部
裁判長裁判官 高松宏之
裁判官    田原美奈子
裁判官    林啓治郎

*裁判所サイト公表 2017.3.28
*キーワード:海賊版販売、損害論

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■事案

マイクロソフトWindows8やOffice2013などの海賊版をヤフオクで販売した事案

原告:マイクロソフト
被告:個人

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■結論

請求認容

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■争点

条文 著作権法21条、23条、114条3項

1 侵害論
2 損害論

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■事案の概要

『被告は前述第1の2項の行為に関連して、平成26年8月11日頃から同27年5月17日頃までの間、ヤフー株式会社が運営する「ヤフオク!」において、「P2」という Yahoo!JapanID を利用して、別紙被告商品一覧表の商品欄記載の商品(本件各プログラム)を販売していた(甲2の1,2)。そして、少なくとも、被告は平成27年1月28日から同3月7日までの間、本件各プログラムを、購入申込者と思われるものに対して、ダウンロードさせていた』事案(5頁以下)

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■判決内容

<争点>

1 侵害論

被告は、ヤフオクで原告のソフトウェアの海賊版を販売し、原告の著作権及び商標権を侵害したとして、著作権法違反及び商標法違反の罪で判決が確定していました。
被告は、本訴において著作権(複製権及び送信可能化権)侵害に基づく損害賠償債務の存在について争っておらず、原告主張の各事実について自白したものと見なされています(2頁)。

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2 損害論

著作権侵害による使用許諾料相当額の損害
について、原告は、被告が落札者に本件各プログラムをダウンロードさせて販売した回数にプログラムの販売価格を乗じた金額の2965万3992円及び弁護士費用相当額損害296万円の合計3261万3922円を損害額とし、その一部である280万円を本訴において請求しました(2頁以下)。
結論として、裁判所は原告の主張を認めています。

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■コメント

ビジネスソフトの海賊版販売に関して刑事事件に引き続く民事事件となります。
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2017年03月31日

車両運行管理ソフト営業誹謗事件−著作権 損害賠償等請求事件判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

車両運行管理ソフト営業誹謗事件

東京地裁平成29.3.16平成27(ワ)37329損害賠償等請求事件PDF

東京地方裁判所民事第46部
裁判長裁判官 長谷川浩二
裁判官    萩原孝基
裁判官    林 雅子

*裁判所サイト公表 2017.3.27
*キーワード:営業誹謗、ライセンス契約、包括的許諾

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■事案

車両運行管理ソフトのライセンス契約を巡って営業誹謗行為があったかどうかなどが争点となった事案

原告:情報通信システム企画販売会社、代表取締役
被告:コンピュータ装置製造販売会社

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■結論

請求一部認容

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■争点

条文 著作権法22条、不正競争防止法2条1項15号

1 本件端末交換等の必要性の有無
2 本件複製行為に対する被告の許諾の有無
3 不正競争に関する被告の故意又は過失の有無
4 損害額

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■事案の概要

『本件は,原告会社が被告から継続的に購入して顧客に納入していたGPSシステム端末及びソフトウェアにつき,(1)原告会社が必要のない端末の入替え及びソフトウェアの著作権(複製権)侵害を行っている旨の虚偽の事実を被告が上記顧客に対して文書で告知した行為が不正競争防止法2条1項15号の不正競争に該当すると主張して,原告会社が,被告に対し,同法4条に基づき損害賠償金330万円及びこれに対する不法行為の日の後(訴状送達の日の翌日)である平成28年1月8日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を,(2)原告らの本件損害賠償債務(被告のソフトウェアについての著作権(複製権)侵害の不法行為に基づく損害賠償請求権)の有無について被告が争っていると主張して,原告らが,被告に対し,本件損害賠償債務の不存在確認をそれぞれ求める事案である。』(2頁)

<経緯>

H18.11 原告XがTMS−1を被告から継続的に購入
H21.07 原告会社設立
H24.06 原告会社が成田運輸から受注
H24.10 原告会社がTMS−1売買契約解除の意思表示
H25.06 被告が甲11文書を70社に送付
H25.07 被告が甲12文書を70社に送付

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■判決内容

<争点>

1 本件端末交換等の必要性の有無

被告の事業所ASP事業部名義の平成25年6月20日付け文書(甲11文書)は、地図ソフトの新バージョンへの移行に際して車載端末を入れ替える必要が全くないにもかかわらず、これがあるかのように原告会社が顧客に対して説明し、この説明に基づいて端末全数が入れ替えられた事実を摘示するものでした。この事実が虚偽であるかどうかについて、裁判所は、結論として同事実を虚偽と認定。原告会社と被告は競争関係にあり、当該文書の摘示する事実はその内容に鑑みると原告会社の営業上の信用を害するものであるとして、被告による当該文書の送付は、不正競争防止法2条1項15号の不正競争に該当すると判断しています(8頁以下)。

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2 本件複製行為に対する被告の許諾の有無

原告らは、原告会社による本件基地局ソフト2の複製を被告が包括的に許諾していたとして、原告会社がこれを違法にコピーした旨の被告の文書(「違法コピーのご報告及び今後のご連絡」と題する被告代表取締役及びASP事業部部長の連名の平成25年7月10日付け文書 甲12文書)の記載は虚偽であり、原告らは著作権侵害に基づく本件損害賠償債務を負わない旨主張しました(10頁以下)。
この点について、裁判所は、被告の包括的許諾は認められないとして、本件基地局ソフト2の複製につき包括的な許諾があったことを前提に、甲12文書の送付が不正競争に当たるとする原告会社の損害賠償請求及び著作権侵害による損害賠償債務を負わないとする原告らの債務不存在確認請求は、いずれも理由がないと判断しています。

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3 不正競争に関する被告の故意又は過失の有無

甲11文書を顧客に対して送付した行為が不正競争防止法2条1項15号の不正競争に該当するところ、裁判所は、被告には不正競争につき過失があると認定しています(14頁以下)。

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4 損害額

甲11文書に関する不正競争による原告会社の損害について、裁判所は、原告会社の営業上の信用が損なわれたことによる損害額を50万円、弁護士費用相当額損害を10万円、合計60万円を損害額として認定しています(15頁)。

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■コメント

運送会社で車両の位置や運行状態をリアルタイムに把握して車両の運行等を管理するシステムのライセンス契約を巡る争いとなります。
被告が作成して原告の取引先に送付した文書の営業誹謗行為性に関連して、原告らによる被告ソフトの無許諾インストール使用が複製権侵害にあたるかどうかが事実認定として争点の1つとなっています。

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2017年03月30日

ストレッチポール健康器具ドメイン事件−損害賠償請求事件判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

ストレッチポール健康器具ドメイン事件

大阪地裁平成29.3.21平成28(ワ)7393損害賠償請求事件PDF

大阪地方裁判所第21民事部
裁判長裁判官 森崎英二
裁判官    田原美奈子
裁判官    大川潤子

*裁判所サイト公表 2017.3.27
*キーワード:不正目的ドメイン使用、名誉毀損

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■事案

他社商品名を含むURLを取得して当該商品の信用を毀損するようなサイトを運営していた者の著作権侵害性などが争点となった事案

原告:工業用ゴム製品製造販売会社
被告:ウェブサイト運営者

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■結論

請求一部認容

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■争点

条文 著作権法32条、不正競争防止法2条1項13号

1 本件ウェブページによる名誉棄損の成否
2 名誉棄損の免責事由の有無
3 被告の行為が著作権(複製権、公衆送信権)侵害に該当するか
4 本件日本語ドメイン名を使用する行為が不正競争防止法2条1項13号の不正競争に該当するか
5 損害論

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■事案の概要

『本件は,「アクシスフォーマー」との名称の健康器具を販売している原告が,その開設するウェブサイトで原告の上記製品についてのコメント等を掲載している被告に対し,下記請求をした事案である。(以下、略)』(1頁以下)

<経緯>

H28.01 発信者情報開示請求訴訟判決(前件訴訟)

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■判決内容

<争点>

1 本件ウェブページによる名誉棄損の成否

被告が運営しているウェブサイト下のウェブページ(本件ウェブページ)に掲載されている本件記載は、原告製品が他社製品の模倣品であり、同等規格製品と比較すると芯材部分が抜けやすく、芯材中央が凹んでいるなどの欠陥を有する粗悪品であることなどを指摘する内容でした。
本件ウェブページによる名誉棄損の成否について、裁判所は、本件ウェブサイトにアクセスして本件記載に接した一般の需要者は、原告製品は粗悪品であって信用できず、ひいてはその製造者である原告も信用できない企業であると認識するものであると判断。
本件ウェブページの記載が原告の社会的評価を低下させ信用を棄損することは明らかであるとして、本件ウェブページに本件記載を掲載した被告の行為は原告の名誉を毀損する行為であると認定しています(12頁以下)。

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2 名誉棄損の免責事由の有無

名誉棄損の免責事由の有無について、裁判所は、結論として、専ら公益を図る目的を欠くなどとして違法性阻却による不法行為責任の免責を認めていません(13頁以下)。

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3 被告の行為が著作権(複製権、公衆送信権)侵害に該当するか

別紙対比表1、2の「被告侵害部分」で特定された原告コンテンツの各記載について、裁判所は、その内容や記載の順序、文体等に照らして原告の個性が表出されているものと認められるとして、これらはいずれも原告の思想又は感情を創作的に表現したものとして著作権法上の著作物(著作権法2条1項1号)であると判断。原告はその作成者としてその著作権(複製権、公衆送信権)を有すると認定しています。
その上で、被告は原告コンテンツをそのまま自らの本件ウェブページに転載しており、不特定多数の者が本件ウェブサイトにアクセスして本件ウェブページを自由に閲覧することができるものであることから、被告は原告の複製権及び公衆送信権を侵害したと判断しています(14頁以下)。
なお、被告は引用(32条1項)に該当する旨反論しましたが、裁判所は、被告の行為は原告製品ひいては原告の信用を毀損する目的でされた違法な行為であり、その引用が「公正な慣行に合致するもの」とも「引用の目的上正当な範囲内で行なわれる」ものともいうことはできないとして、被告の主張を認めていません。

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4 本件日本語ドメイン名を使用する行為が不正競争防止法2条1項13号の不正競争に該当するか

被告が運営していた「アクシスフォーマー.com」(本件日本語ドメイン名)は、原告の特定商品等表示と類似のドメイン名でした。裁判所は、本件ウェブサイト自体が原告に損害を加える目的で開設されたサイトであると認定。本件ウェブサイトの開設者である被告は、原告に損害を加える目的で原告の特定商品等表示である原告製品名と類似の本件日本語ドメイン名を使用したものというべきであり、これは不正競争防止法2条1項13号の不正競争に該当すると判断しています(15頁以下)。

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5 損害論

(1)本件記載を本件ウェブページに掲載したことによる損害額について

名誉棄損による無形損害の損害額 50万円

(2)本件日本語ドメイン名の使用料相当額について

  3万円

(3)原告コンテンツの著作権侵害による利用許諾相当額について

  3万円

(4)前件訴訟の弁護士費用相当の損害額について

  4万円

(5)本件訴訟の弁護士費用相当の損害額について

  5万円

上記合計65万円を損害額として認定しています(16頁以下)。

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■コメント

裁判所サイトでは別紙1乃至3がPDFで個別に添付されていますが、対比表の内容が省略されていて白紙のため、リンクが貼られていても意味がないものとなっています。そのため、楽天市場のサイト内の記載ということで原告の著作物の概要は分かりますが、対象となる著作物の正確な内容は分かりません。
原告商品のアクシスフォーマーは、1M程度の長さの円柱形の健康器具で、ストレッチをする時に用いられるものです(いわゆるストレッチポール、ヨガポール)。芯材がポリプロピレン(発泡材)で外皮が合成皮革となっており、発砲材だけのものより高級感がありそうです。

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■参考サイト

【楽天市場】アクシスフォーマー
共和ゴムwebshop
written by ootsukahoumu at 07:26|この記事のURLTrackBack(0)知財判決速報2017 

2017年03月29日

結婚式場リーフレット用写真流用事件−著作権 損害賠償請求事件判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

結婚式場リーフレット用写真流用事件

大阪地裁平成28.10.13平成28(ワ)6054損害賠償請求事件PDF

大阪地方裁判所第26民事部
裁判長裁判官 高松宏之
裁判官    田原美奈子
裁判官    林啓治郎

*裁判所サイト公表 2017.3.24
*キーワード:写真、損害論

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■事案

結婚式場リーフレット用写真などを使用目的範囲を超えてサイトで流用した事案

原告:写真家
被告:メイク専門学校運営会社

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■結論

請求一部認容

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■争点

条文 著作権法23条

1 侵害論
2 損害論

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■事案の概要

『原告が撮影して被告に提供した各写真(以下「本件各写真」という。)について,原告が著作権を有すると認められるところ,同「三」記載の被告の行為によって,上記の著作権が侵害されたと認められる』事案(1頁以下)

<経緯>

H13.10 被告が原告に撮影発注。被告が65万円支払
H14.01 原告写真4枚をP4宣材として使用を許諾
H21.08 原告がP5作品を撮影。被告側が6万円支払
H21.11 被告が原告写真をHPで使用
H27.12 原告が被告に損害金720万円請求

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■判決内容

<争点>

1 侵害論

被告は、原告に対して2度に亘り撮影依頼をしていましたが、リーフレットに写真を使用する際の合意についてみると、写真の権利は原告に帰属し、使用目的は当該リーフレットの写真に限定して1年間のリーフレット使用に限って使用を許諾していました。また、P5のヘアメイク作品の撮影写真については、ヘアメイクアーチストであるP5のプロモーション使用目的、1年間限りでの使用許諾の合意となっていました。
被告が、原告写真をこうした使用許諾範囲を超えて被告のホームページなどで使用している点について、裁判所は、被告が適式の呼出しを受けながら本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面も提出しないことから、請求原因事実を争うことを明らかにしないものとして擬制自白を認め、原告の写真に関する著作権について被告の行為による著作権侵害を認定しています(1頁以下)。

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2 損害論

原告は、原告写真の被告ホームページへの流用は平成21年11月から平成27年12月までの6年間に亘るとして、損害額として、1440万円(月額20万円×12ケ月×6年)の損害と弁護士費用相当額損害160万円の合計1600万円を主張しました。
この点について、裁判所は、結論として、月額10万円の損害として720万円、弁護士費用相当額損害として70万円の合計790万円を認定しています(2頁以下)。

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■コメント

昨年10月の判決で公表が遅いです。
訴訟提起前の請求額が満額認定される結果となっています。被告側も対応を放置すると金額面でも大きな痛手を被ることになります。

written by ootsukahoumu at 07:20|この記事のURLTrackBack(0)知財判決速報2016 

2017年03月27日

「柴田是真 下絵・写生集」書籍印刷用データ流用事件−損害賠償等請求事件判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

「柴田是真 下絵・写生集」書籍印刷用データ流用事件

大阪地裁平成29.1.12平成27(ワ)718損害賠償等請求事件PDF
別紙

大阪地方裁判所第26民事部
裁判長裁判官 高松宏之
裁判官    田原美奈子
裁判官    林啓治郎

*裁判所サイト公表 2017.3.21
*キーワード:所有権、無体物、データ、黙示の合意、信義則

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■事案

印刷会社保有の書籍印刷用データの無断流用が債務不履行などに該当するかどうかが争点となった事案

原告:出版社
被告:印刷会社、出版社

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■結論

請求一部認容

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■争点

条文 民法85条、著作権法32条1項

1 被告ニューカラー写真印刷が本件絵画データを使用したか
2 原告が本件印刷用データを所有しているか
3 原告と被告ニューカラー写真印刷が原告書籍の出版の際本件合意をしたか
4 原告は本件写真データの使用を許諾したか
5 本件写真データの使用について著作権法32条1項が類推適用されるか
6 損害額又は本件印刷用データの使用料
7 不法行為責任の成否
8 被告光村推古書院の本件合意違反による不法行為責任の成否

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■事案の概要

『原告は,被告らが,原告が「柴田是真 下絵・写生集」との題名の書籍(以下「原告書籍」という。)を出版した際に製作された印刷用のデータ(以下「本件印刷用データ」という。ただし,その具体的な内容は,当事者間に争いがある。)を使用して,「柴田是真の植物図」との題名の書籍(以下「被告書籍」という。)を印刷・製本し,出版したと主張して,被告らに対し,以下の請求をした。(以下、略)』(2頁以下)

<経緯>

H16.08 原告と東京芸大美術館が刊行申合せ
H17.02 原告被告ニューカラー間見積書(962万1200円)
       原告が被告ニューカラーに840万円支払
H25.07 被告光村推古書院と東京芸大美術館が被告書籍合意
H25.08 被告光村推古書院が東京芸大美術館に62万6850円支払
       被告光村推古書院が被告ニューカラーに252万円支払
H27.12 原告が日本書籍出版協会会員420社へ照会実施

原告書籍:「柴田是真 下絵・写生集」(平成17年4月11日初版発行)
被告書籍:「柴田是真の植物図」(平成25年9月20日初版発行)

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■判決内容

<争点>

1 被告ニューカラー写真印刷が本件絵画データを使用したか

本件絵画データは、原告書籍の出版の際に原告が東京芸大美術館の許可を得て撮影・製作させた柴田是真の絵画のリバーサルフィルム(反転フィルム。現像の過程において露光・第一現像後、反転現像によってポジ画像(陽画)を得る構造を持つ写真フィルム)に基づいて被告ニューカラー写真印刷が製作当初から印刷に至る最終過程までの間に製作したすべての印刷用データでした。

裁判所は、
(1)被告光村推古書院は被告書籍を発行するに当たって東京芸大美術館から原板使用許可を受けて62万6850円を支払っている
(2)東京芸大美術館は原板使用許可の際には画像データを送付しており、被告光村推古書院に対しても写真原板ではなく画像データを送付したものと考えられ本件の提訴後に原告が東京芸大美術館から送付を受けた画像データはRGBデータであったことからすると、被告光村推古書院が送付を受けた画像データはRGBデータであったと推認される
(3)RGBデータをCMYKデータに変換して被告書籍の掲載形態とすることは可能である
(4)原告書籍と被告書籍の間には掲載した絵画や掲載形態に相違があることが認められる

といった点から、被告ニューカラー写真印刷は、東京芸大美術館から送付を受けた画像データを用いて被告書籍を制作した可能性があると認定。
結論として、被告ニューカラー写真印刷が被告書籍の出版に当たって、本件絵画データを使用したと認めることはできないと判断。本件の被告ニューカラー写真印刷に対する原告の各請求を認めていません(20頁以下)。

次に、宮内庁所蔵に係る明治宮殿「千種の間」の室内写真2葉(本件写真)のデータについて、被告ニューカラー写真印刷が被告書籍の出版の際に本件写真データ(本件印刷用データのうち、本件写真に係るデータ)を使用したことは当事者間に争いがないため、以下、本件写真データの使用との関係で原告の被告ニューカラー写真印刷に対する各請求が検討されています。

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2 原告が本件印刷用データを所有しているか

原告が本件印刷用データを所有しているかどうかについて、裁判所は、被告ニューカラー写真印刷は、本件印刷用データが保存された記録媒体を所持しているところ、民法上の所有権の客体である「物」は「有体物」に限定されており(民法85条)、本件印刷用データそれ自体はデジタル化された情報であって無体物であるため所有権の客体たり得ず、原告が同データを所有する旨の原告の主張は採用することができないと判断しています(27頁以下)。

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3 原告と被告ニューカラー写真印刷が原告書籍の出版の際本件合意をしたか

原告は、原告書籍の出版の際に被告ニューカラー写真印刷との間で本件印刷用データを原告以外の出版社の出版物の印刷・製本に使用する場合は原告の許諾を得た上で当該出版社が原告に使用料を支払うこととする旨の合意が成立している旨主張しました(28頁以下)。

この点について、裁判所は、原告書籍の出版の際に原告は被告ニューカラー写真印刷に対して原告書籍の印刷・製本の対価を支払っており、その前提として原告と被告ニューカラー写真印刷は契約書は作成していないものの、原告書籍に関する印刷・製本契約を締結したと認定。
原告書籍の印刷・製本契約における本件合意の有無については、日本書籍出版協会会員などへのアンケート調査結果などから、一般に、印刷・製本契約を締結した出版社と印刷業者との間では印刷業者は出版社の許諾を得ない限り、印刷用データの再利用をすることができないとの商慣行が存在していると認めるのが相当であると判断。
本件において、原告と被告ニューカラー写真印刷との間の原告書籍に関する印刷・製本契約において、上記の商慣行にのっとり、被告ニューカラー印刷は原告の許諾を得ない限り本件印刷用データの再利用をすることができないとの黙示の合意がされたと認めるのが相当であり、そうでないとしても被告ニューカラー印刷は印刷・製本契約に付随して原告の許諾を得ない限り本件印刷用データの再利用をすることができないとの義務を信義則上負うと解するのが相当であると判断しています。

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4 原告は本件写真データの使用を許諾したか

結論として、原告が本件写真データの使用を許諾したと認めることはできないと判断されています(35頁以下)。

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5 本件写真データの使用について著作権法32条1項が類推適用されるか

被告らは、原告書籍からの転載が宮内庁による許可の条件とされていたため、被告らは被告書籍に原告書籍からの転載である旨を明示したものであり、著作権法32条1項「引用」の類推適用により原告の許諾がなくとも本件写真データを使用できる旨主張しましたが、裁判所は、「本件写真データの使用につき原告の許諾を要するか否かは,被告書籍を出版する際に,原告書籍に掲載された本件写真を転載する方法に関わる事項であるにすぎず,本件写真を転載するに当たり,原告書籍のために作成された本件写真データを利用する内容上の必要性があるというわけではないから,同項の類推適用の基礎を欠くというべきである」として、被告らの主張を認めていません(38頁以下)。

結論として、被告ニューカラー写真印刷は、原告に無断で本件写真データを使用したことにつき、原告に対して債務不履行による損害賠償責任を負う(予備的請求1)と判断されています。

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6 損害額又は本件印刷用データの使用料

原告は、原告書籍の出版の際に本件写真の撮影を株式会社エスエス東京に依頼して同社に6万9300円を支払っていたこと、また、原告は他社から原告が出版した書籍に掲載された写真3枚を紹介映像に使用したい旨の依頼を受けた際に1枚当たり3万円(税別)の使用料の支払を条件として使用を許可していました。
こうした点から、裁判所は、原告は被告ニューカラー写真印刷に本件写真データの再利用を許諾する際には相当額の使用料を徴収していたと考えられ、その際の使用料相当額が被告ニューカラー写真印刷による債務不履行に係る損害額となると判断。
被告ニューカラー写真印刷について、本件写真データの使用料は写真1枚につき3万円と認めるのが相当であり、原告は2枚の写真から成る本件写真データの使用料相当額の損害を被っている損害額は6万円と認定しています(39頁以下)。

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7 不法行為責任の成否

被告ニューカラー写真印刷又は被告光村推古書院が、被告書籍のために本件印刷用データを再利用する場合に原告の許諾を得た上で使用料を支払う旨の慣習法上・条理上の義務又は不文律違反の不法行為責任を負うかについて、裁判所は、本争点は予備的請求2に係るものであるものの、仮に本争点について被告ニューカラー写真印刷の責任が認められるとしても、それによる損害額が争点6で認定した額を超えるとは認められないとして、本争点について検討するまでもなく、予備的請求1に係る後記認容額を超える部分に係る予備的請求2は理由がないと判断しています(40頁)。

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8 被告光村推古書院の本件合意違反による不法行為責任の成否

被告光村推古書院について、被告ニューカラー写真印刷による債務不履行に加担したことが原告が被告ニューカラー写真印刷に対して有する債権侵害としての不法行為を構成するかどうかについて、裁判所は、結論として不法行為の成立を肯定。本件写真データの使用料相当額として6万円を損害額(不真正連帯債務関係)として認定しています(40頁以下)。

結論としては、原告の請求の趣旨に鑑みて、各被告について3万円の損害賠償及びその遅延損害金の限度で認容されています。

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■コメント

原告書籍は、1800年代に活躍した江戸蒔絵を継承する蒔絵師、柴田是真の天井図下絵や写生帖から成る絵画を内容とするもので、絵画は東京藝術大学大学美術館が所蔵していました(書籍の価格は1万5000円)。
印刷用データの取扱いについて、原告側が印刷業者への詳細なアンケート調査を実施することで、印刷業者による印刷用データの無断流用(二次使用)が商慣習上認められていない点を裁判所に認めさせた部分は、近時の印刷業界におけるデータの権利関係に関する意識調査としてもたいへん参考になるかと思われます。
本件では、著作権の保護期間が切れている著作物が対象で著作権が中心の争点にはなりませんでしたが、無体物であるデータと所有権の関係、印刷用データの取扱いにおける契約上留意する点など(データ保存期間や流用禁止期間、契約期間なども併せて)について、示唆に富んだ事例といえます。


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■参考資料

東京都印刷工業組合「組合ガイド」(平成14年3月20日発行)
『「印刷版」・「印刷データ」の権利帰属』
PDF(ダウンロード)


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2017年03月21日

サプリ会員登録サイトHTML制作事件(控訴審)−著作権 損害賠償請求控訴事件判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

サプリ会員登録サイトHTML制作事件(控訴審)

知財高裁平成29.3.14平成28(ネ)10102損害賠償請求控訴事件PDF

知的財産高等裁判所第4部
裁判長裁判官 高部眞規子
裁判官    古河謙一
裁判官    鈴木わかな

*裁判所サイト公表 2017.3.15
*キーワード:サイト制作、HTML、創作性

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■事案

連鎖販売取引に関する通販管理システムのサイトのHTML部分の創作性が争点となった事案の控訴審

控訴人 (1審原告):ソフト開発会社
被控訴人(1審被告):サプリ製造販売会社

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■結論

控訴棄却

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■争点

条文 著作権法2条1項1号

1 本件プログラムの著作物性及び著作者

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■事案の概要

『(1)本件は,控訴人が,被控訴人に対し,被控訴人は,控訴人が被控訴人との契約(本件契約)に基づいて作成し,被控訴人に使用させていた通販管理システム(本件システム)を機能させるためのプログラム(本件プログラム)を,本件契約終了後に違法に複製し,本件プログラムの著作権(複製権)を侵害したとして,不法行為(民法709条)に基づき,本件契約終了日の翌日である平成25年11月1日から平成26年12月31日までの著作権法114条3項による損害の賠償等及び遅延損害金の支払を求めた事案である。
(2)原判決は,本件プログラムに含まれるHTML(本件HTML)についても本件プログラムについても,控訴人の従業員が創作的表現を作成したと認めるに足りず,したがって,仮に本件HTMLや本件プログラムの一部に創作的表現が含まれるとしても,控訴人が本件HTMLや本件プログラムの著作者であるとはいえないとして,控訴人の請求を棄却した。
 控訴人は,原判決を不服として控訴した。』(2頁)

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■判決内容

<争点>

1 本件プログラムの著作物性及び著作者

プログラムの著作物性について、控訴審は、

『著作物性が認められるためには,創作性(著作権法2条1項1号)を要するところ,創作性は,表現に作者の個性が表れていることを指すものと解される。プログラムは,「電子計算機を機能させて一の結果を得ることができるようにこれに対する指令を組み合わせたものとして表現したもの」(同条1項10号の2)であり,コンピュータに対する指令の組合せであるから,正確かつ論理的なものでなければならないとともに,著作権法の保護が及ばないプログラム言語,規約及び解法(同法10条3項)の制約を受ける。そうすると,プログラムの作成者の個性は,コンピュータに対する指令をどのように表現するか,指令の表現をどのように組み合わせるか,どのような表現順序とするかなどといったところに表れることとなる。したがって,プログラムの著作物性が認められるためには,指令の表現自体,同表現の組合せ,同表現の順序からなるプログラムの全体に選択の幅が十分にあり,かつ,それがありふれた表現ではなく,作成者の個性が表れているものであることを要するということができる。プログラムの表現に選択の余地がないか,あるいは,選択の幅が著しく狭い場合には,作成者の個性の表れる余地がなくなり,著作物性は認められなくなる。
 前記1のとおり,本件HTMLは,被控訴人が決定した内容を,被控訴人が指示した文字の大きさや配列等の形式に従って表現するものであり,そもそも,表現の選択の幅は著しく狭いものということができる。』(15頁)

と説示した上で、本件HTML及び本件プログラムの著作物性を検討しています。

(1)本件HTMLの著作物性について

控訴人においてAによる創作的表現と主張している部分について、控訴審は、いずれも作成者の個性が表れているということはできないと判断。
そして、本件HTMLにおいて、控訴人がAによる創作的表現である旨を主張している部分に著作物性が認められない以上、本件HTMLの著作物性は認められないと判断しています。

(2)本件プログラムの著作物性について

控訴人は、本件HTML以外、本件プログラムのどの部分に作成者の個性が表れているかを具体的に主張立証しておらず、本件PHPプログラムも含め本件プログラムの本件HTML以外の部分に著作物性を認めるに足りる証拠はないと判断。本件プログラムの著作物性を否定しています(25頁)。

結論として、控訴人の請求を棄却した原判決は結論において正当と判断、控訴を棄却しています。

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■コメント

控訴審でも原審の結論を維持しています。

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■過去のブログ記事

2016年10月20日 原審記事

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2017年03月09日

綿麻刺繍アンサンブルデザイン事件−著作権 不正競争行為差止等請求事件判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

綿麻刺繍アンサンブルデザイン事件

大阪地裁平成29.1.19平成27(ワ)9648等不正競争行為差止等請求事件PDF

大阪地方裁判所第21民事部
裁判長裁判官 森崎英二
裁判官    田原美奈子
裁判官    大川潤子

*裁判所サイト公表 2017.03.06
*キーワード:形態模倣、応用美術、一般不法行為論

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■事案

婦人用被服のデザインの形態模倣性、著作権侵害性などが争点となった事案

原告:婦人用高級服飾品製造販売会社
被告:婦人服等製造販売会社

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■結論

請求一部認容

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■争点

条文 不正競争防止法2条1項3号、著作権法2条1項1号、2条2項、民法709条

1 被告商品1ないし同3は原告商品を模倣した商品であるか
2 著作権侵害の成否
3 被告商品2、同3の販売行為が一般不法行為を構成するか
4 損害論

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■事案の概要

『本件のうち甲事件は,別紙原告商品目録記載1,同2の各商品(以下「原告商品1」,「原告商品2」という。)を製造,販売していた原告が,別紙被告商品目録記載1,同2の各商品(以下「被告商品1」,「被告商品2」という。)を製造販売する被告に対し,下記1,2の請求をした事案であり,乙事件は,別紙原告商品目録記載3の商品(以下「原告商品3」という。)を製造,販売していた原告が,別紙被告商品目録記載3の商品(以下「被告商品3」という。)を製造販売する被告に対し,下記3の請求をした事案である。
 記 (略)』(2頁以下)

<経緯>

H26 原告が原告商品1、2、3を販売
H27 被告が被告商品1、2、3を販売

原告商品1:丸首刺繍レース生地使用七部袖ブラウス
原告商品2:丸首オリジナル刺繍レース使いランニング
原告商品3:胸部リンゴモチ−フ付きボーダー柄長袖チュニックTシャツ

被告商品1:綿麻刺繍アンサンブルのうちのブラウス
被告商品2:綿麻刺繍アンサンブルのうちのランニングシャツ
被告商品3:半袖Tシャツ

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■判決内容

<争点>

1 被告商品1ないし同3は原告商品を模倣した商品であるか

(1)被告商品1

裁判所は、原告商品1と被告商品1を正面視した形態の共通点、相違点を検討。

『両商品は,(1)丸首襟の形状をしていること,(2)前身頃のボタン部の左右部分に,縦方向に一定幅で区切られた範囲においてハシゴ状柄のレース生地が用いられ上下にわたって一定間隔で水平方向の開口部がある部分が設けられていること,(3)その外側部分及び袖口部分には二種類の花柄の刺繍が交互に施されているのに袖部分及び裾部分には刺繍が施されていないという組み合わせとなっているという,両商品の特徴をなす点で正面視した形態が共通している。そして,両商品を背面視した形態はほぼ同一であるから,両商品は商品全体の形態が酷似し,その形態が実質的に同一であるものと認められる。』(16頁)

として、依拠性の点も含め、結論として被告商品1は原告商品1を模倣した商品と判断しています。

(2)被告商品2

裁判所は、原告商品2と被告商品2を正面視した形態の共通点、相違点を検討。

『原告商品2と被告商品2の正面視した形態は,いずれもノースリーブであり,その胸部分に花柄の刺繍が施されている点で形態全体が似ており,とりわけ花柄の刺繍部分などは同一であって被告商品2の形態が原告商品2に依拠して作られたことを容易にうかがわせるものであるが,商品正面の目立つ場所に集中している,ネックラインの形状,前身頃と後身頃の縫い合わせの仕上げの仕方,さらには襟首直下のレース生地による切り替え部分の有無で相違している。
 そして,これらの相違点は,ありふれた形態であるノースリーブのランニングシャツの全体的形態に変化を与えており,およそ両商品を対比してみたときに商品全体から見てささいな相違にとどまるものとは認められないから,両商品を背面視した形態が同一であることを考慮したとしても,被告商品2の形態は原告商品2の形態に酷似しているとはいえず,両商品の形態は実質的に同一であるということはできない。』(17頁以下)

として、模倣性を否定しています。

(3)被告商品3

裁判所は、原告商品3と被告商品3を正面視した形態の共通点、相違点を検討。

『原告商品3と被告商品3は,(1)商品全体に黒色と白色の横縞が繰り返されているだけでなく,第1横縞部分,第2横縞部分,第3横縞部分という特徴的な繰り返しパターンがほぼ同様に施されている点,(2)前身頃に類似するデザインの大きなりんごの柄がほぼ同じ手法で施されている点,(3)そのりんご部分を縁取りするようにラインストーンが同じパターンで配されている点で形態が共通しており,これらの特徴的部分で正面視した形態がほぼ同一である。そして,両商品を背面視した形態もほぼ同一であるから,両商品は商品全体の形態が酷似し,その形態が実質的に同一であるものと認められる』

として、被告商品3は原告商品3を模倣した商品であると判断しています(18頁以下)。

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2 著作権侵害の成否

原告は、原告商品2の花柄刺繍部分及び同部分を含む原告商品2全体のデザインは著作物であり、被告商品2は原告商品2を複製ないし翻案したものであるとして、著作権(複製権ないし翻案権)侵害が認められると主張しました(21頁以下)。

この点について、裁判所は、

『原告商品2の花柄刺繍部分のデザインは,衣服に刺繍の装飾を付加するために制作された図案に由来するものと認められ,また同部分を含む原告商品2全体のデザインも,衣服向けに制作された図案に由来することは明らかであるから,これらは美的創作物として見た場合,いわゆる応用美術と位置付けられるものである。』

とした上で、応用美術の意義について言及。そして、

『原告商品2の花柄刺繍部分の花柄のデザインは,それ自体,美的創作物といえるが,5輪の花及び花の周辺に配置された13枚の葉からなるそのデザインは婦人向けの衣服に頻用される花柄模様の一つのデザインという以上の印象を与えるものではなく,少なくとも衣服に付加されるデザインであることを離れ,独立して美的鑑賞の対象となり得るような創作性を備えたものとは認められない』

『また,同部分を含む原告商品2全体のデザインについて見ても,その形状が創作活動の結果生み出されたことは肯定できるとしても,両脇にダーツがとられ,スクエア型のネックラインを有し,襟首直下にレース生地の刺繍を有するというランニングシャツの形状は,専ら衣服という実用的機能に即してなされたデザインそのものというべきであり,前記のような花柄刺繍部分を含め,原告商品2を全体としてみても,実用的機能を離れて独立した美的鑑賞の対象となり得るような創作性を備えたものとは認められない。』

としてデザインの著作物性(著作権法2条1項1号、2条2項)を否定。原告の主張を認めていません。

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3 被告商品2、同3の販売行為が一般不法行為を構成するか

一般不法行為論(民法709条)の肯否について、裁判所は、原告は、被告が原告商品2のデザインをコピーして酷似した商品を製造販売したことを主張するものの、不正競争防止法又は著作権の保護法益とは異なる法益侵害の事実を主張するものではないとして、原告の主張を認めていません(22頁以下)。

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4 損害論

(1)被告商品1の販売による損害(24頁以下)

原告の受ける利益額5834円×販売1232着=718万7488円(不正競争防止法5条1項)
弁護士費用相当額損害 71万円
合計789万7488円

(2)被告商品3の販売による損害

原告の受ける利益額6901円×販売389枚=268万4489円
弁護士費用相当額損害 26万円
合計294万4489円

結論として、被告商品1、同3の製造販売行為の差止め、これら商品の廃棄及び損害賠償として合計1084万1977円が認定されています。

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■コメント

別紙に商品画像が掲載されているため、どのような商品かよくわかります。
過去の婦人服デザインの裁判例としては、丸首ネック、4段フリル、ノースリーブ型カットソーの服飾デザインについて、商品を模倣したかどうかが争われた事案がありました(知財高裁平成17.12.5平成17(ネ)10083、東京地裁平成17.3.30平成16(ワ)12793。)また、ノースリーブ型ワンピースについては、知財高裁平成17.11.10平成17(ネ)10088、東京地裁平成17. 4.27平成16(ワ)12723参照。

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■参考判例

カットソー事件
知財高裁平成17.12.5平成17(ネ)10083
ノースリーブワンピース事件
知財高裁平成17.11.10平成17(ネ)10088
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2017年02月09日

カーナビ地図データ使用許諾契約事件−著作権 使用権料請求事件等判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

カーナビ地図データ使用許諾契約事件

大阪地裁平成28.11.28平成27(ワ)6363等使用権料請求事件等PDF

大阪地方裁判所第26民事部
裁判長裁判官 高松宏之
裁判官    田原美奈子
裁判官    林啓治郎

*裁判所サイト公表 2017.1.27
*キーワード:ライセンス契約、不安の抗弁

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■事案

地図データの使用許諾契約について不安の抗弁の成否などが争点となった事案

原告:カーナビゲーションシステム制作会社
被告:自動車用品製造販売会社

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■結論

第1事件:請求一部認容
第2事件:請求棄却


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■争点

条文 民法620条

1 本件契約における使用権料の額
2 被告による本件契約解除の有効性
3 本件契約解除が有効である場合の原告の未払使用権料支払請求権の存否・被告の既払使用権料返還請求権の存否

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■事案の概要

『第1事件は,原告が被告に対し,原告が使用権あるいは著作権を有する地図データについて,被告との間の有償使用許諾契約に基づき,使用権料1億5500万円(税抜き)の残金5940万円(5500万円とその消費税)及びこれに対する支払期日の翌日である平成27年5月14日から支払済みまで同契約で定める年15%による遅延損害金の支払を請求した事案である。これに対し,被告は,同契約による使用権料について支払済みの1億800万円(1億円とその消費税)を超える額の合意はなく,また,同契約は原告が地図データを提供しなかった債務不履行に基づき解除されたと主張して争っている。
 第2事件は,被告が原告に対し,上記使用許諾契約の解除に基づく原状回復請求権として,支払済み使用権料1億円の返還及びこれに対する同金員受領の日である平成26年6月12日から支払済みまで商事法定利率年6%の割合による利息の支払を請求した事案である。これに対し,原告は,上記解除の有効性を争うとともに,仮に上記解除が有効であるとしても原告は被告に対して使用権料の支払請求権を有する等と主張して争っている。』(2頁)

<経緯>

H26.05 原被告間で使用許諾契約締結
H26.06 被告が1億800万支払い
H26.12 被告が使用権料分割払い、契約変更の要望
H27.02 被告が残金5500万円支払拒絶
H27.02 原告が不安の抗弁を主張
H27.03 被告が契約解除通知
H27.05 被告が原告に対して第2事件提訴
H27.06 原告が被告に対して第1事件提訴

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■判決内容

<争点>

1 本件契約における使用権料の額

本件契約における使用権料について、本件使用権料表には基本使用権料は1億5500万円とすると記載されていました。
裁判所は、原告と被告は本件契約の締結により、本件使用権料表に記載のある1億5500万円の使用権料の額をその使用権料の支払方法等も含めて合意したものと認めるのが相当であると認定しています(18頁以下)。

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2 被告による本件契約解除の有効性

(1)原告の責めに帰すべき債務不履行の有無

原告の責めに帰すべき債務不履行の有無について、裁判所は以下のように判断しています(20頁以下)。

(a)被告の使用権喪失の有無

本件契約における使用権料は、いわゆる年間最低使用料としての実質を有するものであると解するのが相当であり、本件契約第4条においては、何の条件の記載もなく原告が被告に対して本件データについての使用許諾をするものとされ、使用権料の支払がない場合に使用権を失うなどの定めはされていないことからすれば、本件契約において、使用権料の不払又は履行拒絶によって直ちに使用権が喪失ないし失効するとの解除条件が付されていたとは認められない。
被告が使用権料の残金を支払わないことを明確にしたことのみによっては使用権を喪失することはなく、被告は本件契約に基づく本件データの使用権を有していた。

(b)不安の抗弁

被告が使用権料の残金の支払を定められた支払期日に行わない意思を明確にしている以上、被告による支払拒絶の意思は明確にされていたといえる。しかし、使用権料は使用許諾を受けるためだけの対価ではなく、それに満つるまでの複製使用の対価としての性質も有するものであるから、使用権料は、使用権及び個別複製の双方と対価関係にあるものといえるところ、本件契約締結後に被告から使用権料1億5500万円のうち1億円が支払われ、原告が本件データの提供を拒絶する時点での使用権料の充当後残額(税込み)は6988万円余り、提供を拒絶した際に発注されていた3030枚の複製使用料に充当した後でも5974万円余りであったことからすれば、拒絶当時、原告においては、上記3030枚の発注はもちろん、それを超える相当数の発注についても、その対価たる複製使用料について十分な担保を有していたものといえる。
本件契約が被告の業務において不可欠な本件データを継続的に供給するものであったことからすれば、平成27年2月に被告が使用権料の残金を支払うことを明確に拒絶したとしても、原告において、被告に対する本件データの提供義務を履行させることが、著しく当事者間の衡平を欠く状況にあり信義に反するとまでいえるものではなく、原告において不安の抗弁を主張することはできない。

原告が、平成27年2月に被告に対する本件データの提供を拒絶したことは、原告の責めに帰すべき債務不履行であるといえる。

(2)解除事由

原告が被告の複製申請に対して本件データの提供を行うことは、原告の本件契約における債務そのものであるから、これを拒絶することは、本件契約第6条4項(6)に定める「本契約もしくは使用許諾地域等の個別契約上の重大な債務不履行」に該当するといえ、被告は、直ちに本件契約を解除することができるから、被告が原告に対して行った解除の意思表示は、本件契約条項に基づくものとして有効であると裁判所は判断(24頁以下)。

結論として、被告による本件契約解除は有効であると判断しています。

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3 本件契約解除が有効である場合の原告の未払使用権料支払請求権の存否・被告の既払使用権料返還請求権の存否

解除により本件契約が使用許諾期間途中で効力を失った場合に、契約がどのように解消されるかについては明確に定められていないことから、本件契約解除による使用権料の支払義務の帰趨が問題となっています(25頁以下)。

(1)本件契約解除の遡及効の有無について

本件契約には本件契約条項に基づく解除の効力について具体的な定めはないものの、本件契約が被告の行う複製使用申請に対して、原告が本件データを提供するという関係が使用許諾期間において続くという意味で継続的な契約の性質を有し、また、本件契約に基づき相当数の本件データの複製物が原告から被告に提供され、これを使用したカーナビゲーションが第三者に販売されていることを考慮すれば、本件契約条項に基づく解除については民法620条を準用し、将来に向かって効力が生じると解するのが相当であると裁判所は判断しています。

(2)使用権料残金

本件では、被告が原告に対して1か月又は2か月おきに相当量の複製発注をしてきていることに鑑み、解除による事後的な対価的清算としては、使用許諾期間の観点から考えることとし、使用許諾期間1年間のうち被告が使用許諾の利益を享受したと認められる期間に相当する範囲に対応する使用権料は原告が収受でき、それ以後の期間に対応する使用権料は、これを原告は収受できないと考え、このような清算関係に沿うように、被告の使用権料支払義務又は原告の原状回復義務のいずれかを認めることとするのが相当であると裁判所は判断。
1億6740万円(1億5500万円×1.08[税込み])のうち、使用許諾契約の始期である平成26年5月14日から上記平成27年2月4日までの267日に対応する額は、1億2245万4246円(1億6740万円÷365日×267日)となるから、被告の支払った1億800万円を超える1445万4246円については、被告は原告に対して未だ使用権料として支払義務を負っており、他方、被告が原告に支払った1億800万円は、上記1億2245万4246円を超えるものではないから、原告から被告に対して返還する使用権料はないと認定。
結論として、被告は、原告に対して本件契約に基づく使用権料の残金として1445万4246円の支払が認められています。

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■コメント

被告は、自動車が趣味でカー用品などを購入する機会が多い人には名の通った企業です。

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2017年02月04日

雑誌「プレジデント」記事翻案事件(控訴審)−著作権 著作権侵害および名誉侵害行為に対する損害賠償控訴事件判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

雑誌「プレジデント」記事翻案事件(控訴審)

知財高裁平成29.1.24平成28(ネ)10091著作権侵害および名誉侵害行為に対する損害賠償控訴事件PDF

知的財産高等裁判所第2部
裁判長裁判官 清水 節
裁判官    片岡早苗
裁判官    古庄 研

*裁判所サイト公表 2017.1.27
*キーワード:翻案権、同一性保持権、名誉・声望権

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■事案

雑誌に掲載された記事を要約してウェブサイトに転用されたとして著作権侵害性などが争点となった事案の控訴審

控訴人 (1審原告):映画プロデューサー
被控訴人(1審被告):新聞社

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■結論

控訴棄却

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■争点

条文 著作権法2条1項1号、27条、113条6項

1 翻案権侵害の成否
2 同一性保持権侵害の成否
3 名誉・声望権侵害の成否
4 社会的評価の低下の有無
5 真実性の抗弁ないし公正な論評の抗弁の成否


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■事案の概要

『本件は,控訴人記事(甲2)の著作者であり,著作権者である控訴人が,被控訴人が運営するウェブサイトに掲載された被控訴人記事(甲1)により,著作権(翻案権)及び著作者人格権(同一性保持権,名誉・声望権)を侵害され,名誉を毀損されたと主張して,被控訴人に対し,(1)著作権侵害,著作者人格権侵害ないし名誉毀損の不法行為に基づき,損害合計340万円及びこれに対する不法行為の後の日(訴状送達の日の翌日)である平成28年2月16日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに,(2)著作権法115条ないし民法723条に基づき,被控訴人のウェブサイトへの謝罪文の掲載を求めた事案である。
 原審は,(a)被控訴人各表現は,表現それ自体でない部分又は表現上の創作性がない部分において,控訴人各表現と同一性を有するにすぎないから,控訴人各表現を翻案したものではない,(b)被控訴人記事は,控訴人記事を改変したものではないから,同一性保持権の侵害はない,(c)控訴人指摘の被控訴人記事中の表現部分は,被控訴人記事の著者の控訴人記事に対する意見ないし論評又は控訴人記事から受けた印象を記載したものにすぎず,控訴人又は控訴人記事を誹謗中傷するものとは認められないから,名誉・声望権の侵害はない,(d)被控訴人記事が控訴人の社会的評価を低下させる理由として控訴人が主張する点は,控訴人の社会的評価を低下させることの理由とはなり得ないし,被控訴人記事の記載が控訴人の社会的評価を低下させるものとも認められないから,名誉毀損は成立しないなどとして,控訴人の請求をいずれも棄却した。
 控訴人が,これを不服として控訴した。』(2頁)

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■判決内容

<争点>

1 翻案権侵害の成否
2 同一性保持権侵害の成否
3 名誉・声望権侵害の成否
4 社会的評価の低下の有無
5 真実性の抗弁ないし公正な論評の抗弁の成否


控訴審での控訴人の補充主張について、控訴審は認めていません。
結論として、原審の判断が控訴審でも維持されています。

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■コメント

原審の判断が控訴審でも維持されています。
最高裁サイトに公表された平成29年判断の著作権判例として最初の判決となります。

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■過去のブログ記事

2016年09月15日 原審記事
written by ootsukahoumu at 08:31|この記事のURLTrackBack(0)知財判決速報2017 

2017年01月28日

宇多田ヒカル「First Love」事件(控訴審)−著作権 損害賠償等請求控訴事件判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

宇多田ヒカル「First Love」事件(控訴審)

知財高裁平成28.12.22平成28(ネ)10057損害賠償等請求控訴事件PDF

知的財産高等裁判所第1部
裁判長裁判官 設楽隆一
裁判官    中島基至
裁判官    岡田慎吾

*裁判所サイト公表 2017.1.25
*キーワード:著作者性

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■事案

宇多田ヒカルの楽曲について、共同著作者性が争点となった事案の控訴審

控訴人 (1審原告):個人
被控訴人(1審被告):宇多田ヒカル

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■結論

控訴棄却

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■争点

条文 著作権法2条1項1号、2号

1 請求の特定
2 通知の合意の成否
3 著作者性

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■事案の概要

『本件は,控訴人が,被控訴人に対し,控訴人がAOLのチャット機能又はメール機能を使用して被控訴人のスクリーンネームであるA又は同人のメールアドレスであるA@aol.com に文章を伝達するなどして被控訴人の創作に関与したとして,控訴人は宇多田ヒカル名義の編集著作物(CDアルバム「First Love」)及び「誰かの願いが叶うころ」と題する楽曲の歌詞の共同著作者であると主張し,また,控訴人が「B&C」,「はやとちり」及び「Wait & See〜リスク〜」と題する各楽曲の歌詞につき,被控訴人の創作に関与したものの被控訴人が控訴人の氏名を表示せず被控訴人のみが著作者として利益を得るなどしたと主張して,著作権法115条,民法709条等に基づき,別紙控訴人請求目録記載の各請求(当審第1回口頭弁論調書参照)を求めた事案である。
 原審は,控訴人において主張する伝達内容が被控訴人に伝えられたものとは認められないとして,控訴人の各請求をいずれも棄却した。控訴人がこれを不服として控訴した。』(1頁以下)

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■判決内容

<争点>

1 請求の特定
2 通知の合意の成否
3 著作者性

控訴審は、原判決の判断を維持して棄却の判断をしています。

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■コメント

1審原告(控訴人)の説得力のある主張立証もなく、判決文3頁の簡潔な内容となっています。

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■過去のブログ記事

2016年05月21日 原審記事

written by ootsukahoumu at 07:55|この記事のURLTrackBack(0)知財判決速報2016 

2017年01月26日

ゴーストライター問題イベントキャンセル事件−著作権 損害賠償請求事件(本訴)、著作権使用料請求事件(反訴)判決(知的財産裁判例集)−

最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

ゴーストライター問題イベントキャンセル事件

大阪地裁平成28.12.15平成26(ワ)9552等損害賠償請求事件(本訴)、著作権使用料請求事件(反訴)PDF

大阪地方裁判所第26民事部
裁判長裁判官 高松宏之
裁判官    田原美奈子
裁判官    林啓治郎

*裁判所サイト公表 2017.1.23
*キーワード:ゴーストライター、告知義務違反、著作権譲渡、不当利得

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■事案

全ろう聴覚障害であることやゴーストライターによる作曲など虚偽事情によってイベント公演が中止された際の損害などが争われた事案

原告:イベントプロモーター
被告:音楽家

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■結論

請求一部認容

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■争点

条文 著作権法121条、民法709条、704条

1 被告による不法行為の成否(本訴)
2 原告の損害額(本訴)
3 被告には本件楽曲に係る損失があるか(反訴)
4 原告の利得額(反訴)

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■事案の概要

『(1)本訴
原告が,被告に対し,被告が,全ろうの中自ら作曲したと発表していた楽曲につき,被告の説明が真実であると誤信して当該楽曲を利用する全国公演の実施を求めた原告に対してその実施を許可し,さらに,その後も,被告の説明が虚偽であることを隠して多数回の実施を強く申し入れたことにより,原告が多数の全国公演を実施することとなったが,被告の虚偽説明等が公となり原告が上記公演を実施できなくなったことにより多額の損害を被ったと主張し,不法行為に基づく損害賠償請求として,損害金6131万0956円及びこれに対する不法行為日後の平成26年8月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。』

『(2)反訴
被告が,原告に対し,原告が企画・実施した全国公演において被告が著作権を有する楽曲を利用したのであるから,その利用の対価を支払う義務があることを当然に知りながらこれを支払わないでその使用料相当額の利得を得ており,これにより著作権者である被告が同額の損失を被ったとして,民法704条に基づく不当利得返還請求権として,使用料相当額730万8955円の返還及びこれに対する平成26年2月3日(最終公演日の翌日)から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。』(2頁以下)

<経緯>

H08 被告が作曲家P2と知り合う
H10 被告がゲームソフト「バイオハザード」音楽担当
H11 被告がゲームソフト「鬼武者」音楽担当、P2に交響曲作曲依頼
H13 TIME誌が聴覚障害の被告を紹介する記事掲載
H13 被告がP2に交響曲第1番「HIROSHIMA」作曲依頼
H19 被告が自伝を出版
H20 TBSテレビで被告が取り上げられる
H21 テレビ新広島で被告が取り上げられる
H23 日本コロンビアからCD販売
H24 NHKやテレビ朝日で被告が取り上げられる
H24 被告がP2にピアノ作品集作曲依頼
    P2が「ピアノのためのレクイエム・イ短調」作曲
H25 P2が「ピアノ・ソナタ第2番」作曲
H25 「NHKスペシャル 魂の旋律 音を失った作曲家」放映
H25 原被告間で本件交響曲公演、本件ピアノ公演打ち合わせ
H25 被告自伝が文庫化
H26 被告が原告にゴーストライター問題の週刊文春記事を転送
H26 NHKがおわび、P2が謝罪会見
H26 被告とP2が著作権譲渡確認書作成
H26 JASRACが被告との著作権信託契約を解除
H26 原告が本訴提起
H27 被告がP2に訴訟告知

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■判決内容

<争点>

1 被告による不法行為の成否(本訴)

原告は、被告が公表していた本件楽曲が被告自ら作曲した作品であること、被告が全ろうの中で苦労をして絶対音感を頼りに作曲した状況が、いずれも虚偽であって、このような虚偽の説明を前提に原告に本件公演の実施を許可し、さらに公演を増やすよう申し入れるなどして本件公演の実施に深く関与した行為が不法行為である旨主張しました。
これに対して、被告は、原告が主張するいずれの事実も虚偽ではなく、そもそも本件楽曲に関する明確な著作物利用契約まで成立したとはいえないまま本件公演が行われたものであるとして、被告に告知義務違反はないなどと反論しました(25頁以下)。

この点について裁判所は、被告に全ろうといった身体障害の事情での作曲活動といったことがなければ原告は本件公演を企画しなかったであろうし、P2が作曲していたという作曲状況も企画の上で重要な前提事実であると認定。また、原被告間で著作物利用契約も成立していたと判断。
そして、本件公演の企画に対して被告が関与をするに当たり、被告においてこれまで公表していた被告の人物像や作曲状況が事実とは異なることを原告にあらかじめ伝え、その内包されるリスクを告知する義務があったものというべきであると裁判所は判断。
結論として、被告がこの義務に反して事実を告げずに原告が多額の費用を掛けて多数の人が携わることとなる全国公演を行うことを了承し、さらには公演数を増やすように強く申し入れるなどして本件公演の企画に積極的に関与し、それにより原告に本件公演を企画・実施するに至らせた行為は、原告に対する不法行為を構成すると判断しています。

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2 原告の損害額(本訴)

原告の損害額について、裁判所は、損害として損益通算すべきは、(1)実施された公演については、通常得られる利益を超過して得られた利益を通算対象とすべきであり、(2)中止された公演については、売上げがない反面、経費は支出しており、また、同時期に他の公演を企画・実施する機会を逸し、突然の中止であったために他の公演で代替する余裕もなかったと認められるとして、(a)純粋支出となった経費に加え、(b)他の公演を実施していれば通常得られたであろう利益を損害として通算対象とすべきであると判断しています(30頁以下)。

(1)実施された公演による利益

実施された公演から得られた超過的利益があるとは認められず、通算対象とすべき利益は存しない。

(2)本件公演中止による損害

(a)純粋支出となった経費

・返金したチケット返送料 5万8560円
・返送料振込手数料 2万0300円
・プレイガイドへ支払った手数料等 270万6243円
・振込手数料 6988円
・公演中止広告費 21万0000円
・会場費 279万3040円
・広告費 132万2718円

(b)他の公演を実施していれば通常得られたであろう利益

・本件公演中止による逸失利益 4277万5259円

売上予定額9337万1860円−経費額5059万6601円

・本件交響曲公演のプログラムの販売不能による逸失利益 188万5313円

(3)弁護士費用 500万0000円

合計5677万8421円

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3 被告には本件楽曲に係る損失があるか(反訴)

被告は、原告が本件楽曲に係る使用料を支払うことなく実施された本件公演において本件楽曲を演奏させたことについて、使用料相当額の不当利得が成立すると主張しました(37頁以下)。
この点について、裁判所は、前提としてP2から被告への本件楽曲の著作権譲渡を認定しています。
なお、原告は、譲渡契約があるとしてもその実質はゴーストライター契約であって、著作権法121条に反する、あるいは公序良俗に反するもので無効である旨反論しましたが、裁判所は、被告とP2との間で著作権譲渡合意が本件楽曲に関する合意と不可分一体のものとされていたとまでは認められず、また、性質上不可分一体のものとも認められないと判断。そして、著作権法121条は作者名を詐称して複製物を頒布する行為を処罰の対象とするにすぎず、著作権を譲渡することを何ら制約するものではないとして、本件確認書自体が同条に反するものではなく、また、そのことは公序良俗違反についても同様であるとして、被告とP2との間における本件楽曲の著作権譲渡合意は無効とはいえないと判断しています。
結論として、被告には本件楽曲に係る使用料相当額の損失があり、原告による本件楽曲の利用利益の享受という利得は、法律上の原因を欠くものであったと認定しています。

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4 原告の利得額(反訴)

本件における原告の利得額としての使用料相当額は、原告がJASRACに対して支払うべき使用料相当額であると裁判所は判断。
結論として、被告の原告に対する不当利得返還請求として410万6459円の利得額が認定されています

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■コメント

興業イベントについて、中止された14公演の損害額の認定の点が参考になる事案です。
音楽家新垣隆氏が2014年2月6日、記者会見を開いて佐村河内守氏のゴーストライターを18年間に亘り担当していたことを公表、お茶の間を賑わせる話題となりました。その際、フィギュアスケート高橋大輔選手がソチオリンピックのプログラムで自分の楽曲を使用するのも憚られる、といった内容が印象に残っています。
当時、原告のサモンプロモーションはいち早くチケット払戻しなどのプレスリリースを告知し、また、2014年に本件提訴をしました(「<佐村河内氏>代作で全国ツアー中止 6100万円賠償提訴」毎日新聞2014年11月25日10時45分配信)。
JASRACは「佐村河内守氏の作品について 2014年2月5日プレスリリース」で楽曲の取扱いについて注意喚起。また、音楽CDを制作販売した日本コロンビアも「関係各位 2014年2月7日 佐村河内守氏につきまして」として出荷停止、販売中止などについてプレスリリースを公表していました。

written by ootsukahoumu at 06:51|この記事のURLTrackBack(0)知財判決速報2016